「厭わず」の意味・類語【使い方や例文】
私達は普段の会話の中では、どのくらいの言葉を使っているでしょうか?
言葉のボキャブラリーが豊富だと、会話の使い分けに幅が出てきますし、自分の感じたことや常日頃がら考えていることを色々な表現で例えることができます。
それだけに言葉には、趣のある言葉や比喩的に表現できる言葉が数多くあります。
その中で「厭わず」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
今回は、この「厭わず」について、意味や活用について、見ていこうと思っています。
目次
- 「厭わず」の意味とは?
- 「厭わず」の読み方
- 「厭わず」の言葉の使い方
- 「厭わず」を使った例文・短文(解釈)
- 「厭わず」の英語と解釈
- 「厭わず」の類語や類義表現
「厭わず」の意味とは?
「厭わず」とは、「厭う」の否定形の言い方をする言葉ですが、ですので、「厭う」のは、「煩しく感じてそれを避けること」という意味を持つ言葉です。
簡単に言うと、「面倒だ」と思うことです。
「厭わず」とは、それを否定する表現なので、「面倒ではない」、「嫌がって避けることをしない」という意味で解釈することができます。
積極的な「好き」というレベルではないものの、「面倒だからと避けたりすることはしない」というレベルのニュアンスで理解して問題はないでしょう。
「厭わず」の読み方
「厭わず」は「いとわず」という読み方になります。
「厭わず」の言葉の使い方
「厭わず」という言葉は、どのような場面で使われることになるでしょうか?
「苦労を厭わず仕事に励んでいる」というような使い方がありますが、特別に好き好んで苦労することではないけれども、「たとえ苦労があったとしても、それを避けることなく頑張る気持ちや姿勢は持っている」という意味合いになります。
「厭う」は、「煩わしいから避ける」ということになるので、「今日は雨を厭う」となると「外出して遊びに行くのは止めよう」という解釈になります。
ちなみに「厭う」には他にも「嫌う」、「避ける」とは違った意味があります。
「健康に留意する」や「身体を大事にする」、「いたわる」という意味で、相手を気遣う場面で使われることもあります。
「厭わず」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「厭わず」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「厭わず」の例文1
- 「厭わず」の例文2
- 「厭わず」の例文3
「厭わず」の例文1
「同僚が嫌がって避けていた仕事でも厭わず、必死に働き大きな成果を出して、トントン拍子で出世したのです」
仕事をしていると、中には苦労がつきまとう仕事を避ける人がいます。
しかし、いつもそのようなことを続けていると、自己成長を望むことができません。
この例文に出てくる人のように積極的に仕事に臨むことで、出世も早くなることがあります。
「厭わず」の例文2
「隣のおじさんは、雨の日も風の日も風邪をひくことも厭わずに、いつも清掃活動を続けている」
自分が住んでいる町内には、このような方がいらっしゃるのではないでしょうか?
誰からも指示されて動くわけではなく、地域貢献の一貫でこのようなことをされている人には、頭が下がる思いです。
まさにボランティア精神旺盛な方と言えるでしょう。
「厭わず」の例文3
「彼女と結婚するためなら、どんな苦労も厭わず進んでいくつもりだ」
愛する人のためなら、どのような苦労が待ち構えて板としても、決して逃げることがないというひたむきな彼の気持ち。
このような男性と結婚できる女性は本当に信じるに幸せなはずです。
「厭わず」の英語と解釈
「厭わず」を英語で訳すなら、“Willing not”という言葉になります。
「厭わず」の類語や類義表現
ここからは、「厭わず」の類義語を見ていくことにしましょう。
どのような言葉があげられるのでしょうか?
- 「敬遠しない」
- 「避けない」
- 「面倒くさがらない」
「敬遠しない」
「敬遠」とは、「表面上では敬いの気持ちを装いながら、実際は嫌がって近寄らないこと」や「面倒なことや嫌なことに近づかないようにすること」、「逃げること」という意味があります。
そのことから「敬遠しない」は、「逃げることをしない」ということになります。
「アイツはどんなにか困難なことにぶつかっても敬遠しないので、大したものだ」というようなことで使われます。
何事にも立ち向かう人の姿はとても力強く格好いいものです。
「避けない」
「よけることをしない」という意味ですが、「悪球を避けない度胸の持ち主」のような形で使われることもありますが、困難なことが目の前に現れても決して「避けることをしない」ということで使われることもあります。
難しいことを「避ける」ことで、苦労することから解放されたり、背負い込むことがありませんが、自分の経験を積むという意味からすると、決していいことではありません。
最近では、無駄なことを「避ける」ということがよく言われますが、このことを誤解しがちな人が増えていることは、とても残念なことかもしれません。
「面倒くさがらない」
「面倒」とは、「手数がかかって不快なこと」や「煩雑で煩わしいこと」という意味なので、「面倒くさがらない」となると、「煩わしいことでも逃げることはしない」という意味になります。
世の中には、様々な出来事がありますが、中には、本当に「面倒くさい」こともたくさんあります。
その中から効率性の高いことに集中して取り組むという考え方もあるのですが、それだけでは決して良くないこともあります。
基本的には、面倒なことでもせっかく的に立ち向かっていく気持ちが必要です。
「厭わず」というの言葉の意味を調べていくうちに、現代社会の姿勢に警鐘を鳴らしているような気持ちになってきます。
今では、仕事でも普段の生活でも、できるだけ効率性の高いことに限定して取り組もうという風潮があります。
このことは、決して間違いではありませんが、このことばかり追い求めていると、自分の成長は期待できないということになってしまいます。
日頃から、どのような苦労も「厭わず」とい姿勢を持ち続けることで、自分を高めて行くことができるのではないでしょうか?
経験が豊富になってくると、困難なことも困難ではなくなっていきますので、このような姿勢を大事にして欲しいと思うのです。