意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「二の舞」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】

「二の舞」とは、「人が失敗したことをもう一度繰り返すこと」「人の後から出てきて、その人の真似をすること」です。

「二の舞」「意味・読み方・英語と解釈・語源・使い方・例文と解釈・二の舞を踏むは誤用か?・二の舞と二の足の違い・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。

二の舞

Meaning-Book
「二の舞」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】>


目次

  • 「二の舞」の意味とは?
  • 「二の舞」の読み方
  • 「二の舞」の英語(解釈)
  • 「二の舞」の語源
  • 「二の舞」の言葉の使い方
  • 「二の舞」を使った例文・短文・メール(解釈)
  • 「二の舞を踏む」は誤用?
  • 「二の舞」と「二の足」の違い
  • 「二の舞」の類語や類義の表現


「二の舞」の意味とは?

「二の舞」の意味とは?

「二の舞」の意味は、「人が失敗したことをもう一度繰り返してしまうこと」「人の後から出てきて、その人のやったことを真似すること」になります。

「二の舞」という言葉は元々、「雅楽(がく)」「安摩(あま)の答舞(とうぶ)」に由来していて、安摩という人が舞った後に、その舞を面白おかしく真似するということを示していました。

その由来から、「二の舞」の意味は「人の後から出てきて、その人のやったことを真似すること」が原義に近いのですが、現代ではその意味よりも「人が失敗したこと(ミスしたこと)をもう一度繰り返してしまうこと」の意味で用いられることが圧倒的に多くなっています。

例えば、「失敗した人の二の舞にならないように注意深く行動するようにしよう」などの文章で、「二の舞」の意味を示すことができます。



「二の舞」の読み方

「二の舞」の読み方

「二の舞」の読み方は、「にのまい」になります。

「二の舞」の英語(解釈)

「二の舞」の英語(解釈)

「二の舞」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。

“same error”(「同じミス・失敗」の意味から、「二の舞」を意味しています。)

“commit the same error”(「同じ失敗をしてしまう」の意味から、「二の舞を演じる」ということを表現することができます。)

“I don't want to commit the same error as I played tennis last week. ”(「私は先週、テニスをプレイした時のような同じミスをしたくない」から、「私は先週のテニスで失敗した時の二の舞を演じたくない」を意味しています。)

“repeat one's mistake(failure)”(「〜の失敗・ミスを繰り返す」の意味から、「二の舞を演じる」を意味しています。)

“I repeated my mother's marriage failure because of choosing the wrong husband. ”(私は夫選びを間違って、結婚に失敗したお母さんの二の舞を演じてしまいました。)

“If you get over yourself, you may repeat your brother's mistake. ”(あなたは調子に乗っていると、お兄さんと同じミスをしてお兄さんの二の舞になるかもしれません。)

“follow in the wake of〜”(「〜に追随する・〜の流れに乗って付いていく」から、「〜の二の舞になる」を意味しています。“follow”「付き従う」“wake”「通った跡や道筋・航跡」を意味しています。)



「二の舞」の語源

「二の舞」の語源

「二の舞」の語源は、お面をつけて舞う「雅楽」の一つである「安摩の答舞(あまのとうぶ)」にあります。

安摩という人物が舞を舞った後に、「安摩の答舞」では「咲面(わらいめん)」「腫面(はれめん)」のお面をつけた人物が出てきて、安摩の舞をわざと失敗しながら滑稽な動作で真似をして舞います。

この咲面と腫面をつけた人が、安摩の舞を真似して舞った滑稽な舞(わざと失敗して舞った舞)のことを「二の舞」と呼んでいたのが、語源になっています。

その語源から「二の舞」の原義は、「人の後から出てきて真似をすること」でしたが、現在では「人と同じ過ち・失敗をすること」の意味で使われる事の方が多くなっています。

「二の舞」の言葉の使い方

「二の舞」の言葉の使い方

「二の舞」の言葉の使い方は、「誰かが失敗したりミスしたりしたことを、もう一度繰り返すような状況・場面」において使うという使い方になります。

「人と同じような失敗(ミス)・不成功を、もう一度繰り返してしまったような時」に、「二の舞」という言葉を使用することができるのです。

例えば、「博打・女遊びの借金で失踪したろくでなしの父親の二の舞になりたくないので、私は幼い頃からギャンブルや女性、お酒にのめり込んではいけないと自分に言い聞かせてきました」「十分に注意深く行動していたはずなのに、彼は犠牲者の二の舞を演じることになりました」などの文章において、「二の舞」の言葉を正しく使うことができます。

「二の舞」を使った例文・短文・メール(解釈)

「二の舞」を使った例文・短文・メール(解釈)

「二の舞」を使った例文・短文・メールを紹介して、その意味を解釈していきます。

  • 「二の舞」の例文1
  • 「二の舞」の例文2
  • 「二の舞」の例文3

「二の舞」の例文1

「浮気で結婚生活に失敗した兄の二の舞にならないように、普段の私生活から自分の振る舞いに気をつけていきたいと思います」

この「二の舞」を使った例文・短文は、「兄が浮気をして結婚生活に失敗した前例」を上げて、「自分は兄と同じ過ちを繰り返さないで済むように、普段の私生活から他の異性に興味を持たず、自分の振る舞いに気をつけていきたい」ということを意味しています。

「二の舞」の例文2

「苦労と悩み事が続くばかりの人生を送った母の二の舞を演じる運命は避けたいと思っています」

この「二の舞」を使った例文・短文は、「苦労を悩み事ばかりに襲われてきた母親の人生の前例」を上げて、「自分は苦労と悩みばかりが続いた母と同じような人生の運命は避けたいと思っていること」を意味しています。

「二の舞」の例文3

「先月は、Aさんが準備不足のプレゼンで失敗しましたが、その二の舞を演じることがないよう、十分に説明資料の内容をブラッシュアップしておいて下さい」

この「二の舞」を使ったメールは、「先月、Aさんが準備不足のためにプレゼンで失敗した前例」をあげた上で、「Aさんと同じ失敗を繰り返さないように、事前に説明資料の内容を十分に整理・吟味して洗練させておいて下さい」という業務命令を意味しています。

「二の舞を踏む」は誤用?

「二の舞を踏む」は誤用?

「二の舞を踏む」という言い回しが使われることがありますが、これは「二の足を踏む」の言い回しと混同された「誤用」になります。

「二の舞」の言葉を「人と同じ過ち・失敗をしてしまう」という意味で用いる場合には、「二の舞を演じる」「二の舞になる」という言い方が正しい語用になります。

しかし、近年では「舞台を踏む」「場数を踏む」などの言い回しで、何かを経験することを意味することから、「二の舞を踏む」という言い方も必ずしも間違いとは言えないのではないかとする立場の国語学者も出てきています。

現時点では、国語辞典的な正しい日本語の使い方としては、「二の舞を踏む」は誤用であるため、「二の舞を演じる」とした方がいいでしょう。

「二の舞」と「二の足」の違い

「二の舞」と「二の足」の違い

「二の舞」「二の足」「似た感じの言葉」ではありますが、それぞれの意味はまったく異なります。

「二の舞」という言葉は「雅楽で安摩の舞をおもしろおかしく真似した舞」が語源であり、「人と同じような過ち・失敗・間違いを繰り返すこと」を意味しています。

それに対して、「二の足」というのは「一歩目をすぐに踏み出せるが、二歩目はためらって踏み出しにくい」の語源から、「物事を選択する時にためらってしまうこと・思い切って決断できずに迷ってしまうこと」を意味しています。

「二の舞」「二の舞を演じる」「二の足」「二の足を踏む」という定型的な慣用句として使われる違いもあります。

「二の舞」の類語や類義の表現

「二の舞」の類語や類義の表現

「二の舞」の類語や類義の表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「二の舞」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。

  • 「同じ轍を踏む・覆轍」
  • 「同じ過ちを繰り返す・同じ失敗を繰り返す」

「同じ轍を踏む・覆轍」

「二の舞」の類語・類義表現として、「同じ轍を踏む・覆轍(ふくてつ)」があります。

「同じ轍を踏む(おなじてつをふむ)」の言葉は、「先人が失敗した同じ失敗を、再び繰り返すこと」を意味しています。

「轍」「わだち」のことで、「車が通り過ぎた車輪の跡」が原義になっています。

「覆轍」の言葉の意味は、古代中国の「漢書」が出典で、「先人の失敗を見ることによって、後に続く人は同じ失敗をしないように戒めとすることができる」になります。

人と同じ失敗をする「二の舞」の類語として、「同じ轍を踏む・覆轍」を上げることができます。

「同じ過ちを繰り返す・同じ失敗を繰り返す」

「二の舞」の類語・類義表現として、「同じ過ちを繰り返す・同じ失敗を繰り返す」があります。

「二の舞」という言葉の意味は、「他の人がした失敗や過ちを、もう一度繰り返す」ということになります。

その意味から、「二の舞」とほぼ同じ意味合いを持つ類義表現として、「同じ過ちを繰り返す・同じ失敗を繰り返す」を上げることができるでしょう。

icon まとめ

「二の舞」という言葉について徹底的に解説しましたが、二の舞には「人が失敗したことをもう一度繰り返すこと」「人の後から出てきて、その人の真似をすること」などの意味があります。

二の舞の類語・類義表現としては、「同じ轍を踏む・覆轍」「同じ過ちを繰り返す・同じ失敗を繰り返す」などがあります。

「二の舞」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。