「狭き門」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
この「狭き門」は、キリスト教の教典である「新約聖書」から引用され、それが一般の言葉として普及したものだと言われています。
目次
- 「狭き門」の意味とは?
- 「狭き門」の読み方と聖書の解釈
- 「狭き門」の英語(解釈)
- 「狭き門」の言葉の使い方
- 「狭き門」を使った例文や短文(解釈)
- 「狭き門」の類義語
「狭き門」の意味とは?
狭き門とは、「厳しい状況」や「困難なこと」に対して使われる言葉です。
それが行える(達成する)可能性がとても低いと感じた時に、それをこの言葉で例えて用います。
簡単な例を挙げると、「東大合格は狭き門だ」といったように使います。
色々なことを例えて使える言葉ですが、上の例のように、合格や不合格が絡むことに対して使われることが多いです。
「倍率が30倍の狭き門だ」などという使い方はよく見聞きする形で、自分がそうだと思うことに対して使うだけでなく、世間でそのように思われていることによく使われています。
「狭き門」の読み方と聖書の解釈
「狭き門」は「せまきもん」と読んでください。
この言葉は冒頭で挙げたように、「新約聖書」の中からの引用によって作られました。
その箇所には、イエス・キリストが教えとして「狭い門から入りなさい」と言ったことが記載されています。
理由は、広い門は滅びに至る道で、狭い門こそがいのちに通じる道だからだと続いています。
これはもちろん例えで、人間は広い門(楽な道)を選ぶと堕落してしまうことが多いです。
しかし、狭い門(困難な道)は選ぼうとしても、まずそれを見付けることから始めないといけないと言っており、それができる者は数少ないが、居ないことはないとも言っています。
- 「狭い門」を見付けるには?
- 「狭き門」は元々は困難な道?
「狭い門」を見付けるには?
この「狭い門」とは、自分が成長する為の課題のことです。
そして、それは簡単には克服(達成)できない内容であり、まずはそれ(狭い門)を自分で見付けることから始める必要があります。
その門の先の困難(克服の為の努力)を経て、克服(達成)することができれば、それが「いのち」(自分の人生にとってとても有用な結果)に繋がるという解釈です。
このような例えは聖書の中では多く、この「狭き門」のように、現在使われている言葉の由来となっているものがいくつかあります。
「狭き門」は元々は困難な道?
聖書からの引用そのままだと、「狭い門」となるべきですが、「狭き門」と変化させて使われるようになりました。
その為、「狭い門」という表現でも間違いではありません(意味も当然一緒です)。
聖書(イエス・キリスト)の教え通りだと、現在使われている「狭き門」という言葉は「自分自身の成長の為の困難な道」となりますが、そこから転じて、1つの言葉として「困難なこと」全般を意味するようになったという訳です。
「狭き門」の英語(解釈)
狭き門は、そのまま英語で(サイズ的に)「狭い門」と表記しても、この言葉の意味になりません。
日本語での「狭き門」の意味を表現するなら、“competitive”が適当な言葉でしょう。
“competitive”は、「競走の激しい」という意味を持つ単語なので、充分に「狭き門」の意味として使うことができます。
“competitive examination”とすると、「合格が狭き門の試験」という意味になり、英語としてよく使われている表現です(有名大学や一流企業への入学、入社試験に対してよく使われます)。
「狭き門」の言葉の使い方
狭き門は、先にも書きましたが、合否判定があることに対してよく用いられています。
その他にも、達成が難しいことを表現するのに適した言葉として広く使われています。
「〜は狭き門のようだ」という形で、そのようだと言いたい時に使うこともでき、それだけその達成が難しいということをこの言葉で表現できます。
「狭き門」を使った例文や短文(解釈)
狭き門を使った例文や短文です。
この言葉を使う時によく用いられる形ばかりです。
- 「狭き門」の例文1
- 「狭き門」の例文2
- 「狭き門」の例文3
「狭き門」の例文1
「プロ野球選手になるには、とても狭き門を通らないといけない」
「狭き門」は、この例文のように、それを「通る」(=それに合格する、達成する)と使うことも多い言葉です。
プロ野球選手は、その狭き門を通らないといけない代表的な例と言えるでしょう。
ほとんどが過去に甲子園や有名大学リーグ、もしくはノンプロ(社会人野球)を経験し、その中でも飛び抜けて優秀だった選手しかなることができない「狭き門」だという訳です。
「狭き門」の例文2
「狭き門の医学部に、一浪の末にやっと合格することができた」
狭き門の使い方として、代表的な例だと言うことができます。
このような合格が難しい対象に使われているのを一番見掛ける言葉で、「この国家試験の合格は〜」、「あの会社への入社は〜」などもこの例文とほとんど同じ使い方です。
「狭き門」の例文3
「この業界に参入するには狭き門だと言われている」
業界によっては、新規での参入が難しい場合も少なくありません。
今では大分条件が緩和されましたが、一時期は「タクシー業界」への参入がこの「狭き門」だった時代がありました。
また、逆に参入が難しくなった業界に「消費者金融業」があります。
2009年以降は、その為の国家試験に合格した主任者が必要数(規模によって必要になる人数が異なります)居なければならず、5000万円以上の資本金で会社として設立しないといけないという条件になった為です。
「狭き門」の類義語
狭き門と同じような意味で使える言葉や表現です。
どれも、困難な状況、厳しいことを例えています。
- 「難壁」【なんぺき】
- 「難関」【なんかん】
「難壁」【なんぺき】
この「難壁」とは、登るのが難しい壁や崖のことで、そう呼ばれる対象こそが「狭き門」です。
よって、「狭き門」を通ろうとする表現は「難壁に挑む」と使われます。
例として、「この大学への合格という難壁に挑む」といった形になります。
「難関」【なんかん】
「難関大学に挑戦する」などと、よく聞く言葉だと思います。
これもまた、合格が難しいという意味になり、その合格は「狭き門」という具合です。
こちらもそれに「挑む」と付けて使う形がよく見られ、そのまま「〜は難関だ」とすると、「狭き門」と同じ意味で使うことができます。
狭き門は、とても困難なことの例えとしてよく使われる表現です。
実際にどれくらいのパーセンテージでそれが克服(達成)できるのかと言われれば、それは場合によって様々で、10%程度のこともあれば、まず無理だという場合もあります。