「把握」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「把握」という言葉は日常的にもよく使われますし、ビジネスにおいてもよく利用される言葉です。
しかし、「把握」するという表現は一体どのような意味を持つのでしょうか。
理解する、掌握する、とは何が違うのでしょうか。
ここでは「把握」という言葉について紹介します。
目次
- 「把握」の意味とは?
- 「把握」の読み方
- 「把握」の英語(解釈)
- 「把握」の言葉の使い方
- 「把握」を使った言葉と意味を解釈
- 「把握」を使った例文・短文(解釈)
- 「把握」の類語や類義の表現
- 「把握」と「把持」の違い
「把握」の意味とは?
「把握」という言葉の本来の意味はつかむ、握り締める、そしてしっかり理解する、という意味を指しています。
これに対し、理解するという言葉は内容や意味、背景などを正しく知って説明できるという意味があり、「把握」するという表現よりも理解するという表現の方がより多くを知っているという意味になります。
つまり、「把握」というのは実践できるレベルまでは理解が及んでいるけれど詳しくはまだわからない、という状況を指しているのです。
「把握」の読み方
「把握」は「はあく」と読みます。
言葉は知っているけれどいざとなると書けない、という人は多いかもしれませんね。
読み方だけではなく、漢字もしっかりと覚えておきましょう。
「把握」の英語(解釈)
「把握」を英語にすると“get hold of”、“grasp”、などという表現が使えます。
また、理解するという意味になりますので“understand”という単語を使うことも可能です。
「把握」するという表現で直訳するのではなく、理解するという表現で訳した方が、文章はわかりやすくなるかもしれません。
「把握」の言葉の使い方
「把握」という言葉はビジネスにおいてもよく使われます。
例えば、職場の会議に出席するときにはどのような内容が話し合われるのか「把握」しておいた方が自分の意見を出しやすいですよね。
たとえ具体的に何をいうかは決まっていない、具体的にどのような発言が出るかはまだわからない、という状態であったとしてもとりあえず何について話し合われるのか知っておけば、事前に考えておくことが可能です。
このように、「把握」とはそこまでよく知らなくても、ある程度のレベルまで知っているという状況を指すのです。
「把握」を使った言葉と意味を解釈
ここでは、「把握」という言葉を使った表現をいくつか紹介します。
- 状況を把握する【じょうきょうをはあくする】
- 把握される【はあくされる】
- 自己把握【じこはあく】
状況を把握する【じょうきょうをはあくする】
状況を「把握」するというのはその時に何が起こっているのか、どのような状況になっているのか、ということを理解するということです。
現在どのような様子であるかチェックして理解するという意味を持ちます。
例えばなぜ交通渋滞が起こっているのか状況を「把握」する、などというときに使われます。
把握される【はあくされる】
「把握される」というのは状況や様子が「把握」できる状態であることを指しています。
把握するという表現の未然形に受け身、尊敬、自発、可能の助動詞である「れる」がついた形になります。
自己把握【じこはあく】
「自己把握」は自分のことを把握するという意味です。
就職活動をする前など、「自己把握」をして自分がどのようなことをしたいと思っているのか、どのような目標を達成したいのか、自分の長所や短所は何なのか、一生懸命分析しますよね。
自己を把握する事は非常に大切です。
「把握」を使った例文・短文(解釈)
ここでは「把握」という表現を使った例文をいくつか紹介します。
どのようなニュアンスで用いられているのかしっかりと「把握」しましょう。
- 「把握」の例文1
- 「把握」の例文2
- 「把握」の例文3
「把握」の例文1
「新しいバイトを始めることになり、彼は初日にその仕事の内容を把握した」
学生時代、あらゆるアルバイトをしたことがあるという経験を持つ人もいるかもしれませんね。
仕事内容は業種によって違いますので、もしもアルバイト先を変えたならば毎回しっかりと仕事内容を「把握」していかなければいけません。
特に最初の1週間位で仕事内容を「把握」し、実践できるようになる事は非常に大切です。
出来る限り早く仕事内容を「把握」できれば、より職場の人たちの信頼を得られると言えるでしょう。
「把握」の例文2
「事前に人間関係を少し把握しておくといいよ」
役員等になった場合、人間関係を少しでも「把握」しておいた方が良い場合があります。
人間には上下関係があり、場合によっては「あの人が強い」「この人に逆らってはいけない」「あの人には誰も逆らわない」などということもあるかもしれません。
そのような基礎知識を最初に得ておくことで、スムーズに役員等に参加できる場合があります。
「把握」の例文3
「自然災害が起こったときには、事態をしっかりと把握することが大切です」
日本は自然災害が多い国だと言われています。
台風のみならず、地震や津波などが起こる国ですから、もしも何かあった場合はしっかりと状況を「把握」し、行動できるようにしておかなければいけません。
防災グッズなどを揃えている家庭も多いといわれていますが、普段から防災に備え、準備をしておくことも大切です。
何かあったときに家族にどのように連絡を取るのかなど、家族内で話し合うことも必要です。
「把握」の類語や類義の表現
ここでは「把握」という言葉の類義語を紹介します。
- 理解【りかい】
- 認識【にんしき】
理解【りかい】
理解という表現は「把握」という言葉の類義語だといえます。
もっとも、「把握」という表現は理解よりも弱い表現であり、理解するといった方がより深くまで理解しているということになります。
しかし、「把握」という表現も十分に理解するという意味合いを含みますから、理解という表現は類義語だと言えるのです。
認識【にんしき】
「把握」という表現には物事に関する情報を入手することなどという意味もあります。
また、ある程度まで知るという意味で認識という表現も類義語だと言えるでしょう。
これ以外にも認める、という表現も類義語だといえます。
「把握」と「把持」の違い
把持というのはしっかり持つこと、という意味もありますが、同時にこれは記憶の第二段階を指す言葉でもあります。
記銘された経験などが量的に少し減少し、また、質的に少し変化しながら記憶に残る過程を指します。
例えば、人間はそれぞれ見方が違いますよね。
喧嘩した2人に「どうして喧嘩したの?」と聞けば、それぞれ違ったことをいうかもしれません。
それぞれの頭の中で喧嘩という経験が少しずつ変わりながら記憶に残っていくからです。
この状態を把持といいます。
そのため、「把握」と把持は全然違う表現であるということになります。
「把握」という表現は特にビジネスにおいてよく使われる言葉ですから、しっかりと意味を理解しましょう。
しかし、理解するという表現の方が「把握」するという表現よりも強いということを知っておく必要があります。
本来は理解するというべきところで「把握」するという表現を使ってしまうと、マイナスのイメージを与えてしまいかねませんから気をつけましょう。