「さもしい」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
この「さもしい」という言葉は、侮辱表現に当たります。
その為、滅多に使うことはありませんが、意味はしっかり覚えておきたいところです。
目次
- 「さもしい」の意味とは?
- 「さもしい」の漢字はある?
- 「さもしい」の英語(解釈)
- 「さもしい」の言葉の使い方
- 「さもしい」を使った言葉と意味を解釈
- 「さもしい」を使った例文・短文(解釈)
- 「さもしい」の類義語や置き換えられる表現
「さもしい」の意味とは?
さもしいとは、"(心が)貧しい"、"あさましい"、"みすぼらしい"、"下劣な"といった意味で使われる言葉です。
このように、全くいい意味のない言葉で、対象を完全に見下して使うことになります。
注意しなくてはいけない点として、「さみしい」と語呂が似ているので、それと似たような意味だろうと思って使ってしまうケースが挙げられます。
"さみしい人"という表現も、決していい意味ではありませんが、これを"さもしい人"とすると、その人があさましく、品性まで下劣な人ということになってしまいます。
このように、「さみしい」と「さもしい」では大きな違いなので、決して軽く考えて(そこまで変わらないだろうと思って)使ってはいけない言葉です。
「さもしい」の漢字はある?
「さもしい」には、これといった漢字表現はありませんが、この言葉の語源から、「沙門しい」と表記されることがあります。
ですが、正式な表記ではないので、平仮名のままで使ってください。
その語源ですが、昔、"沙門"(さもん)と呼ばれる出家僧が、恵みを頂戴しようと数々の民家へそのように訪ねたという出来事から、貧しい様子がこの沙門のようだという意味で、"沙門しい"という言葉ができたと言われています。
よって、元々は「貧しい」という意味だけの言葉でしたが、現在では前述のような色々な"あさましさ"も含めた解釈で使われています。
「さもしい」の英語(解釈)
さもしいの意味を表現できる英語は、「mean spirited」が一番適当です。
「meanspirited」と繋げてしまっても構いません。
"下劣な"、"悪意のある"、"たちの悪い"といった意味で使う言葉で、「さもしい」とよく似た意味で使うことができます。
尚、貧困な状態だけを表すなら、「needy」の方がいいでしょう。
こちらは"貧困者"や"乞食のような"という意味になり、「さもしい」は一言でこれらの全ての意味をカバーできる言葉です。
「さもしい」の言葉の使い方
さもしいと使う時には、これまでに書いてきたように注意が必要です。
この表現で呼ばれる対象は、その意味から、誰にも好かれそうにありません。
本当にそのように思った時に、誰かを指してそうだと使う言葉ですが、決してその本人に聞かれることはないようにしてください。
かなりの侮蔑表現なので、それに怒ったその人とトラブルになってしまう可能性があるからです。
「さもしい」を使った言葉と意味を解釈
さもしいが使われている言葉の意味を解説していきます。
これらはそれで一つの言葉だと考えていいでしょう。
- 「さもしい食事」
- 「さもしい浪人」
「さもしい食事」
"とても貧しい食事"という意味で使う表現です。
その食事をする本人自ら自虐的に使うこともあり、ご飯に卵が1つだけという状態や、昨日の残り物だけで作った食事などが代表的な例です。
"給料日までピンチなので、今日からさもしい食事になる"などと使うことや、"見るならにさもしい食事だ"といった形でよく見掛け、そこまで悪い意味ではありませんが、人の食事をそのように表現するのはやめておきましょう。
「さもしい浪人」
ここで言う浪人とは、大学受験などに失敗してもう一年勉強し直している姿ではなく、風来坊のような存在のことを表します。
つまりは昔で言うところの浪人です。
"里見八犬伝"という有名な書籍の中で、細乾左母二郎(〜さもじろう)という人物がそのように描かれており、そこから引用されている言葉です。
今では決まった住居がなく、いわゆるホームレス状態の人を指して使われる言葉となっています。
「さもしい」を使った例文・短文(解釈)
さもしいを使った例文や短文です。
言葉が言葉なので、どれもあまりいい表現として使っていないことから、参考程度に見ておいてください。
- 「さもしい」の例文1
- 「さもしい」の例文2
- 「さもしい」の例文3
「さもしい」の例文1
「見るからにさもしい乞食が駅前で物乞いをしていた」
さもしいと表現される存在として、代表的な例がそのような物乞いです。
本人も好きでそのようなことをしている訳ではないのでしょうが、周りから見ると、どうしても「さもしい」対象だと思われてしまうのは仕方のないところでしょう。
「さもしい」の例文2
「そこまでさもしい奴だとは思わなかった」
これだけだと色々な解釈ができますが、お金に汚い、または考え方が卑しいといったような意味で使っていると思われます。
どのような意味にしても、"そこまでさもしい"とまで言うからには、よほどのことがあったのだと考えられるので、そのような人とは付き合わないに限ります。
「さもしい」の例文3
「いくら獲り放題だと言っても、そこまでやるのはさすがにさもしいだろう」
○○放題というケースで、あまりやり過ぎてしまうとこのように言われてしまうことがあるかも知れません。
この場合、そう言った方はそこまで悪い意味で使った訳ではないことがほとんどですが、言われた方が気にしてしまうかも知れないので、あまりいい使い方だとは言えません。
"あさましい"と言った方が、まだ適当だと言えるでしょう。
「さもしい」だと、それに加えて"貧乏人"だといったニュアンスも多分に加わってしまうので、かなり強い表現になってしまいます。
「さもしい」の類義語や置き換えられる表現
さもしいと同様に使える言葉や表現ですが、そのような言葉はほとんどが「さもしい」の意味となってしまうので、なるべく見ない表現を挙げていきます。
- 「穢ない」(きたない)
- 「陋劣」(ろうれつ)
「穢ない」(きたない)
"汚い"とはまた違って、性格や品性の汚さを表現できる言葉です。
こちらの漢字で表現すると、単なる"汚い"より下劣な様を表すことができます。
よって、かなり「さもしい」に様子だと近いと考えて構いません。
「陋劣」(ろうれつ)
難しい言葉ですが、"軽蔑の対象"を表す為に使います。
その軽蔑には、「さもしい」と同様の様子が多分に含まれると考えて構わないので、こちらも「さもしい」対象に"陋劣な奴だ"などと使うことができます。
さもしいは、軽々しく使える言葉ではありません。
つい簡単に考えて使ってしまうことがあるかも知れませんが、この一言がトラブルの元となる場合もあるので、使う際には充分に注意してください。