「吝嗇」とは?意味・類語【使い方や例文】
「吝嗇」という言葉の意味や類語を紹介します。
また「吝嗇」の使い方や、「吝嗇」を使った例文を紹介します。
さらに「吝嗇」な人の心理について紹介していきます。
目次
- 「吝嗇」の意味とは?
- 「吝嗇」の意味
- 「吝嗇」の類語や類義表現
- 「吝嗇」の語源
- 「吝嗇」を使った言葉
- 「吝嗇」を使った例文
- 「吝嗇」な人の心理
「吝嗇」の意味とは?
みなさんは「吝嗇」という言葉を知っているでしょうか。
ほとんどの人が「知らない」と答えるかもしれません。
「吝嗇」という言葉は、それくらい読むのが難しく、一般的に知られていない言葉です。
「吝嗇は」「りんしょく」と読む事もありますが、「けち」と読むのが一般的です。
「けち」と聞くと、「知っている」と思う人が、急に増えるのではないでしょうか。
また「けち」という読み方をすると知っても、詳しい意味が分からない人もいるはずです。
そこで「吝嗇」という言葉の意味や使い方を紹介します。
この言葉の意味を知ると、身の回りの人の中に「吝嗇」と言いたくなる人がみつかるかもしれません。
「吝嗇」の意味
「吝嗇」にはどのような意味があるでしょうか。
「吝嗇」にはいくつかの意味がありますので、それぞれの意味を見て行きましょう。
- 他より劣っている事
- 欲が深い様子
- 縁起が悪い事
他より劣っている事
「吝嗇」には、「他よりも劣っている事」という意味で使う事があります。
例えば「吝嗇な道具」という場合は、「あまりお金をかけておらず、みすぼらしい道具」という意味になります。
「けちくさい行動」という言葉にも、他の人よりもみすぼらしい、劣った行動という意味があります。
何となく、他の人に比べてみすぼらしかったり、劣っていると感じる時に「吝嗇」という言葉を使ってみましょう。
欲が深い様子
「吝嗇」は欲が深い様子を表現する事があり、こちらの「吝嗇」がもっとも一般的に知られているかもしれません。
この場合の「吝嗇」には、「使うべき金を出さず、ひどく出し惜しみする事」という意味があります。
「誕生日プレゼントに100円グッズを渡す、『吝嗇』なやつ」という場合は、誰かの誕生日プレゼントを100円ショップで購入した品で済ませてしまう、使うべき金を使わない人という意味があります。
「極度の節約家」などが、この意味の「吝嗇」に含まれます。
縁起が悪い事
「吝嗇」は、縁起が悪い事に対して使う事もあります。
例えば仕事に出かける前に、靴の紐が切れたりすると、縁起が悪い気がします。
このような時に、「吝嗇がつく」というフレーズをつけて、「縁起が悪い事が起こった」と言う事があります。
さらに、「難癖」という意味で「吝嗇」を使う事もあります。
「やたらと『吝嗇』をつけるやつ」というフレーズには、やたらめったら難癖をつけてくる、困った奴という意味があります。
「吝嗇」の類語や類義表現
続いて「吝嗇」の類語や、類義表現を紹介します。
「吝嗇」と似た意味の言葉を知ると、「吝嗇」を他の言葉に言い換える事ができるようになります。
「吝嗇」では通じにくい相手にも、自分の気持ちを伝える事ができるようになるでしょう。
- 「ちゃち」【ちゃち】
- 「出来損ない」【できそこない】
- 「しみったれ」【しみったれ】
- 「みみっちい」【みみっちい】
- 「いじましい」【いじましい】
「ちゃち」【ちゃち】
「ちゃち」という言葉があります。
「ちゃち」には、「見かけも質もいい加減で、安っぽい様子」という意味があります。
「ちゃちなバッグのため、数回使用したら穴が開くかもしれない」というように、質が悪く見かけも悪いけれど、安いだけが取り柄という物に対して使う言葉です。
「吝嗇」の、他よりも劣っているものを表現する時の意味と、「ちゃち」は良く似ています。
「出来損ない」【できそこない】
「出来損ない」という言葉も、「吝嗇」の他よりも劣っているものを表現する時の意味と似ています。
「出来損ない」には、「不完全で変な出来」という意味があります。
初めてケーキを作る人が、作ったケーキは、ほとんどの場合、不完全で変な出来なので、「出来損ないのケーキ」かもしれません。
「しみったれ」【しみったれ】
「しみったれ」という言葉は、「吝嗇」の欲が深い事という意味で使う時に似ている言葉です。
「しみったれ」には、「すべての事に消極的で、意気地がない事」という意味があります。
何をしようと誘っても「行かない」「やらない」と言い、食事などに誘っても「面倒くさい」「お金がもったいない」などと言って行動しない人は、「しみったれ」と呼ばれます。
「吝嗇」と同じように、ネガティブな意味をもつ言葉で、「しみったれ」と誰かに言う場合は、悪口になります。
「みみっちい」【みみっちい】
「みみっちい」という言葉も、日常的に良く使われている「吝嗇」に似ている言葉です。
「みみっちい」には、「けちくさい」という意味があります。
「みみっちい根性」という場合、欲が深すぎて、失う事を恐れすぎる性格だという事がイメージできます。
「みみっちい」も「しみったれ」のように、口に出したら悪口になってしまいますので、言う時は注意が必要です。
「いじましい」【いじましい】
「いじましい」という言葉も、良く使われる言葉です。
「いじましい」には、「けちくさい」「心が狭い」という意味があります。
「いじましい人だ」「いじましい生活」という場合も、けちくさかったり、心が狭かったりと、あまり良いイメージの言葉ではありません。
「いじましい」という言葉も、使う場面に注意しましょう。
「吝嗇」の語源
「吝嗇」という言葉には、どのような語源があるでしょうか。
そもそも「吝嗇」は「りんしょく」と読みました。
「吝嗇」の「吝」には、「お金や物に執着する様子」「お金を出し惜しみする様子」という意味があります。
そのため「吝嗇」は、「けち」という言葉と共通点が多く、現在は「けち」の当て字として使われる事が多くなっています。
一方の「けち」の語源は、「怪事(けじ)」で、不吉な事を意味する言葉だと言われています。
「けち」には、不吉な事を意味する「吝嗇がつく」などのフレーズがあります。
さらに欲が深い、出来が悪いなどの意味が加わり、現在の「けち」「吝嗇」という言葉になったとされています。
「吝嗇」を使った言葉
「吝嗇」を使った、定型句のような言葉を紹介します。
「吝嗇」といえば、この言葉というような言葉ですので、覚えておくと使い勝手がいいでしょう。
- 「吝嗇家」
- 「吝嗇漢」
「吝嗇家」
「吝嗇家」という言葉があります。
「吝嗇家」には「過度に節約をする人」や、「必要なお金を使わずに、出し惜しみする人」という意味があります。
「節約家」や「倹約家」と同じような意味ですが、「吝嗇家」という言葉を使う時は、ネガティブな意味しかありません。
尊敬できて見習える部分が多い、「節約家」はたくさんいますが、見ていて辛い気持ちになるような「節約をする人」もいます。
このような人は、悪意を持って「吝嗇家」と呼ばれます。
「吝嗇漢」
「吝嗇漢」の「漢」は「男」という意味です。
そのため、「吝嗇漢」は「けちな男」という意味になります。
「吝嗇家」よりも、さらに悪意を感じるような言葉なので、誰かに対して発言する時は注意しましょう。
「吝嗇」を使った例文
「吝嗇」という言葉を使った例文を紹介します。
様々な場面における「吝嗇」を使った文章を見て、この言葉の使い方のコツを覚えましょう。
- 「吝嗇」の例文1
- 「吝嗇」の例文2
「吝嗇」の例文1
「Aさんは『吝嗇』な道具を自慢して、周囲の人からバカにされている」
この例文に登場する「吝嗇」は、粗末、出来損ないという意味で使われています。
Aさんは、物の価値が分からずに、粗末な道具をみんなに自慢してしまい、失笑されています。
粗末な物を大切に使ったり、役立つ場面で使う事は悪くありませんが、他の人に一流の品のような顔をして自慢するのはおすすめできません。
「吝嗇」の例文2
「Bさんは『吝嗇』で、一緒に食事に行ってもお金を払おうとしない」
この例文に登場するBさんは、典型的な「吝嗇」な人です。
誰かに御馳走する事は絶対なく、割り勘だとしても、できるだけ支払いを逃れようとするタイプの人です。
一緒に行動すると損をしてしまいますので、誰からも誘われなくなってしまうでしょう。
「吝嗇」な人の心理
最後に「吝嗇家」や「吝嗇漢」と呼ばれるような人の心理を見て行きましょう。
彼らに共通する心理には、どのようなものがあるでしょうか。
- 「お金が無くなると心配している」
- 「自分が好き」
「お金が無くなると心配している」
いつかお金がなくなってしまうと心配している人は、お金を使うのが怖くなります。
そのため、必要な場面でもお金を使う事ができなくなってしまいます。
第三者から見れば、将来の経済的な心配がなさそうに見える人でも、お金に執着し、亡くなる事を過度に恐れる人がいます。
「自分が好き」
自己中心的な人は、「吝嗇家」になりやすいでしょう。
自分が必要なお金を出さなければ、周囲の人がお金を出す事になりますが、自己中心的な人は、それが苦になりません。
自分の事を大切にし、他の人に迷惑を掛けてでも、お金を使わない事に抵抗が無い人です。
「吝嗇」という言葉の意味や使い方を見てきました。
「吝嗇」は難読文字ですので、「りんしょく」さらに「けち」と読めるだけでも他の人に自慢できるでしょう。
さらに意味を知り、会話に組み込めるようになると、ボキャブラリーが豊富な知的な人に見られそうです。