「諸兄」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
この「諸兄」という言葉は、改まった場で使われることが多いです。
普通に人と会話をする時にも使えますが、軽く使う言葉でもありません。
目次
- 「諸兄」の意味とは?
- 「諸兄」の読み方
- 「諸兄」の英語(解釈)
- 「諸兄」と「諸兄姉」の違いや「諸姉」について
- 「諸兄」の言葉の使い方
- 「諸兄」を使った例文・短文(解釈)
- 「諸兄」の類語
「諸兄」の意味とは?
諸兄とは、「良識ある男性の方々」と言いたい時に使います。
主に自分と同年代から目上の人に対して、敬愛の意を表して使う呼び方です。
対象が全て目上の人になる場合には、「先輩諸兄」と使われることが多く、単に「諸兄」と使った場合には、年下の人が含まれていても構いません。
よって、人前で何かを話す時の最初の挨拶に入れて使われることや、大勢が閲覧する回覧やメールなどの冒頭でよく見られる表現です。
男性だけに使う言葉なので、対象に1人でも女性が含まれている場合には使わないように注意してください。
その場合には、後述する別の言葉を使うのがいいでしょう。
「諸兄」の読み方
「諸兄」は「しょけい」と発音します。
使う場面から、まず間違えることはないと思いますが、「処刑」と響きが一緒なので、そこは少し覚えておいた方がいいかも知れません。
また、「書契」(書面による契約)とも同じ発音ですが、この言葉自体、あまり使われるものでもないので、こちらと間違えることは考えなくてもいいでしょう。
「諸兄」の英語(解釈)
英語で「諸兄」と表現するには、“Dear Sirs”と表記します。
この表現は相手が1人の時にも使え、その場合には“Dear Sir”と最後の“s”を省きます。
“Sir”は、尊敬する男性を指して使う呼び方です。
日本語で言えば、「先生」という表現が一番近いでしょう。
そういった方々という意味で、“Dear Sirs”がちょうど「諸兄」の英訳になります。
「諸兄」と「諸兄姉」の違いや「諸姉」について
諸兄は、その対象が男性限定ですが、女性も含めて使いたい場合には、この「諸兄姉」を使います。
こちらだと、諸兄の意味のまま対象に女性も含まれることになり、より使い勝手のよい言葉となっています。
その為、パーティーなどで司会者が比較的若く、年配の方も多数参加しているような場合に、この呼び方を使って挨拶が行われることがあります。
- 「諸姉」とは?
- 「諸姉」は英語では?
- 「諸兄姉」を英語にすると?
「諸姉」とは?
「諸兄」が男性にしか使えない言葉なのに対して、逆に女性にしか使えない「諸姉」という言葉があります。
読み方は「しょし」で、諸兄と同様に、対象になる多くの女性に対して尊敬を表して使う呼び方です。
この「諸姉」は「諸兄」とは違い、この他に「書士」や「初志」、「庶子」などといった多くの同音異義語が存在する為、口語で使う時にはそれらと区別が付くように使ってください。
「諸姉」は英語では?
「諸姉」は英語では“Dear Madams”となります。
Sirsは複数の尊敬する男性という意味でしたが、この“Madams”はその女性版だと考えてください。
1人だけが対象の場合は“Sir”と同様に“Madam”と使います。
フランス語では、この“Madam(s)”は既婚女性にのみ使える言葉ですが、英語としての場合は未婚の女性を含めて使っても構いません。
以前は英語でも主に既婚女性に対して使っていましたが、近年のアメリカにおける女性に対する差別撤廃の一貫から、そういった使い方がされるようになりました(未婚と既婚で呼び方が違うと、場合によっては差別に当たるそうです)。
「諸兄姉」を英語にすると?
諸兄姉と英語で表現すると、“Dear Sirs and Madams”となります。
回覧やメール程度であれば、この表現で充分ですが、大勢の前で口語で使う場合には“Ladies and Gentlemen”という形の方がいいでしょう。
この表現は映画などではお馴染みで、演説の冒頭などでよく使われます。
こちらでは女性に該当する“Ladies”が先にきているところがポイントです。
「諸兄」の言葉の使い方
諸兄という言葉を使う場面は、結構限られていると言っていいでしょう。
対象が男性だけなので、どちらかと言えば上で紹介した「諸兄姉」の方が使いやすい言葉です。
ですが、ビジネスの世界では、実質的に男性だけへの回覧や参加者が男性だけの会議などもまだ多いので、そういった時に使える表現として覚えておいて損はありません。
「諸兄」を使った例文・短文(解釈)
諸兄を使った例文や短文です。
ビジネスシーンやパーティーの場などで使っている例になります。
- 「諸兄」の例文1
- 「諸兄」の例文2
- 「諸兄」の例文3
「諸兄」の例文1
「諸兄のご参加をお待ちいたしております」
対象が男性だけで、強制参加ではない会合などに参加を求める内容となっています。
対象の年齢幅が広い場合でも、この「諸兄」とだけで済んでしまうので、とても便利な使い方だと言えるでしょう。
全ての対象の人が自分より目上であれば、「先輩諸兄の〜」とすると、更にいい表現となります。
「諸兄」の例文2
「親愛なる諸兄に対して申し上げます」
「諸兄」は、それだけで尊敬の意味が込められているので、このように前に「親愛なる」と付ける必要はありませんが、このように使ったとしても誤りではありません。
ただ、これによってより親密さが増すといったことはなく、単に丁寧にしただけだと考えてください。
通常はここまでの表現を使う必要はありません。
「諸兄」の例文3
「ようこそ諸兄の方々、本日は心ゆくまでお楽しみください」
「諸兄」という時点で複数の人が対象になっているので、この後ろの「方々」は余計ですが、上の例と同じく、これを付けて使っても特に誤りとはなりません。
この2つを同時に付けた「親愛なる諸兄の方々」などという表現も見掛けることがありますが、さすがにここまでの使い方になると、反って仰々しくなるだけです。
「諸兄」の類語
「諸兄」のような形の言葉をいくつか挙げていきます。
どれもあまり見聞きすることはありませんが、類語として知っておくと便利です。
- 「諸公」【しょこう】
- 「諸氏」【しょし】
「諸公」【しょこう】
自分より社会的に身分が高いと思われる人を指して使う言葉です。
「諸兄」と同様に複数の人を表現できる言葉で、「役員諸公のご理解が〜」などと使われます。
この言葉は対象に女性が含まれていても構いません。
堅めの言葉の為、厳粛な場やその手の書面において見られる程度だと考えていいでしょう。
「諸氏」【しょし】
「諸姉」と発音が同じ為、口語で使うことはあまりありません。
「諸兄姉」より軽い意味になり、気軽に対象の男性や女性を表して使える言葉です。
「諸氏の参加を求める」のような表現で見掛ける言葉で、敬愛の意味はそれほど含んでいません。
それを理解した上でうまく使ってください。
諸兄は、諸姉や諸兄姉と共に、主にビジネスや公の場で使われる言葉です。
これらの言葉や類語と合わせて、シチュエーションごとに一番合うと思われるものを使いましょう。