「一向」の意味・類語【使い方や例文】
私達は生活の中では色々なことがありますが、その出来事に対してどのように向き合い、行動しているでしょうか?
自分に関係のない出来事については、全く無関心であったり、避けて通っても影響のないことであれば、やり過ごすことになるでしょう。
しかし、仕事で自分に関係する出来事だったり、プライベートな生活でも大きな問題になるようなことであったなら、必死で対処しようと考えて行動するのではないでしょうか?
損得勘定だけで行動することは、決していいこととは言えないのですが、やはり人間の性というものでしょうか、自分に関わることは必死で対応する習性があります。
この時の自分の心境や考え、行動はとても真剣そのものであるはずですが、このような場面で使う言葉を挙げるとしたなら、「一向」という言葉ではないかと思います。
普段あまり意識していないと、気付くことの少ない言葉かもしれませんが、意外と身近な場面で使われている言葉でもあります。
ここでは、この「一向」について説明をしていきたいと思います。
目次
- 「一向」の意味とは?
- 「一向」の読み方
- 「一向」の言葉の使い方
- 「一向」を使った例文・短文(解釈)
- 「一向」の英語と解釈
- 「一向」の類語や類義表現
「一向」の意味とは?
「一向」とは、「ただひたすらに」、または「まるっきり」、「ちっとも」というような意味を持つ言葉です。
「ウチの息子は受験なのに一向に勉強しないので頭を悩ませています」というような形で使われている言葉です。
「一向」の読み方
「一向」の読み方は、「いっこう」となります。
「一向」の言葉の使い方
「一向」の言葉の使い方としては、何か必死で取り組んでいる状況や、自分に降りかかった出来事でも、「我関せず」というようなケースで使われることがあります。
突然、友人から文句を言われても、全く動揺することもなく、平然とした顔で「何か俺に関係ある?」と、言い返す時に、「一向に困った様子がない」という表現で使います。
「一向」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「一向」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「一向」の例文1
- 「一向」の例文2
- 「一向」の例文3
「一向」の例文1
「僕は周りからどんなに悪口を言われようが一向に平気なんだ」
人は、周囲の人達から文句を言われたり、陰口を叩かると心身的に参ってしまいます。
下手をすると、ノイローゼに陥る人もいるくらいです。
しかし、中には精神的にタフな人もあり、どんなに言われても「一向」に構わないと平然としているのです。
このような人は、余程自分に自信があったり、目的を達成するためには自分の信念を絶対に曲げないという強さがあります。
時には頑固とさえ移ってしまうかもしれませんが、厳しい時代では、このくらいの強靭な精神の持ち主であることが必要かもしれません。
「一向」の例文2
「彼はどんなに強い口調で警告されても、一向に動じないので、会社でも困惑している」
あなたの職場にも、このような人が1人や2人はいないでしょうか?
世の中には、常識や規則という縛りや決まりがありますが、企業でも「社則」という内規が設定されています。
就業時間のことや勤務ルールなど、ビジネスマンとして守るべきルールですが、このような規則を無視して行動する社員も少なからずいるももです。
「確かに規則は守っていないが、違法ではないし、他人に迷惑をかけていない」という本人独特の価値観に基づいて行動しているのです。
しかし、この時点で社則を守っていないのですから、既に会社に迷惑をかけているという解釈もありますので、このような人は遅かれ早かれ何らかの処罰が下されることになるでしょう。
ビジネスマンとしてのモラルや行動はしっかりとしなくてはなりません。
「一向」の例文3
「登山遭難者の無事を一向に祈るばかりだ」
夏登山で油断していた登山者が急激な天候の変化で遭難していまったのでしょうか?
今はこの人達の無事を一向に祈るだけです。
「一向」の英語と解釈
「一向」を英語で表現できる言葉を探してみると、“whole”、“entirely”、“wholly”、“altogether”、“completely”、“totally”、“quite”などの言葉が使えます。
「一向」の類語や類義表現
「ひたすら」や「まるっきり」という意味も持つ「一向」に類義語とては、どのような言葉があるでしょうか?
- 「一途」
- 「一生懸命」
- 「よっぽど」
「一途」
「一向」の類語語の1つとして、「一途」がありますが、この言葉の意味は、「ただ一つのことに打ち込んで他を顧みない様子」ということになります。
「彼は一途にレイコのことを想っている」という例文を作ることができますが、「ひたすらにレイコという女性を愛している」ということになります。
「一途」な姿勢を持っている人は傍目からも健気に映ってしまうことがあるのですが、思わず応援したくなってきます。
このような人は何とか本人の希望が叶うように祈りたくなってくるものです。
「一生懸命」
「一生懸命」とは、「命がけで事に当たること」という意味がある言葉ですが、日常生活の会話や仕事の場面でも頻繁に出てくる言葉ですね。
「一生懸命に働く」という表現で使われることが多いのですが、「一生懸命探しまわる」といったような場合でも使われることがあります。
この時は、「引くに引けないせっぱ詰まった場合」や「瀬戸際」といった解釈になります。
「一生懸命に勉強した結果、息子は難関校に合格することができた」というような活用法がポピュラーな使い方でしょう。
何事にも「一生懸命」になることは、本人の能力を大きく伸ばすだけでなく、自信にもつながっていきますので、素晴らしい姿勢だと思います。
「よっぽど」
「よっぽど」は、「かなりな程度であるさまちょうどよいさま」や「度を超えているので、もうその程度であってほしいさま」という意味があります。
「よっぽどのお金がないと、あの車は買えない」という形で使われます。
「一向」という言葉は、ある意味、人の精神的な強さや熱心な姿勢を感じさせてくれる言葉かもしれません。
「ひたむき」なという解釈をする場合、対象となる人の姿勢が非常に前向きで「どのような苦労もいとわない」という印象を覚えます。
一方の「ちっとも」という解釈では、精神的な強さがあるために、対象となる人は、どんな困難な局面になっても、ひょうひょうとしている胆力のある人の姿をうかがわせます。
今や激動に時代がますます強まっていような気がしますので、このように「一向」という言葉が当てはまる人は、これからもたくましく生き残っていけるような気がしてなりません。