「蛇足」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】
「蛇足」という言葉を知っているでしょうか。
昔高校の時に習った記憶があるという人も多いかもしれませんね。
中国から来た言葉であり、日本語においてもよく使われることがあります。
しっかりと意味を捉え、スマートに使いこなせるようにしておきたいものです。
ここでは「蛇足」という言葉について意味や英語、類義語を紹介します。
目次
- 「蛇足」の意味とは?
- 「蛇足」の読み方
- 「蛇足」の英語(解釈)
- 「蛇足」の語源や由来
- 「蛇足」の言葉の使い方
- 「蛇足」の例文・短文(解釈)
- 「蛇足」の類語や類義表現
「蛇足」の意味とは?
「蛇足」という言葉は付け加える必要のないものを指しています。
昔、中国で人々が蛇の絵を早く書く競争をしていました。
最初に書き上げた人は、ついその蛇に足をつけてしまったため、優勝できなかったのです。
ここから「蛇足」という言葉が生まれ、無用の長物、付け加える必要のないもの、という意味を表すようになりました。
この人ももし蛇に足さえ書かなければ優勝できていたことでしょう。
「蛇足」の読み方
「蛇足」という言葉は「だそく」と読みます。
「へびあし」ではありませんので気をつけましょう。
中国から来た表現ですから音読みになるのです。
「蛇足」の英語(解釈)
「蛇足」という言葉を英語にすると“superfluous”という表現になります。
それ以外にも“unnecessary addition”、“something redundant”という言葉も使えます。
確かに中国から、蛇の足という表現で「蛇足」という言葉ができましたが、英語にしたときに“snake legs”といっても意味は絶対に伝わりません。
直訳しないようにしましょう。
「蛇足」の語源や由来
「蛇足」という言葉は先ほども述べた通り、中国から来た表現になります。
中国の故事で「戦国策」という文献に描かれています。
斉の国の君主が思想家に「楚の将軍が魏の国に侵攻して勝利し、斉の国に侵攻しようとしている、なんとか止めるように説得できないものか」と相談しました。
その時に思想家は、楚の将軍は魏に侵攻することで最高の地位まで出世ができるだろう、そうなれば斉の国に侵攻して勝利を収めたとしても何も変わらない、むしろ失敗に終われば失脚するリスクがある、つまり魏の国に侵攻して出世したのであれば、斉の国まで来る事はないだろう、と「蛇足」の例を用いて話したことが描かれています。
「蛇足」の言葉の使い方
「蛇足」という表現は無用の長物という意味で使われ、日常会話においてもよく使われる表現です。
しかしその一方で、「蛇足」という言葉を知らない人がいた場合に全く通じず、会話が進まないというリスクもあります。
誰かが「蛇足」という表現を使ったら、きちんと理解できるようにしておきたいものです。
「蛇足」の例文・短文(解釈)
それならば「蛇足」という言葉を使った文章にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは「蛇足」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。
- 「蛇足」の例文1
- 「蛇足」の例文2
- 「蛇足」の例文3
「蛇足」の例文1
「君はとてもいいことを言ったのに、最後の一言が余計だったよ。まさに蛇足だった」
誰かが周りを説得するためにとても良いことを言ったのに、最後の一言が余計で逆に反感を買ってしまったなどという経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
その一言さえなければ胸が熱くなるような良いスピーチだった、最後に入らない人ことを付け加えてしまったために逆にがっかりさせてしまった、ということがあるかも知れませんね。
最後の最後まで発言には気をつけなければいけません。
とても良いことを言っても、1番最後に周りを馬鹿にしたような発言をしてしまったり、自分を高める発言をしてしまったりすると全体のスピーチが残念に終わってしまいます。
「蛇足」の例文2
「父は初めてスマホを購入したものの、使わない機能が多すぎて蛇足であると文句を言っている」
スマホが出始め、どんどん進化していますね。
確かにスマホを新たに購入しても全ての機能を使いきっているという人はあまりいないのではないでしょうか。
普通に使っているだけでは全然わからない機能もたくさんあります。
もしかしたら使わなければもったいない機能もあるかもしれませんね。
その一方であまりにも機能が多すぎるため、スマホが大きくなってしまったり重くなってしまったり、ということもあります。
かつてはスマホも小さく軽いものが一般的でしたが、最近では様々な機能が付いているためにそれなりに大きなものが一般的になりつつあります。
女性にとっては大きすぎるということもあり、もう少しコンパクトでいいのに、と考える人は少なくありません。
「蛇足」の例文3
「彼はプレゼンの準備をしていたけれど、パワーポイントに手を加えすぎて逆によくわからなかった」
プレゼンをする時、パワーポイントを使うという人も多いのではないでしょうか。
これはセンスが問われますよね。
手を加えすぎてしまうと意味がわからなくなってしまいますし、逆にあまり手を加えなければ物足りない状態で終わってしまいます。
例えばきちんと色分けさえされていないようでは一体何が大切なのかわかりません。
すべて大切なことだからと、プレゼンをするときのセリフを全てパワーポイントに盛り込んでしまったら何が大切なのか分からなくなります。
全て盛り込むのではなく、大切なところだけピックアップするという力が問われるのです。
また、パワーポイントの機能も全て使う必要はありません。
必要なところだけしっかりと利用するようにしましょう。
「蛇足」の類語や類義表現
「蛇足」という表現はどのような類義語があるのでしょうか。
ここでは類義語をいくつか紹介します。
うまく使いこなせられるようにしておきましょう。
- 無用の長物【むようのちょうぶつ】
- 余分なもの【よぶんなもの】
無用の長物【むようのちょうぶつ】
無用の長物という表現は役に立つどころかかえって邪魔になるものを指しています。
まさに「蛇足」という言葉と同じ意味を持つ表現だと言えるでしょう。
例えば蛇は足がなくても前進できますよね。
そんな蛇に足が生えてしまったら逆に動けなくなってしまいます。
蛇に足はまさに無用の長物だと言えるでしょう。
余分なもの【よぶんなもの】
余分なものという表現も「蛇足」に近い意味を持ちます。
余分なものという言葉にはあったら邪魔になるという意味はありませんが、少なからず必要なものではありません。
「蛇足」という表現は中学や高校で勉強するという人も多い言葉です。
教養としてぜひ知っておきたい言葉の1つでもあり、日常生活でもぜひ使いたい言葉ですね。
日常生活においてもビジネスにおいても「これさえなければ」という瞬間はあるのではないでしょうか。
そんなときにはぜひ「蛇足」という言葉を使いたいものです。