「幾日」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
幾日は、見た目や響き通り、日付に関する言葉です。
そして、固定の意味ではないところが使いやすい面でもあり、厄介なところでもあります。
目次
- 「幾日」の意味とは?
- 「幾日」の読み方
- 「幾日」の語源や由来
- 「幾日」の英語(解釈)
- 「幾日」の「幾年」の使い分け
- 「幾日」の言葉の使い方
- 「幾日」の例文・短文(解釈)
- 「幾日」の類語と解釈
「幾日」の意味とは?
幾日は、主に2つの意味で使われる言葉です。
1つは特に決まっていない何日間かをアバウトに表現したい時、もう1つは、特定の日付ではないどこかの日と使います。
前者はともかく、後者について具体的に説明すると、「あの場所に行ったのは先月の幾日だったっけ」といった使い方になり、何日かはっきりとは覚えていないという時にうまく使える表現です。
よって、最初の意味では「数日」、後の方では「何日」と言い換えられなくもありませんが、共にそれらより多少深い使い方ができます。
「幾日」の読み方
「幾日」は、「いくにち」と読むのが一般的です。
「いくか」、「いっか」と読むこともできますが、「いくにち」以外の読み方ではあまり使われていません。
「いくじつ」は間違いなので注意してください。
そのような読み方はしません。
PCやスマホで漢字変換する時は、「いくにち」とすれば大抵の場合で問題なく出すことができます。
「幾日」の語源や由来
「幾日」は、「幾ら」(いくら)という言葉がポイントになっています。
この言葉は買い物の際によく使われ、値段が分からない物に対してそのように聞くことが多いです。
きちんと値段の決まっている物でも、聞いた方はその時点では(ある程度の範囲の予想はしていても)正しく分かっていない状態です。
その曖昧さが「幾」という漢字に込められており、それに「日」を付けて、前項で説明したような意味として使われています。
ただし、曖昧ながらも「ある程度の範囲」の想像が付いている時に使うことが多いと考えていいでしょう。
上で挙げた例で、「先月の幾日だったっけ」と言った人は、はっきりとは分かっていなくても、10〜15日の間(誤差にして数日程度)くらいのレベルでの目安は付いていることが多いと考えていいでしょう。
「幾日」の英語(解釈)
幾日は英語でそのままの意味で表現するのは難しいですが、近い意味では“several days”が使えます。
この“several days”は、数日から1週間、時には1ヶ月程度の期間を表す言葉です。
“wait for several days”と使えば、「幾日か待って欲しい」という意味になり、“several days of the month”なら、「月に幾日か」と解釈できます。
ほんの2、3日程度であれば、“some days”の方がいいでしょう。
ただし、どちらも「不定の何日間か」という意味になり、幾日のもう1つの解釈には利用できません。
そちらの場合は“sometime”を用いて“sometime next week.”とすると、「来週のうちのいずれかの日」となり、「何日かはっきりとしていない」という意味の方として使えます。
「幾日」の「幾年」の使い分け
「幾日」を「特に決まっていない何日間」として使う場合、ほとんどのケースで長くても1〜2ヶ月程度までだと考えてください。
場合によってはもっと長い期間を表して使うこともありますが、年単位となる場合には、「幾年」(いくねん)の方が向いています。
「幾年の歳月が経っただろう」という表現をよく見聞きしますが、この場合には10年や20年といった長い期間の表現だと解釈してください。
「幾日が経っただろう」では、1ヶ月や2ヶ月程度だと判断するのが普通です。
「幾日」の言葉の使い方
幾日は、冒頭にも書いたように、使い勝手のいい言葉です。
「数日」や「何日」と言い換えるより多少響きがよく、若い人はあまり使わないかも知れませんが、年配の人は好んでこの表現を使うことも少なくありません。
意味をきちんと理解しておくと、誰かに使われた時に、どちらの意味なのか、どのよう(伝えたいと思っている内容)に言いたい為に使っているのかが分かるでしょう。
「幾日」の例文・短文(解釈)
幾日を使った例文や短文です。
いずれもどちらの意味で使っているのか一目で分かると思います。
- 「幾日」の例文1
- 「幾日」の例文2
- 「幾日」の例文3
「幾日」の例文1
「完成までにあと幾日掛かるのか分からない」
この使い方では、「幾日」で数日から1ヶ月、長ければ2ヶ月程度にもなる広い範囲を指しています。
しかし、長くてもそのくらいまでだと考えていいでしょう。
1年や2年になる場合には、先に挙げた「幾年」の方を使うものです。
「幾日」の例文2
「去年の10月の幾日だったか、その日に買ったと記憶している」
はっきりと分かっていない日を指す為に使っています。
こちらの例文では、「決まっていない何日間か」という意味ではない、もう1つの使い方だとすぐに分かるでしょう。
また、このような言い方は「幾日」と同様に、比較的年配の人がよく使う表現です。
若い人であれば、「10月の何日〜」と使うのが普通で、無理にこのように「幾日」を用いる必要はありません。
「幾日」の例文3
「幾日も家を空けていたので、すっかり埃が溜まってしまった」
埃が溜まるくらいの期間なので、1週間くらいは経っていると推測できます。
「幾日」は、常識的な範囲はあっても、特に期間を指定せずに使うことができますが、この例文のように、前後の文体からある程度の推測が付くことも多いです。
「幾日」の類語と解釈
「幾日」のように、「日」が付いた各言葉の意味を解説していきます。
どれも知っておいて損はない言葉です。
- 「累日」【るいじつ】
- 「隔日」【かくじつ】
「累日」【るいじつ】
この「累日」は、「何日も」という意味で使われる言葉です。
「累日の暑さにまいっている」などという使い方になることが多く、特定の日数を決めずに表現したい時に重宝します。
具体的な期間としては、ほんの数日から2週間程度くらいだと考えておけばいいでしょう。
「幾日」より短い程度の期間を指して使うことがほとんどです。
「隔日」【かくじつ】
口語で表現すると、同音の「各日」や「確実」と聞き間違えることがあるので注意が必要です。
その「各日」は「一日一日」という意味で使い、「各日ともしっかり頼む」と言えば、一日一日(つまりは常に)しっかりするようにと言っているのと一緒です。
それに対して「隔日」は、「一日おき」という意味になります。
「今週は隔日出勤だ」などと使われる言葉で、意味は一日おきの出勤です。
幾日は紹介してきたように、意味が分かると使いやすい言葉です。
しかし、年配の人が好んで使う言葉の為、若い人が無理をして使うことはありません。