「懇切丁寧」とは?意味・英語【使い方や例文】
「懇切丁寧」という言葉を知っているでしょうか。
これは懇切という表現と丁寧という表現が合わさってできた言葉です。
漢字検定で出てくることもある表現です。
ここではこんな「懇切丁寧」という言葉について紹介します。
目次
- 「懇切丁寧」の意味とは?
- 「懇切丁寧」の読み方
- 「懇切丁寧」の英語(解釈)
- 「懇切丁寧」の言葉の使い方
- 「懇切丁寧」の対義語
- 「懇切丁寧」を使った例文・短文(解釈)
- 「懇切丁寧」と「親切丁寧」の違い
- 「懇切丁寧」は目上に使える?
「懇切丁寧」の意味とは?
「懇切丁寧」という言葉はとても親切で、細かいところまで気配りができているという意味になります。
つまり、非常に心がこもっていて注意が行き届いているという意味であり、日本においては非常に重要な精神だと考えられています。
懇切というのは真心がこもっていて手厚く、親切であること、丁寧というのは細かいところにまで注意が行き届いていることを指しています。
丁寧懇切と言われることもあります。
「懇切丁寧」の読み方
「懇切丁寧」とは「こんせつていねい」と読みます。
特殊な読み方ではありませんから、ぜひ覚えておきたいものです。
「懇切丁寧」の英語(解釈)
「懇切丁寧」という表現を英語にする場合、文脈によって表現が変わってきます。
例えば、「懇切丁寧」に教えるということであれば“teach one through”という言い方ができますし、「懇切丁寧」に面倒を見るということであれば“take care very well”といった表現も可能です。
ただし、「懇切丁寧」という考え方は日本ならではの思想ですので、全く同じニュアンスを持つ英単語は存在しません。
「懇切丁寧」の言葉の使い方
「懇切丁寧」というのは自分でいう表現ではありません。
例えば老人ホームなどでスタッフがお年寄りのお世話をかいがいしくしていた場合、「あそこのスタッフは懇切丁寧にお年寄りのお世話をしている」と言えます。
そこには称賛の意味が含まれているため、第三者の言動に対して「懇切丁寧」という言葉が使えるのです。
ただし、自分に対して使ってしまうと自己満足になりますので気をつけましょう。
また、自分をとても高く評価しているかのように見えてしまう可能性があります。
「懇切丁寧」の対義語
「懇切丁寧」という言葉に対し、真逆の意味を持つ単語は存在しません。
しかし、心がこもっていない対応をする、雑な対応をする、という意味でぶっきらぼう、ぞんざいな、いい加減、などといった表現が使えます。
乱暴、という表現も「懇切丁寧」の対義語に近いと言えるでしょう。
「懇切丁寧」というのはとても丁寧に接するという事ですが、その真逆を表す表現、つまり、全然丁寧に扱わないなどといった意味を表す表現は存在しません。
「懇切丁寧」を使った例文・短文(解釈)
「懇切丁寧」という言葉を使った文章にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、「懇切丁寧」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「あの病院の看護師さんは患者を懇切丁寧に扱ってくれる。本当に良い病院だよ」
病院には様々な評価がありますね。
看護師さんが機械的に患者の面倒を見ているなどと言われる場合もあります。
しかし、そんな中でもしも「懇切丁寧」に面倒を見てくれる看護師さん達が揃っている病院があったら、誰もがそこに行きたいと思うのではないでしょうか。
病院に来るんじゃなかったと思わせるような看護師さんよりも、来て良かった、と思わせてくれるような看護師さんがいいですよね。
例文2
「あそこの幼稚園の先生たちは本当に懇切丁寧に子供たちの面倒を見てくれるよ」
保育園や幼稚園においても、子供たちの面倒を「懇切丁寧」に見てくれる先生たちが揃っていると聞いたら、とても心強く思うのではないでしょうか。
特に自分の意思をうまく言葉で伝えられない子供たちが通う保育園や幼稚園では、きめ細かやなケアが必要になります。
そのため、先生たちが子供だけではなく保護者に対しても「懇切丁寧」に対応できると、その保育園や幼稚園は大きく評判を上げることになるでしょう。
例文3
「あそこの市役所には懇切丁寧なスタッフがいる。とてもありがたいよ」
市役所は誰もがいざという時にお世話になる大切な場所です。
確かに場所によっては様々な噂がありますが、やはり「懇切丁寧」なスタッフがいると何かあったときに頼りやすいと思うのではないでしょうか。
もちろんそれでは仕事にならないという人もいるかもしれませんが、それでもわからないことを丁寧に教えてくれるスタッフが必要です。
特に電話対応などでとても親切にされると嬉しく感じますよね。
また、市役所ならばペーパーワークなども問題なくこなせる人が多いと旨味はありがたく感じるものです。
「懇切丁寧」と「親切丁寧」の違い
「懇切丁寧」というのは熟語として存在しますが、親切丁寧という言葉は熟語ではありません。
むしろお店が宣伝のために使うキャッチコピーであり、「親切・丁寧」と表記されることもあります。
親切も丁寧も同じ意味ですからそもそも熟語にならないのです。
それよりもお店が自らの心構えをお客さんたちに伝えるために使っていることがほとんどです。
もともとは「親切に丁寧に」という表現だったとも言われています。
そこで聞こえが良いように、そして「懇切丁寧」とよく似ているから、ということで「親切丁寧」という表現が使われるようになったのではないかと考えられているのです。
「懇切丁寧」は目上に使える?
「懇切丁寧」という言葉は目上に対しても使えます。
確かに敬語には感じないかもしれませんが、「懇切丁寧」という言葉自体がとても丁寧な様子を指しているため、立場が上の人にも使えるのです。
むしろ、目上の人が「懇切丁寧」に何かを教えてくれた場合、その時こそこの言葉を使いたいものです。
例えば、上司が「懇切丁寧」に指導をしてくださった、などと使うことが可能です。
この表現自体が敬語にもなりますので、この表現の敬語は存在しません。
最近は日本人特有のサービス精神などを忘れている人が増えているとも言われています。
特に「懇切丁寧」というのは日本ならではの表現であり、例えばお店の人やスタッフが「懇切丁寧」に教えてくれるととても嬉しいものですよね。
しかし、そのようなサービスが簡略化しつつあり、「懇切丁寧」という言葉も使われなくなりつつあります。
しかし、誰かからとても親切にされた場合などはぜひこの表現を使えると良いですね。
特に目上の人から優しくされた場合、この表現をスマートに使って感謝を表すようにしましょう。