「遅きに失する」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】
「遅きに失する」とは、「遅すぎて間に合わなくなってしまうこと」や「遅れてしまってもう役に立たないこと」です。
「遅きに失する」の「意味・読み方・英語と解釈・使い方・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「遅きに失する」の意味とは?
- 「遅きに失する」の読み方
- 「遅きに失する」の英語(解釈)
- 「遅きに失する」の使い方
- 「遅きに失する」を使った例文・短文(解釈)
- 「遅きに逸する」は間違い?
- 「遅きに失する」の類語や類義表現
「遅きに失する」の意味とは?
「遅きに失する」の意味は、「遅すぎて間に合わなくなってしまうこと」や「遅れてしまってもう役に立たないこと(用をなさないこと)」などになります。
「遅きに失する」という言葉は、「行動・対応が遅すぎるために、時間に間に合えば得られたはずのものを失ってしまうこと(遅きことのために、物事を失する)」を意味しているのです。
「遅きに失する」の言葉は、「予定されていた(約束していた)時間に間に合わないために、結果を得られないこと」や「遅くなりすぎてもう何の役にも立たないこと」を意味しているのです。
そのため、「早い者勝ちの抽選会で、遅きに失してしまった」や「初動捜査が遅きに失したことで、その凶悪犯罪の犯人は捕まることがなかった」などの文章で、「遅きに失する」の意味を示すことができます。
「遅きに失する」の読み方
「遅きに失する」の読み方は、「おそきにしっする」になります。
「遅きに失する」の英語(解釈)
「遅きに失する」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“be too late”(「遅すぎる」の意味から、「遅きに失する」を意味しています。)
“He was too late. ”(彼は遅きに失しました。)
“be too late to〜”(「〜するには遅すぎる」の意味から、「〜しようとしたが、遅きに失したこと」を意味しています。)
“She was too late win a beauty contest. ”(彼女は、美人コンテストで優勝するには遅きに失しました。)
“I was too late to make a profit by investing in stocks. ”(株式投資で利益を出すには、私は遅きに失しました。)
“You lose to the delay”(「遅刻のために失う」の意味から、「あなたが遅きに失すること」を意味しています。)
「遅きに失する」の使い方
「遅きに失する」の使い方は、「予定していた時間に間に合わずに良い結果を得られない場合」や「約束していた時間に遅れて間に合わなくなった場合(遅れたことによって何の役にも立たなくなった場合)」に使うという使い方になります。
例えば、「入社早々に寝坊して遅刻をしてしまい、遅きに失することになりました」や「遅きに失してしまいましたが、次の機会に汚名返上といきたいところです」などの文章において、「遅きに失する」という言葉を正しく使うことができるのです。
「遅すぎて間に合わない時」あるいは「予定の時間(約束の時間)に遅れてしまって望んでいた結果が得られなかった時」には、「遅きに失する」の言葉を使えます。
「遅きに失する」を使った例文・短文(解釈)
「遅きに失する」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「プロテニスの世界で活躍するには、大学からテニスを始めた彼女は遅きに失しました」
この「遅きに失する」を使った例文は、「プロテニスの世界で活躍するには、大学からテニスを始めた彼女は遅すぎてものにならないということ。
彼女がテニスを始める時期が遅すぎて、世界の一流選手になるのには時間的(成長の伸びしろ的)に間に合わないということ」を意味しています。
例文2
「遅きに失する悔しさを味わわなくても良いように、絶対に成し遂げたい目標があるのであれば、できるだけ早い時期から本気で取り組んだ方がいいでしょう」
この「遅きに失する」を使った例文は、「遅れてしまって目標が達成できないという悔しい思いを避けるために、絶対に実現したい目標があるのであれば、できるだけ早い時期から本気で取り組んだ方がいいということ」を意味しています。
例文3
「大怪我をした男性を見かけてすぐに119番通報をしましたが、救急車の到着は遅きに失したようにも見えました」
この「遅きに失する」を使った例文は、「大怪我をした男性を見かけてからすぐに119番通報をしたものの、救急車の到着が遅すぎて救命が間に合わないように見えたということ」を意味しています。
「遅きに逸する」は間違い?
「遅きに失する」と混同されやすい言葉として、「遅きに逸する(おそきにいっする)」という言葉があります。
しかし、「遅きに逸する」という言葉は日本語に存在せず、間違った言葉ということになります。
「遅きに逸する」という誤用(間違った言葉の使い方)は、紙媒体の本・雑誌などにも多いのですが、正しい慣用句は「遅きに失する」なので間違えないようにしましょう。
「逸する」の意味は「失うこと・取り逃すこと・ある枠組みから外れること」などになりますが、「遅きに逸する」という昔からの慣用句は無いのです。
「遅きに失する」の類語や類義表現
「遅きに失する」の類語や類義表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「遅きに失する」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「手遅れになる・後の祭り」
- 「取り返しがつかない・時間切れになる」
「手遅れになる・後の祭り」
「遅きに失する」の類語・類義表現として、「手遅れになる・後の祭り」があります。
「手遅れになる」というのは、「適切な時機に適切な行動ができなかったために、どうしようもなくなること」を意味しています。
「後の祭り」の言葉の意味は、「物事が終わった後にあれこれ考えてもどうしようもないこと、諦めるしかないこと」になります。
それらの意味から、遅すぎて間に合わなくなることを示す「遅きに失する」の類義表現として、「手遅れになる・後の祭り」を上げることができるのです。
「取り返しがつかない・時間切れになる」
「遅きに失する」の類語・類義表現として、「取り返しがつかない・時間切れになる」があります。
「遅きに失する」というのは、「時間に遅れすぎて、今からではもう取り返しがつかないこと」を意味しているので、その類義表現として「取り返しがつかない」を上げられます。
また「遅きに失する」には、「決められていた時間に間に合わずに、用をなさなくなる」という意味もあるので、その類語として「時間切れになる」の言葉を指摘することができるのです。
「遅きに失する」という言葉について徹底的に解説しましたが、遅きに失するには「遅すぎて間に合わなくなってしまうこと」や「遅れてしまってもう役に立たないこと(用をなさないこと)」などの意味があります。
遅きに失するの類語・類義表現としては、「手遅れになる・後の祭り」「取り返しがつかない・時間切れになる」などがあります。
「遅きに失する」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。