「ご存知ない」とは?意味・類語・英語【使い方や例文】
「ご存知ない」とは、「自分よりも目上の相手が知らないことを意味する尊敬語」です。
「ご存知ない」の「意味・読み方・英語と解釈・使い方・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「ご存知ない」の意味とは?
- 「ご存知ない」の読み方
- 「ご存知ない」の英語(解釈)
- 「ご存知ない」の使い方
- 「ご存知ない」を使った例文・短文(解釈)
- 「ご存知ない」と「ご存知でない」のどっちが正しい?
- 「ご存知ない」の類語や類義表現
「ご存知ない」の意味とは?
「ご存知ない」の意味は、「自分よりも目上の相手(立場が上の相手)が、そのことを知らないこと」になります。
自分よりも目上の相手が知らないことを意味している尊敬語として解釈することができます。
「ご存知ない」という言葉は「ご+存知(ぞんち)+ない」に分解することで、その成り立ちを理解することができます。
「ご(御)」とは、敬意を表現する接頭辞です。
「存知(「ぞんち」から「ぞんじ」に読みが変化)」という言葉は、「よく知っていること・理解していること」や「覚悟していること」を意味しています。
「ない」は、否定の意味合いがある形容詞として理解できます。
「ご+存知+ない=ご存知ない」で、「相手が知っていないこと+理解していないこと」を意味しているのです。
「ご存知ない」の読み方
「ご存知ない」の読み方は、「ごぞんじない」になります。
「ご存知ない」の英語(解釈)
「ご存知ない」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“You don't know that〜”(英語には厳密な敬語はないので、“You don't know that〜”で「〜をご存知ない」の意味になります。)
“You didn't know that〜”(〜をご存知なかった。)
“Nobody knows that〜”(誰も〜についてご存知ない。)
“You may not know that yet. ”(あなたは、それをまだご存知ではないかもしれません。)
“Would you happen to know〜”(“would”は英語の敬語的な用法で使われる単語なので、「〜についてご存知ではないでしょうか?」の意味になります。)
“She wouldn't know when we should depart from here?”(彼女は、ここをいつ出発すれば良いのか、ご存知ないでしょう。)
「ご存知ない」の使い方
「ご存知ない」の使い方は、「自分よりも目上の人や立場が上の人がそのことを知らない場合」に使うという尊敬語(敬語)の使い方になります。
「ご存知ない」という言葉は、相手に対する尊敬の念を意味する言葉なので、「自分自身がそのことを知らない場合」には、当然使うことができないということになります。
自分が知らないことを伝える場合は、「存じ上げない(ぞんじあげない)」という「知らないの謙譲語」を使用することになります。
「ご存知ない」は、「自分以外の自分よりも立場が上の人(目上の人)」に対して使うのが基本になります。
例えば、「先生は昨日のクラスで起こった喧嘩について、ご存知ないのでしょうか?」や「テキストの紛失について、ご存知なかったということでしょうか?」などの文章において、「ご存知ない」の言葉を正しく使えます。
「ご存知ない」を使った例文・短文(解釈)
「ご存知ない」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「お医者様は、息子のこの深刻な病気の治療法をご存知ないのでしょうか?」
この「ご存知ない」を使った例文は、「医者は、息子のこの深刻な病気の治療法について知らないのでしょうか?」という医者に対する尊敬語を用いた質問を意味しています。
例文2
「お嬢様の最近の生活状況についてお父様がご存知ないのであれば、こちらから定期的に連絡させて頂きます」
この「ご存知ない」を使った例文は、「娘の最近の生活状況について父親がよく知らないのであれば、こちらから定期的に連絡させてもらいます」ということを意味しています。
お父さんに対する尊敬語、自分に対する謙譲語を用いた例文です。
例文3
「先生は自分の担任しているクラスのいじめ問題や友人関係のトラブルについて、ご存知なかったのでしょうか?」
この「ご存知ない」を使った例文は、「先生は自分の担任しているクラスのいじめ問題や友人関係のトラブルについて、知らなかったのでしょうか?」という尊敬語を用いた質問を意味しています。
「ご存知ない」と「ご存知でない」のどっちが正しい?
「ご存知ない」と「ご存知でない」のどちらが正しいのかは、現代の国語ではどちらも正しいということになります。
厳密に言うと、「ご存知ない」は元和1 (1615) 年頃に成立した「イソップ物語」の翻訳書である「伊曾保物語」にも見られる表現で、歴史的・慣用的として正しい使い方になります。
「ご存知でない」の方は「ご存知ない」と比較して、文法的に正しい表現として解釈することができるでしょう。
「ご存知でない」の言葉は、「ご+存知+で+ない」に分けて理解することができます。
「ご」は「敬意を示す接頭辞」であり、「存知(ぞんち)」は「よく知っていること・理解していることを示す名詞」です。
「で」は「助動詞のだの未然形」であり、「ない」は「形容詞のないの終止形」になっています。
こういった成り立ちの尊敬語は、「お喜びでない・お呼びでない」などの形になるので、文法的な側面では「ご存知でない」が正しいと言えます。
「ご存知ない」の類語や類義表現
「ご存知ない」の類語や類義表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「ご存知ない」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「お聞き及びではない」
- 「お知りでない・知っていらっしゃらない」
「お聞き及びではない」
「ご存知ない」の類語・類義表現として、「お聞き及びではない」があります。
「お聞き及びではない」の言葉は、「まだ人から聞いて知っているわけではないこと」を意味しています。
一般的に、「お聞き及び」で「すでに人から聞いて知っていること」を意味していて、「お聞き及びのこととは存じますが(すでに誰かから聞いて知っていることとは思いますが)」という慣用的な言い回しもあります。
「ご存知ない」の類義表現として、「お聞き及びではない」を上げられます。
「お知りでない・知っていらっしゃらない」
「ご存知ない」の類語・類義表現として、「お知りでない・知っていらっしゃらない」があります。
知らないことの尊敬語を意味する「ご存知ない」のシンプルな敬語として、「お知りでない」を指摘できます。
更に、「ご存知ない」の敬語的な表現として、「知っていらっしゃらない」があります。
「お知りでない・知っていらっしゃらない」の言葉の意味は「ご存知ない」とほぼ同じ意味であり、「ご存知ない」の類語として「お知りでない・知っていらっしゃらない」を指摘することができます。
「ご存知ない」という言葉について徹底的に解説しましたが、ご存知ないには「自分よりも目上の人が知らないことを示す尊敬語」の意味があります。
ご存知ないの類語・類義表現としては、「お聞き及びではない」「お知りでない・知っていらっしゃらない」などがあります。
「ご存知ない」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にして下さい。