「逞しく」の意味・類語【使い方や例文】
人の生きざまの中で、どんな困難な場面でもへこたれずに真正面から立ち向かっていくような姿には、とても心を打たれてしまいます。
そんな人を「逞しく」感じるのではないでしょうか?
この「逞しく」という言葉は、普段の会話の中で、自ら使ったり、聞くことがよくある言葉です。
今回は、この「逞しく」という表現について説明を進めていきたいと思いますので、どんな場面でどんなことに対して使えるのかを理解していただければと思います。
目次
- 「逞しく」の意味とは?
- 「逞しく」の読み方
- 「逞しく」の語源や由来
- 「逞しく」を使った例文・短文(解釈)
- 「逞しく」の英語と解釈
- 「逞しく」の類語や類義表現
「逞しく」の意味とは?
「逞しく」とは「身体つきがっしりしていて強そうであること」、「意志が強くてくじけないようなさま」、「力強く頼もしい」、「活力に満ち溢れている」、「目を見はるほど盛んである」というような意味がある言葉です。
「逞しく」の読み方
「逞しく」は「たくましく」と読みますが、普段からよく使われている言葉なので、後は読み方を正確に覚えておくことです。
「逞しく」の語源や由来
「逞しい」、「逞しく」と聞くとどのようなことを連想するでしょうか?
「逞しく」は、元々「満ち溢れている」、「勢いが盛んな」、「立派な」といったような意味があるのですが、その由来となったと考えられている言葉がいくつかあります。
「類優(たぐいまさる)」、「猛増(たけまし)」、「手組む」などの言葉ですが、「類優(たぐいまさる)」からは、「他よりも優れている」という意味が理解できます。
「猛増(たけまし)」は、「猛々しい」、「勇ましく強い」という様子が増えていくという解釈ができるでしょう。
また、「手組む」は、「腕組みして立っている姿」で「仁王立ち」をイメージさせる言葉で、「逞しく」という言葉につながってきそうです。
「逞しく」の「逞」は、「まっすぐ差し出す」という意味を持つ「呈」から「真っ直ぐに突き進んでいく」という意味があることから、「類優」、「猛増」、「手組む」と相まって今の解釈になっていったのかもしれません。
「逞しく」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「逞しく」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「逞しく」の例文1
- 「逞しく」の例文2
- 「逞しく」の例文3
「逞しく」の例文1
「彼はこの2、3年でとても逞しくなったように見える」
男の子が成長していくと、とても「逞しく」見えてくるものです。
小学生低学年だった男の子が、いつも母親に甘えていたのが、いつの間にか、自分で何でもできるようになってくると、とても成長したと感じてきます。
また、20歳になった成人男性を見ていくと、その「逞しさ」はさらにグレードアップしていきます。
これが社会人になってからは、さらに心身ともに「逞しく」なってくるので、若い人の2、3年という期間は肉体的だけではなく、精神的にも大きく成長するので、とても驚いてしまいます。
「逞しく」の例文2
「半年間の厳しいウエートトレーニングで、筋骨逞しくてがっしりした身体つきになった」
身体をがっしりと鍛えることで、「逞しい」身体つきになっていきますね。
スポーツジムに通って、ダイエットではなく本格的にウエートトレーニングをすることで、それまで細っそりとしていた身体が見違えるように「逞しく」変貌いくのです。
このように「逞しく」は身体の変化も表現することができる言葉です。
「逞しく」の例文3
「身心が逞しくなって、彼は今、人生波に乗っている感があります」
人の人生には「山あり谷あり」のドラマが連続します。
しかし、気力・体力ともに充実している人は、今まさに波に乗って好調な生きざまを展開しているのではないかと思われます。
心身ともに「逞しく」成長した人間はとても勢いのある状態です。
「逞しく」の英語と解釈
「逞しく」を英語で言うと、“vigorously”となります。
「逞しく」の類語や類義表現
ここで「逞しく」に近い意味を持つ類義語をいくつか挙げてみることにしましょう。
一体どんな言葉があるでしょうか?
- 「筋骨隆々」
- 「屈強」
- 「質実剛健」
「筋骨隆々」
「きんこつりゅうりゅう」という言い方をする「筋骨隆々」は、「筋肉や骨格といった身体つきが逞しいこと」を意味する表現で、「筋骨」は「筋肉や骨格のこと」を指しています。
「写真からでは彼の筋骨隆々とした体格であるようには見えない」というようなケースで使われす。
いわゆる「マッチョ」のことですが、逆三角形の上半身をしている人のことです。
「逞しく」と意味が近い言葉なのですが、「逞しく」には、身体のことだけではなく精神的な強さも含まれている点が「筋骨隆々」とは異なってきます。
「屈強」
「くっきょう」という読み方をする「屈強」も「逞しく」に近い意味があります。
「体力に優れており頑丈なこと」ということをさしている言葉で、「20歳を越えたばかりの屈強な雰囲気を持った若者達が集まっているチーム」というような文で表現することができます。
「屈強な戦士」という言葉を聞くだけで、相手にしたくない、敵にまわしたくないイメージがあります。
それだけ「屈強」には力強い印象を覚えます。
「質実剛健」
「質実剛健」は「しつじつ-ごうけん」という読み方をする四字熟語です。
「質実剛健」とは、「中身が充実して飾り気がなく心身ともに強く逞しいこと」を言っています。
「質」は質朴、「実」は誠実の意で、「質実」という言葉で、「飾り気がなく真面目こと」という意味になり、「剛健」は「心や身体が強くて逞しいこと」です。
学校や企業が掲げる方針の中にも、この「質実剛健」を挙げているところがあり、「逞しさ」を強く意識させる言葉なので、これがみっともな類義語としては、相応しいのではないかと思います。
「逞しく」という言葉には、体力・体格的な強さや頑強さだけではなく、精神的な強さも含まれています。
現代社会では、複雑な人間関係に悩まされ、慌ただしい環境の中で強く生き抜いて行かなければなりませんが、下手をするとノイローゼなどで精神的に病んでしまう人が増えています。
そのような苦しく辛いことを跳ね返すことができるようにするためには、心身ともに「逞しく」なっていく必要があります。
それができてこそ、この厳しい社会の荒波に立ち向かって行くことができるのです。
「逞しく」なるためには、身体を鍛えることも大切なことですが、精神的にタフになること、これが「逞しく」なる重要なポイントだと思うのです。