「徒労」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
最近のビジネス業界では、経営効率化は激しく叫ばれており、スピーディーな経営判断も以前に増して、厳しく求められるようになっています。
そのために社員にもその負担が重たくのし掛かってきて、1人ひとりのパフォーマンスもシビアに見られるようになってきたのではないでしょうか?
そのために多くのビジネスマンは、先を予測してIT機器も駆使しながら頑張っていますが、そんな努力も時には無駄になってしまうことがあります。
そんな時に「徒労」という言葉が浮かんでくるのですが、今回はこの「徒労」について見ていこうと思います。
目次
- 「徒労」の意味とは?
- 「徒労」の読み方
- 「徒労」の対義語
- 「徒労」を使った例文・短文(解釈)
- 「徒労」の英語と解釈
- 「徒労」の類語や類義表現
「徒労」の意味とは?
「徒労」とは、「無駄なことに力を貸すこと」という意味を表している言葉です。
何か目的を達成するために必死で頑張っていても、その頑張りが報われないことがありますが、無駄な労力を使うことから「努力が報われないさま」という意味もあります。
「徒」には、「実を結ばない様子」や「甲斐がないこと」という意味があります。
また、「徒」に「力を尽くして働く」という意味の「労」が組合わさった言葉が「徒労」となり、「力を尽くして必死に働いたり頑張ったのだけれど努力が実を結ばないこと」といったような状態を表現する意味が込められているのです。
ちなみに「努力が水の泡になる」という表現も似たような場面で聞くことがありますが、「徒労」もこれと同じ意味で「今までの努力が台無しになること」を指しています。
「徒労」は、「どんなに苦労をしても結果的に何も価値が生まれない」というニュアンスのある言葉なので、どちらかと言うとネガティブなイメージのある言葉として使われることになります。
「徒労」の読み方
「徒労」は「とろう」と読みます。
「徒労」の対義語
「どんなに苦労をしても結果的に何も価値が生まれない」という意味になる「徒労」という言葉を聞くと、報われない辛い感じになってしまうのですが、この言葉の反対の意味を持つ対義語には、どんな言葉があるのでしょうか?
- 「有効」
- 「成就」
「有効」
「有効」という言葉が「徒労」と逆の意味で思い浮かんでくる言葉の1つです。
意味は「効き目(ききめ)」、すなわち「効力や効果があること」となります。
「今は限られた予算を有効に使うことで、最大の効果を得るように努力している」この時の「有効」は、予算は湯水のように使えるほど潤沢にないために、効果のことに絞り使うという意味合いになってくるでしょう。
「成就」
「成就」とは「願いが叶うこと」や「望みや計画通りに成し遂げること」という意味があることばですが、よく恋愛関係で、「私の思いを成就させる」というような形で使われることが多いですね。
「徒労」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「徒労」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「徒労」の例文1
- 「徒労」の例文2
- 「徒労」の例文3
「徒労」の例文1
「一生懸命育ててきた作物が、台風被害に遭ってしまい徒労になってしまったのです」
農業は天候に大きく左右される仕事ですが、台風による被害も避けることができませんね。
できるだけ被害を最小限に止めるような努力は必要ですし、その試みをすでに取り組んでいる農家もたくさんいるはずです。
しかし、それでも被害をゼロにすることができないので、その「徒労感」は計り知れないものがあります。
「徒労」の例文2
「犯人逮捕に繋がらなかった警察の捜査は、まさに徒労だった」
ここでは警察の捜査活動が「徒労」に終わってしまったということを言っていますが、必死の活動も虚しく事件は迷宮入りになっていくのでしょうか。
こんな場面でも使われる「徒労」です。
「徒労」の例文3
「レース優勝に向けて必死に練習してきたのですが、怪我をして出場できず徒労に終わってしまった」
この時の怪我は本当に悔しいことでしょう。
優勝することを信じてひたすら練習を重ねてきただけに厳しい結果を突き付けられて、言葉を掛けることも気兼ねしそうです。
「徒労」の英語と解釈
「徒労」を英語で表現するなら“fruitless effort”があります。
思わず「徒労」とは全く違う英訳と思いそうになりますが、「実のない努力」ということを意味しています。
「徒労」の類語や類義表現
ここから「徒労」と同じような意味を持っている類義語を探してみましたが、次のような言葉があります。
- 「無駄足」
- 「無駄骨」
- 「無駄な努力」
「無駄足」
「徒労」に近い言葉で「無駄足(むだあし)」があります。
意味は「せっかくその場に行ったのに目的を果てせなかったこと」ということを指しており、「いいお宝に出会えるかと行ってみたが無駄足だった」というような使われ方をします。
何度も通ったのに、何の効果もないし、得るものがなかったというニュアンスです。
「無駄骨」
「無駄骨(むだぼね)」も「無駄足」と同じ意味を持っており、「徒労」の類義語と言ってもいいでしょう。
「色々と手を尽くしたが結果が何も残らなかった」ということを指しています。
「数人かかった研究開発の成果を製品化できなければ、それまで労力は無駄骨になってしまう可能性が大きい」このような場面で使われますが、特にビジネスシーンでは企業の成長において、「無駄骨」にならないようにすることが必要です。
「無駄な努力」
「無駄な努力」という表現もありますが、「努力しても報われない」という意味がある言葉です。
「僕はこれだけ努力してるのに、どうしてライバルのアイツには勝てないんだ」というようなことを思っている人が結構いるのではないかと思います。
どれだけ努力しても、その努力しても、何の結果も出ずに成功に結びつかないことがあります。
しかし、そんな時は、もしかすると努力の中身が良くないのかもしれません。
努力には、2種類のタイプがあり「良い」努力と「悪い」努力と言われています。
「良い」努力は、努力した分に見合った結果が出る努力で、「悪い」努力は努力しても成果のない努力です。
それがまさに「無駄な努力」です。
努力が「徒労」にならないためには、必ず明確に目標を立てることです。
そして、その目標に必要なことを考えて、それをひたすらに継続することが正しい努力のあり方でしょう。
ただ努力が結果になるまでには少し時間が必要なので、しばらく3ヶ月程度は継続してみることです。
それでも何も変化が見られない場合には、その努力を見直してみることです。