「広漠」の意味・類語【使い方や例文】
「無限」という言葉がありますが、私達が頭の中で色々なことを思考している時に「無限」とも言えるようなことが思い浮かんでくることがあります。
終わりが見えないようなことで、その思考は止まることなく延々と続いていくように思えてしまいます。
「際限なく」といった感じなのですが、そんな時に、もう1つ浮かんでくるキーワードが「広漠」という言葉です。
この言葉は、日常的な会話の中やビジネスシーンの中で使っている人はあまりいないのですが、この言葉の意味を知っていると、色々な場面で用いることができますので、今回はこの「広漠」という言葉について説明していこうと思います。
普段あまり使っていない言葉ではありますが、ここで活用場面を理解して使いこなせるようになると、言葉のボキャブラリーが増えていきます。
目次
- 「広漠」の意味とは?
- 「広漠」の読み方
- 「広漠」を分解して解釈
- 「広漠」を使った例文・短文(解釈)
- 「広漠」の英語と解釈
- 「広漠」の類語や類義表現
「広漠」の意味とは?
「広漠」とは「広々として果てしないさま」を指している言葉です。
使われている漢字を見ているだけで、この言葉の意味が何となくイメージできるのではないでしょうか?
「広漠」の読み方
「広漠」は「こうばく」という読み方になりますが、そんな難しい文字を使っているわけではないので、読み方で戸惑うことは少ないでしょう。
「広漠」を分解して解釈
では、「広漠」を「広」と「漠」の2つの文字に分けて、それぞれの意味を見ていくことにしましょう。
- 「広」
- 「漠」
「広」
「広」は、「広い(ひろい)」という言い方でよく使う言葉ですが、「果てがない」という意味のあるの言葉です
解釈の中には、「発展させる」、「大きく包含する」といったような意味もありますが、空間、面積などの「広さ」の他に抽象的な面での「広さ」で使われることもあります。
「漠」
「漠」とは、「広々(ひろびろ)として目を遮るものもない砂原」という意味があり、特に「モンゴルの砂漠(さばく)」のことを指すこともあります。
この文字にも、「広々として果てしない」という意味があることから、「広漠」となることで、その広さの意味が強調されていきます。
ただ「漠」は「砂漠」を意味することから、「静寂な」という意味もあり、「広漠」には、何故か「全く音の聞こえない無限の世界」というようなニュアンスがあるようにも思えます。
「広漠」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「広漠」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「広漠」の例文1
- 「広漠」の例文2
- 「広漠」の例文3
「広漠」の例文1
「中国は広漠たるヨーロッパと比べて見ると、国内に流れる2大水系によって分かたれた独特の特質を備えているのです」
日本に住んでいると、中国やロシアなどの大陸国の大きさがどれほどのものなのか想像がつかない人もいることでしょう。
河の規模を日本の河川と比べてみても桁違いのスケールなので、まさに「広漠」たる大河と呼ぶことができます。
そのような環境にいると、自分がいかに小さな存在なのかも自覚できると思います。
「広漠」の例文2
「この川は、周囲に広がって、広漠とした耕地一帯を潤してくれる灌漑用の川なのです」
田舎の田園地帯に行くと、このような光景は決して珍しいことではありません。
都市部に暮らしている人はあまり意識することがありませんし、日常的な光景ではないので、始めて見る人は、ある種の感動さえ覚えてしまうかもしれません。
しかし、昔の人達は、このような自然を自分達の生活の中に巧みに取り込んでいたので、自然と上手に共生していたわけです。
「広漠」の例文3
「どこまで続くか想像さえできやい広漠たる空を眺めている」
ふと青空を見ていると、今、自分がいかにちっぽけなものなのかということを改めて思うかもしれません。
いつもバタバタと慌ただしい毎日を過ごしている人であれば、1度ゆっくりと深呼吸をして、空を眺めてみてください。
そうすると、今思っている悩みや問題を冷静に見つめ直すことができます。
それだけに「広漠」たるものを眺めているだけで、精神的にリフレッシュすることができます。
「広漠」の英語と解釈
「広漠」を英語で表現するなら、“vast”、“wide”、“extensive”という言葉が使えます。
「広漠」の類語や類義表現
ここで「広漠」に近い意味を持つ言葉を見ていくことにしましょう。
「広漠」の類義語としては、次のようなものがあります。
- 「果てしない」
- 「切りのない」
- 「空々漠々」
「果てしない」
「果てしない」は、「終わりがなくどこまでも続いているさま」という意味を持つ言葉ですが、終わりがないために、「無限」という意味でもあります。
「人生とは果てしないマラソンのようなものだ」というような場面で使える言葉です。
私達の生活もある意味、「果てしない」ものかもしれませんね。
「切りのない」
「切りのない」という言葉も類義語の1つとして挙げられますが、「際限がない」、「果てしがない」という意味があります。
「あそこの2つの家の競争意識は、昔からずっと続いており、例を挙げると切りがない」こんなふうなケースでも使われることがあります。
この例文では、2つの家庭間の競争には、際限がないために延々と続いていることを言っていますが、こんな家庭にいると、精神的に疲れてしまい、何の進展も期待できないでしょう。
「空々漠々」
「くうくうばくばく」という言い方があると「空々漠々」ですが、まさに「空漠」そのものです。
「広々として限りないさま」、あるいは「とらえどころのないさま」のことを言っています。
「日本書紀を見ると、神代のことが記載されていますが、空々漠々として捕捉しづらいことばかりです」この熟語は会話の中で使われるというよりも、このような文書の中で使われることがある表現でしょう。
「広漠」とは、「終わりの見えない無限な状態や環境のこと」という意味で解釈することができます。
私達の生活や仕事の中では、必ず「終わり」があるものです。
仕事で言えば、「締め切り」という終わりですが、これを1つの目標として活動しています。
しかし、その「締め切り」が終わると、新たな「締め切り」に向かって活動していくことになりますので、長い眼で見れば、「広漠」的な環境にいるのかもしれません。
このような環境の中で忘れてはいけないことは、焦らず冷静な気持ちを保ちながら、前に向かって進んでいくことでしょう。