「年貢の納め時」の意味とは?類語、英語や使い方、例文を紹介!
どこかで聞いたことはあるけど、「年貢の納め時」ってつまり、どんな意味?と思っている方、いらっしゃいませんか。
また、実は聞いたことがない、「年貢」がなにかわからない、という方も、知っておくと使える言葉ですので、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「年貢の納め時」の意味とは?
- 「年貢の納め時」の読み方
- 「年貢の納め時」の語源や由来
- 「年貢の納め時」の使い方
- 「年貢の納め時」を使った例文・短文
- 「年貢の納め時」の英語や解釈
- 「年貢の納め時」の類語や類義表現
「年貢の納め時」の意味とは?
「年貢の納め時」とは、物事の見切りをつける時期、という意味の言葉です。
そもそも「年貢」とは、今でいう税金のようなもので、年ごとに納める義務があるものです。
内容は場所や時代にもよりますが、米などの食料もしくは、お金を納めることが多かったようです。
大名や領主と呼ばれる地域の支配者や地主などに対し、その地域で暮らし、田畑を耕す農民たちが支払ったもののことや、地方から朝廷に向けて献上したものなどをいうことが多くあります。
「年貢の納め時」の読み方
「年貢の納め時」は「ねんぐ(の)おさ(め)どき」と読みます。
「年」という字は多くの人が知っている字ですが、ほかに「とし」「とせ」といった読みがあり、時間の単位であり、年齢のことを意味するほか、実り、とくに穀物についての実り、という意味も持つ漢字です。
「貢」という漢字はほかに、「コウ」「ク」「みつ-ぐ」といった読みを持ち、みつぎもののことを意味します。
「納める」という字はほかに、「収」「治」「修」など多々ありますが、ここでは納税、という意味からも「納」が正しいことがわかります。
「年貢の納め時」の語源や由来
そもそも「年貢の納め時」とは、「年貢」を滞納していた者が、清算する時期を迎えるというところから、悪事を働いていた者が罪に服し、償いをする、という意味を持っていましたが、そこから転じて現在のような、諦めなければならない時期、見切りをつけるとき、といった意味になりました。
「年貢の納め時」の使い方
「年貢の納め時だ」と自分で自分のことをいう場面もあれば、「年貢の納め時だ」と他人からいわれる場面も想定できます。
悪事を働いていた者の足取りがわかり、捕まえるときにいう、というのがもともとの意味ですが、ほかにもさまざまな場面で「年貢の納め時」はあります。
「年貢の納め時」を使った例文・短文
では具体的に、どのようなシーンで「年貢の納め時」を使うことができるのか、例文を見ていきましょう。
シリアスなことから笑いをとるときまで、幅広く使える語句になっています。
- 「年貢の納め時」の例文1
- 「年貢の納め時」の例文2
- 「年貢の納め時」の例文3
「年貢の納め時」の例文1
「いいかげん年貢の納め時だ、観念しろ」
こちらが、悪事を働いた者に対するときの「年貢の納め時」の使い方になります。
犯罪の大小に関わりなく、万引きから殺人まで、それらの罪を逃げおおせてきた者に対して等しく使うことができます。
「観念しろ」も覚悟を決めて諦めなさい、という意味の言葉になります。
ズルをして得をしようと思っても、滞納してしまった「年貢」はかならず自分に返ってきます。
「年貢の納め時」の例文2
「友人のなかで自分一人、独身貴族を貫いてきたが、入籍したことを伝えると、「とうとう年貢の納め時だな」と茶化しながらも祝われた」
独身でいることは決して悪事ではありませんので、ここでいう「年貢の納め時」は、物事の見切りをつける時期にさしかかったのだ、という意味で使われています。
昨今では晩婚化が進み、一生独身を貫く、もしくはさまざまな家族、ありかたを模索している人も増えてきました。
どんな形であれ、当人たちが幸せであることが重要なのかもしれません。
「年貢の納め時」の例文3
「三年間、誰よりも長く練習してきたつもりだが、一度もレギュラーになれなかったということは、年貢の納め時かもしれない」
こちらは恋愛、結婚ではなく、スポーツや音楽など、専門的な分野についての見切りをつける時期、というの「年貢の納め時」になります。
人には向き不向きがあり、それは時に、好き嫌いとは無関係なこともゼロではありません。
それでも好きだから、と続けることも決断ですし、できることを好きになる、という決断も、決して非難されるものではありません。
「年貢の納め時」の英語や解釈
英語で「年貢の納め時」をいうときには、「年貢の納め時」の意味を考え、それを英語に訳すとどうなるか、という観点から考えます。
“Your game is up. ”では、あなたのゲームは終わりだ、というところから、万事休す、といった意味あいになります。
“At the time of reckoning. ”では、清算する時が来た、という訳からも「年貢の納め時」と同義であることがわかります。
また、“Every fox must pay his own skin to the flayer. ”ということわざがあり、こちらは、どのキツネも皮を剥がれねばならない、という訳になり、つまり、諦めなければならない、という意味になります。
「年貢の納め時」の類語や類義表現
最後に「年貢の納め時」の類語表現を見ておきましょう。
「年貢の納め時」では仰々しい、というときなどにも使えますので、あわせて覚えておくといいですよ。
- 「終わり」【おわり】
- 「覚悟を決める」【かくごをきめる】
「終わり」【おわり】
ずいぶんといろんな意味に取れる言葉ですが、現在あるなにかの「終わり」を告げる言葉が「年貢の納め時」と言えるでしょう。
逮捕されるというのは、逃亡が終わることですし、結婚とは独身が終わることを意味します。
また、「終わり」という言葉は「始まり」という言葉と表裏一体ともいえる、とても意味の深い言葉です。
なにかの切り替わりの時期、分岐点、という言い方でも「年貢の納め時」を表現できることもあります。
「覚悟を決める」【かくごをきめる】
人は毎日、数多の選択をして生きていますが、なかでもなにかの終わりや始まり、また分岐点にあるときというのは、大きな選択を迫られます。
このとき、曖昧に濁してしまいますと、のちのちに響くこともありますので、「年貢の納め時」には、きっちりと意思を持って納めることが、そののちの人生をよりよい方向へ導くことが多いのではないでしょうか。
そういった意味で、「覚悟を決める」という言葉も、「年貢の納め時」の類語といえるでしょう。
「年貢の納め時」とは物事に見切りをつける時、などを意味する言葉だとわかりました。
なにごとも決めかねる傾向にある、という人も、「年貢の納め時」が来たな、と思った時にはしっかりと意思を持って判断していくことで、明るい未来が開けそうです。