「端倪」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
日本の中には、まだまだ私達が知らない言葉が数多くあります。
その中でも、普段使わないような「端倪」という言葉について、見ていきたいと思います。
目次
- 「端倪」の意味とは?
- 「端倪すべからざる」の意味
- 「端倪」の言葉の使い方
- 「端倪」を使った例文・短文(解釈)
- 「端倪」の英語と解釈
- 「端倪」の類語や類義語
「端倪」の意味とは?
「端倪」という言葉を知っている人は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?
この言葉の意味を知っているどころか見たこともないという人がかなりいるのではないかと思います。
「端倪」とは、物事のあり方や成り行きを見通す場合に出てくる言葉で、「物事の始めと終わりのこと」を意味しており、「全体を把握・推測すること」という意味も持っています。
「端倪」の後に「すべからざる」という表現を付けて、「初めて倪すべからざる」というセットで使われることがほとんどです。
- 「端倪」の読み方
「端倪」の読み方
「端倪」は「たんげい」と読みますが、めったに出てくる言葉ではないので、ここでしっかりと覚えておいてください。
「端倪すべからざる」の意味
前項でも説明した通り、「端倪」と「すべからざる」が組み合わさり使われることがほとんどです。
この時の意味は、「それだけで推測できるものではない」、「甘く考えていてはいけない」などといったような意味になってきます。
例えば「端倪すべからざる人物」などと表現する場合は、「推測できないほどの能力を持った人」、「甘く見てはいけない人」といった意味になります。
「端倪」の言葉の使い方
「端倪」という言葉を使う時は、「すべからざる」とセットで使うことになりますが、楽観視できないような時に、この表現が当てはまることになるでしょう。
「端倪」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「端倪」を使った例文を見ていくことで、どんな場合に使えるのかイメージを膨らませてみてください。
- 「端倪」の例文1
- 「端倪」の例文2
- 「端倪」の例文3
「端倪」の例文1
「エロス映画は、ここまで端倪すべからざる芸術だったのだ」
いきな突飛な例文になってしまいましが、「推し量ることができない」という意味を使う例文としては、比較的に理解しやすい内容だと思います。
ここでは、「エロスの映画は単なる嫌らしい性描写だけの映画だと思っていたが、こんなに芸術性の高いものだとは想像できなかった」ということになるでしょう。
ある作品は1つの方向から見るだけではなく、違った側面から見ること、その物事の違った魅力が見つかるものです。
「端倪」の例文2
「彼のあのような言動が端倪すべからざるところなのだ。誠に不思議なのである」
人に対して「端倪すべからざる」という表現を使うと、「あまくみてはいけない人物」ということになってきます。
普段特別な特徴があるわけでもない平凡の見える人が、ちょっとした発言からとても思慮深い人だったということが分かる時があります。
表面上の見え方だけでは、その人がどんな性格なのか、どんな力を持っているかが分からないのです。
それだからこそ、人を外見だけで判断してはならないということになるのかもしれません。
「端倪」の例文3
「彼はまだ10代ながらに歌の才能には端倪すべからざるものがあって、周りには多くのスカウトマンが集まっていた」
このような使い方もあるかもしれません。
ここど出てくる10代の「彼」の持つ歌唱力は「未知数」の力があり、とても大きな期待が見込める人物なのかもしれません。
「端倪」の英語と解釈
「端倪」を英語で表現する場合、「端倪すべからざるものがある」という文で訳す方が妥当かもしれません。
この時の英訳文としては、“be inscrutable”、“defy conjecture”という表現になります。
「端倪」の類語や類義語
では、「端倪」を他の言葉に置き換えるとどのような言葉が出てくるでしょうか?
ここで「端倪」の類義語を見ていくことにします。
- 「推し計る」
- 「仮説」
- 「想像」
「推し計る」
「推し量る」という言葉が「端倪」に近い意味も持つ言葉でしょう
「端倪」の説明の項でも、「推し計る」というキーワードが出ていたくらいです。
「推し計る」の意味は、「ある事柄をもとにして他の事柄の見当をつける」ということで、「推測する」や「推量する」という言葉で使われることもあります。
「私の上司は相手の胸中を推し計ることができるまさしく思慮深い人です」このような形で使われています。
「端倪」より日常的に使われる言葉でしょう。
ビジネスシーンでも時々耳にすることがある言葉ですが、この例文から見ても分かるように、何処か思いやりの心が出ている感じがします。
「仮説」
「仮説」も場合によっては、「端倪」と似ているニュアンスがあります。
「仮説」とは、「ある現象を統一的に説明するために立てた仮定のこと」を指しており、研究分野や開発分野で使われそうなイメージがあります。
学者が「仮説」を立てて、それを検証擦るために色々な実験をしていきます。
「仮説」と「検証」がまるでセットになったような感じなのですが、ビジネスでこのような考え方は、必ずしも研究・開発分野だけでなく、企画や営業部門でも取り入れられていることです。
マーケティング調査、顧客新規開拓など活動の中で、「仮説」を立てて「検証」していくことが基本的な活動パターンです。
「想像」
類義語の中には、「想像」も挙げられます。
「実際に知覚に与えられていない物事を、心の中に思い浮かべること」という伊美になるのですが、中々現実的にあり得ないようなことをイメージする人もいますが、スポーツの世界では、「イメージトレーニング」という形で用いることがあります。
ビジネスの世界でも、前項のように仮説を立てる時は何も具体的なことが見えないままでは、何の説も作ることができないので、想像力をはたらかせながら作るしかありません。
「端倪すべからざる」という形で表現するこの言葉は普段の会話の中では、ほとんど聞くことがないだけに、古い書物などを読む時にはとても役立つのではないかと思います。
日本語には色々な言葉、表現、ことわざと様々ですが、これを機会に他の言葉についても関心を持ってもらえればと思います。
今では、インターネットで言葉の意味を簡単に調べることができますので、知らない用語や言葉が出てきたなら、その場ですぐに調べてみるといいでしょう。
その一つ一つの行いが言葉のボキャブラリーを増やしていくことになるのですから。