「悠長」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
「悠長」という言葉を見て、何と読むか分からないという人も多いのではないでしょうか。
話し言葉として一般的にもよく使われている言葉ですので、読み方を聞けば、すぐに言葉の意味は分かるでしょう。
そんな「悠長」という言葉について、読み方を始め、意味や使い方などを詳しく解説していきます。
目次
- 「悠長」の意味とは?
- 「悠長」の対義語
- 「悠長」の言葉の使い方
- 「悠長」を使った例文・短文(解釈)
- 「悠長」の英語と解釈
- 「悠長」の類語や類義語
「悠長」の意味とは?
「悠長」は「落ち着いた態度でのんびりとしていること」や「気の長いこと」という意味を持つ言葉です。
「悠」には、「落ち着いてゆったりしているさま」という意味があり、世間の煩わしさから離れて静かに思うままの生活を送るという意味の「悠々自適」や、物事に動じることなくゆったりとしている様子を表す「悠然」という言葉にも使われている漢字です。
- 「悠長」の読み方
「悠長」の読み方
「悠長」は「ゆうちょう」と読みます。
「悠」は「悠々自適(ゆうゆうじてき)な生活」、「悠然(ゆうぜん)と立ち去る」、「悠久(ゆうきゅう)の歴史」など、聞けば覚えのある言葉にも使われていますが、ひと目ではピンとこない漢字ではないでしょうか。
「悠長」の対義語
「落ち着いた態度でのんびりとしていること」や「気の長いこと」を意味する「悠長」の対義語としては、「せっかち」、「短気」、「性急」が挙げられます。
「せっかち」は、落ち着きがなくせかせかしている人を表す言葉で、「短気」、「性急」は気が短いことを表しています。
「悠長」の言葉の使い方
「悠長」は、一般的には、「そんな悠長なことは言っていられない」という言い回しで使われることが多いのではないでしょうか。
その他には、「悠長な話」や「悠長に構える」、「悠長な態度」、「悠長な人」のような使い方もされます。
「悠長」を使った例文・短文(解釈)
「悠長」という言葉について詳しく解説してきましたので、ここでは「悠長」を使った例文をご紹介しましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「やっと休みが取れたので今日は昼まで寝ているつもりでしたが、会社から呼び出しがかかり、悠長に寝ている場合ではなくなってしまいました」
毎日忙しくしていて、やっとの思いで取れた貴重な休みなので、ゆっくり寝ていようと決めていましたが、急遽出勤しなくてはいけない状況になり、のんびり寝ている場合ではなくなってしまいました、という意味になります。
仕事をしていると、不意にトラブルが発生することがあり、他の人では対処ができない場合には、休暇中でも会社から呼び出しがかかってしまうことがあります。
そんな時には、タイミングの悪さを恨むしかありません。
例文2
「仕事の締め切りを翌日に控えている私に、『仕事は明日にして食事に行こう』と友人から誘いがありました。しかし今はそんな悠長なことを言っていられる状況ではないのです」
締め切り前にバタバタしなくて済むように計画的に仕事を進めていればよいのですが、色々な事情で、余裕を持ってできないこともあります。
又、自分を追い込むことで素晴らしい集中力が発揮されて、良い仕事ができるからと、敢えてギリギリのスケジュールで仕事を進める人もいます。
そんな時に、状況を知らない友人から食事の誘いを受けても、そんな時間を割く余裕はなく、泣く泣く断るしかありません。
例文3
「よくそんなに悠長に構えていられるものだと、呆れられてしまいました」
焦っても仕方がない、冷静に事に当たるのが得策だろう、との判断から、落ち着いた態度で対応していると、のんびりしている場合ではないのに、と、呆れられてしまうことがあるものです。
しかし、ビジネスシーンでは、どんな状況でも動じず冷静に対処できる人は高く評価され、周囲からの信頼も厚いものです。
「悠長」の英語と解釈
「悠長」を英語に訳す時には、「気の長い、落ち着いた」という意味の「deliberate」、「ゆっくりした、気の長い」という意味の「leisurely」、「ゆっくりした、のろい」という意味の「slow」といった単語を使うことができます。
又、「悠長」を「呑気な」という意味合いで使う場合には、「easygoing」という単語を使うこともできます。
「悠長」の類語や類義語
気が長く、落ち着いてのんびりしていることを表す「悠長」という言葉の類語としては、「呑気」、「悠然」、「気長」といった言葉がよく知られています。
ここでは、この3つの類語について詳しく解説していきます。
- 「呑気」
- 「悠然」
- 「気長」
「呑気」
「呑気」は「のんき」と読み、「のんびりとした性格をしていること」、「気分がのんびりとしていること」という意味があります。
「緊迫した状況にもかかわらず、あまりに呑気な返事が返ってきたので、イライラしてしまいました」、「いつも呑気にしていられて羨ましい」のように使います。
「呑気」は、マイナスイメージで使われることもある言葉で、「いつも呑気にしていられて羨ましい」という表現は、皮肉交じり使われることもありますので注意しましょう。
「悠然」
「悠然」は、「ゆうぜん」と読み、物事に動じることなくゆったりとしている様子を表す言葉です。
「いつも悠然とした態度でトラブルに対処している彼に憧れています」、「駅のホームで起こった小競り合いを治めると、何も言わずに悠然と立ち去って行きました」、「思惑通りに事が運ばなかったとしても、悠然と構えていればよいのです」といった使い方をします。
「気長」
「気長」は「きなが」と読み、「ゆっくりと構えて焦らないさま」、「気が長いさま」といった意味があります。
「誰もが驚くような菓子パンは一日二日では出来ませんので、焦らず気長に取り組むことにしました、「著名な作家に作品を依頼する手紙を出しました。多忙なことで有名な方なので、気長に返事を待ちましょう」、「彼女はかなり気長な人なので、短気な人とは相性が悪いのです」のように使います。
「悠長」という言葉について解説をしてきましたがいかがだったでしょうか。
目まぐるしく変化する現代社会の中では、時間に追われて忙しくしていることが当たり前のようになっています。
しかし、時には落ち着いてのんびりすることも必要なことではないでしょうか。