「具象的」とは?意味・対義語・英語【使い方や例文】
具象的は、そう聞くことはない言葉です。
しかし、意味を知ると、もっと使われるべき言葉だと思うことでしょう。
目次
- 「具象的」の意味とは?
- 「具象的」の対義語
- 「具象的」の英語(解釈)
- 「具象的」の使い方
- 「具象的」を使った例文・短文(解釈)
- 「具象的」の類義語や置き換えられる表現
「具象的」の意味とは?
具象的とは、"具体的に指し示している(示したい)もの、形が分かる"という意味で使います。
後述する対義語とはちょうど真逆の意味になりますが、どちらかというと、そちらより使える機会の多い言葉です。
しかし、あまり見聞きしないところか、ほとんど使われていないと言えるのが現状の為、人から使われても意味が分からないという人も多いでしょう。
- 「具象的」の読み方
- 「具象的」の語源や由来
「具象的」の読み方
「具象的」は、「ぐしょうてき」と発音します。
全ての漢字を音読みで読めばいいだけなので、特に間違えやすい表現はありません。
強いて言えば、「ぐぞうてき」と読めなくもありませんが、下記の対義語の読みからして、これはおかしいと一目で分かります。
「具象的」の語源や由来
具象的の語源は、"具体的な有り様"を表現する為に作られた言葉です。
「具」はその"具体的"から、「象」には"有り様"という意味があり、最後にそれらを表す為の「的」が付いて1つの言葉として完成しています。
具体的な有り様と言うと、難しく考えてしまうかも知れませんが、決してそのようなことはなく、例えばどう見ても"飛行機"だという絵があれば、"飛行機を具象的に描いた絵だ"と使えばいいだけです。
「具象的」の対義語
具象的の対義語は、「抽象的」(ちゅうしょうてき)という言葉です。
「具象的」は聞いたことがなくても、この「抽象的」なら知っているという人も多いでしょう。
「抽象的」の「抽象」には、"注目点だけ抜き出す"、"注目される部分以外は無視している"といった解釈以外に、"ぼんやりとして具体的ではない"といった意味もあり、「抽象的」はこの意味で「抽象」を使っている言葉です。
"具体的な様子に欠ける"ことを表現する時に使います。
全く何が書いてあるのか分からない絵を見た時に、"抽象的過ぎて、何が書いてあるのか分からない"などと使う言葉です。
具体性がある時には「具象的」、それがない場合には「抽象的」と覚えておくといいでしょう。
「具象的」の英語(解釈)
具象的を英語で表現するなら、「concrete」がちょうど合う表現です。
このconcreteは「コンクリート」と発音し、あのセメント製の建築材料のことです。
その状態(見た目、存在)がはっきりとしていることから、この言葉を使って"concrete idea"と言うと、"具象的なアイデア"(はっきり分かるアイデア)という意味になります。
完全な比喩表現ですが、英語圏では負通にこのように使われています。
「具象的」の使い方
具象的という言葉を使うなら、"具体的に(何かが)分かる"ことが条件になります。
何となくそうだとは思っても、はっきりそれとは分からない場合にはこの言葉は使いません。
上で挙げた飛行機の例のように、確かに"これは飛行機だ"と分かることが使える条件だということです。
"何となく飛行機のように見えるが、鳥のように見えなくもない"という時には、そこまで具象的ではないということです。
「具象的」を使った例文・短文(解釈)
具象的を使った例文や短文です。
あまり使わない言葉ではありますが、用例は覚えておいて損はありません。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「そんな抽象的な内容ではなく、具象的に表現してもらわないと分からない」
対義語の「抽象的」と合わせて使っている例文です。
具体性のない話ではなく、きちんとした内容のある話をして欲しいと言っています。
それが旅行の話であったなら、"遠くに行きたい"だけでは行き先が全く分からないので、具体的に国内なのか海外なのか、更にはどの地方なのかどの国なのかということまで教えて欲しいという具合です。
例文2
「儒学とは、具象的には礼を重んじる学問だ」
儒学は、中国の孔子が説いた教えが元になっている学問で、礼を大切にする内容が中心となっています。
日本でも、これを学んで経営に活かしていると言った会社の社長がどこかに居ました。
その儒学の内容はともかく、ただ儒学と聞いただけでは何についての学問なのか分からないことが多いので、どれがどのようなものなのかを具象的に表現した訳です。
例文3
「具象的なプランを打ち立ててくれたはいいが、その内容ではとても実現できそうにない」
あらゆることが具象的に表現されたプランを見たところ、とても実現は不可能だと思ったという例になります。
はっきりと予算がどれくらい掛かり、期間はこれくらい必要、人数もこの程度は要るだろうなどと明記されていたプランなのだろうと思われますが、それでは実現できないだろうということまで分かってしまったようです。
「具象的」の類義語や置き換えられる表現
具象的と似た意味の言葉や置き換えることができる表現です。
どれも完全な置き換えには利用できませんが、これらの方が使いやすいという場面も多いでしょう。
尚、「具体的」は意味の中に含まれているので省いています。
- 「現実的」(げんじつてき)
- 「実態的」(じったいてき)
- 「確定的」(かくていてき)
「現実的」(げんじつてき)
具象的とは多少意味合いが異なりますが、現実性を表す為に「具象的」と使う場合には、同様に使える言葉です。
例として、"もっと具象的な計画"と使う時に、"もっと現実性のある計画"と置き換えることができます。
「実態的」(じったいてき)
具象的と使う対象が調査内容などの時に、同じように使えることがあります。
"実態的には使われていない"という文章は、「具象的」を使うと"使われていないのが具象的なところだ"となります。
このように、あまり置き換えには向いていませんが、こちらの言葉の方が「具象的」より向いている場面も少なくありません。
「確定的」(かくていてき)
具象的より、更に確実性のある表現になります。
そのものだと分かった時に使うことがほとんどで、"そうなるのは確定的だ"などという使い方が一般的です。
現象に対して使う言葉なので、それほど「具象的」と似てもいませんが、類義語の1つとして考えて構いません。
具象的は、それほど使われる言葉ではありませんが、よく使われる「抽象的」の反対の意味(対義語)だと覚えておくといいでしょう。