「静謐」とは?意味・類語・「鑑賞」と観賞の違い・英語【使い方や例文】
「静謐」とは、「静かで落ち着いている状況・様子」や「世の中が平穏に治まっていること」です。
「静謐」の「意味・読み方・静謐と静寂の違い・英語と解釈・使い方・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「静謐」の意味とは?
- 「静謐」と「静寂」の違い
- 「静謐」の英語(解釈)
- 「静謐」の使い方
- 「静謐」を使った例文・短文(解釈)
- 「静謐」の類語や類義の表現
「静謐」の意味とは?
「静謐」の意味は、「静かで落ち着いている状況・様子」や「世の中(政治経済・軍事の情勢)が平穏に治まっていること」になります。
「静謐」の「静」の漢字は、「物音がせず静かな状態であること」や「世の中・周囲が静かで穏やかな状況にあること」を意味しています。
「静謐」の「謐」の漢字は音読みが「ひつ」、訓読みが「しずか」であり、「ひっそりと静かな様子」「音が無く静かで平隠(平和)なさま」を意味しています。
「静謐」という言葉には、「うるさい音がせず静かで落ち着いていること」と「戦争・騒動などがなく、世の中が平穏・平和な状態にあること」という二つの意味があるのです。
前者の「静か」の意味では「静謐な場所でゆったり過ごす」、後者の「平和」の意味では「国際情勢が静謐を保っている」といった文章で、「静謐」を使うことが可能です。
- 「静謐」の読み方
「静謐」の読み方
「静謐」の読み方は、「せいひつ」になります。
「静謐」と「静寂」の違い
「静謐(せいひつ)」と「静寂(せいじゃく)」の違いは、「静謐」には「物理的・空間的な静かさ」だけではなくて、「世の中の治安の良さ・平穏な状態を前提とした静かさ」の意味合いもあるということです。
「静寂」という言葉は、「物理的・空間的に静かであること」や「物音が無くてひっそりした寂しい雰囲気があること」を意味していますが、「静謐」のような「世の中・国家が平穏に治まっていて騒動が起こっていない」という意味は持っていません。
「静寂」の言葉は基本的に「物音・話し声がしていない物理的に静かな状態・様子」だけを意味しています。
しかし、「静謐」という言葉は「物理的な静かさ」に加えて、「問題がなく世の中が平穏(平和)であること」も意味しているという違いがあります。
「静謐」の英語(解釈)
「静謐」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“peace and calm”(“peace”は平和、“calm”は穏やかさを意味していて、二つの英単語を合わせて「静謐」を意味します。)
“Peace and calm are restored in the country. ”(静謐な落ち着いた治安状況が、その国に戻ってきました。)
“peaceful”(「世の中が平和である」から、「静謐」を意味しています。)
“tranquility”(「落ち着き・平静・静穏」から、「静謐」を意味しています。)
“quietness”(「音がない沈黙・静寂」の意味から、「静謐」を意味しています。)
“I spent a quiet and peaceful environment. ”(私は静謐な環境で過ごしました。)
“Strong empire destroyed the peace and tranquility of this minority race. ”(強大な帝国がその少数民族の静謐を打ち砕いてしまった。)
「静謐」の使い方
「静謐」の使い方は、「静かで落ち着いている時間・空間」を指示して使うという使い方になります。
この意味の「静謐」を使った文章には、「静謐な部屋で、趣味の読書をして過ごすのが至福の時間です」などがあります。
「静謐」の使い方として、「問題・騒乱のない世の中が穏やかに治まっている状態・様子」を指して使うという使い方があります。
例えば、「争いのない静謐な国家の状態が永遠であることを願います」などの文章で、「静謐」を使うことができます。
「静謐」を使った例文・短文(解釈)
「静謐」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
慌ただしいストレス社会で心身の健康を保つためには、一人静かに好きなことをして過ごす静謐な時間も大切にしなければなりません。
この「静謐」を使った例文は、「忙しいストレス社会で心身の健康を保つためには、一人で静かに落ち着いて過ごす趣味の時間も大切であること」を意味しています。
例文2
いつまでも終わらない静謐な状況は、何も起こらない無為の状況(刺激のない状況)という意味では退屈なものかもしれません。
この「静謐」を使った例文は、「長く継続している平穏・平和な状況は、ずっと何も起こらず変化がない無為・退屈な状況とほとんど同じものかもしれないこと」を意味しています。
例文3
人類の歴史には戦争・内乱・クーデター・テロがつきものであり、各国・各人が争わずに大人しくしている静謐な時代が長く続くことはまずありませんでした。
この「静謐」を使った例文は、「人類の歴史では常に戦争や内乱、テロが起こっていて、誰も戦争・争いごとをしない平和でのどかな時代が長続きすることは無かったということ」を意味しています。
人類の歴史を振り返れば、各時代の幸運な一時期を除いて、「平和・平穏な治安状況」よりも「戦争・騒乱が起こっている不穏な時代状況」の方が多かったのです。
「静謐」の類語や類義の表現
「静謐」の類語や類義の表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「静謐」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「のどか(長閑)・平和・平穏」
- 「安泰・泰然」
- 「天下泰平・安穏・安らか」
「のどか(長閑)・平和・平穏」
「静謐」の類語・類義表現として、「のどか(長閑)・平和(へいわ)・平穏(へいおん)」があります。
「のどか(長閑)」というのは、「静かでのんびりとしていて落ち着いている状況・様子」を意味しています。
「平和」というのは、「穏やかで戦争や争いごとがない状態・様子」を意味しています。
「平穏」の言葉の意味は、「平和で穏やかであること」になります。
世の中が平和で静かなことを示す「静謐」の類語として、「のどか(長閑)・平和・平穏」が上げられます。
「安泰・泰然」
「静謐」の類語・類義表現として、「安泰(あんたい)・泰然(たいぜん)」があります。
「安泰」の言葉の意味は、「無事・安全で安らかな様子」になります。
「泰然」の意味は、「落ち着いていて、物事の変化に驚いたり慌てたりすることがない様子」になります。
静かで落ち着いていることを示す「静謐」の類語として、「安泰・泰然」の言葉を指摘できます。
「天下泰平・安穏・安らか」
「静謐」の類語・類義表現として、「天下泰平(てんかたいへい)・安穏(あんのん)・安らか」があります。
「天下泰平」というのは、「天下が安らかに治まっていて平和であること」になります。
「安穏」の言葉の意味は、「心が安らかに落ち着いているさま」になります。
「安らか」というのは、「安定していて乱れがないこと・心が落ち着いていること」になります。
静かで落ち着いていることを意味する「静謐」の類義表現として、「天下泰平・安穏・安らか」が上げられます。
「静謐」という言葉について徹底的に解説しましたが、静謐には「静かで落ち着いている状況・様子」や「世の中が平穏に治まっていること」などの意味があります。
静謐の類語・類義表現としては、「のどか(のどやか)・平和・平穏」「安泰・泰然」「天下泰平・安穏・安らか」などがあります。
「静謐」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。