「慧眼」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
慧眼は、あまり見聞きする言葉ではありませんが、しっかりと意味を覚えておいて、ここぞという時に使いたい言葉です。
目次
- 「慧眼」の意味とは?
- 「慧眼」の対義語
- 「慧眼」の使い方
- 「慧眼」を使った例文・短文(解釈)
- 「慧眼」の英語と解釈
- 「慧眼」の類義語や置き換えられる表現
「慧眼」の意味とは?
慧眼は、「鋭い眼をもっている」という意味で使う言葉です。
この「鋭い眼」とは「物事の本質が見抜ける能力」のことで、「先を見通せる能力」という意味も含まれます。
単に目つきが鋭い、視力がよいという意味では使いません。
この言葉に含まれる「眼」は、上記のような「能力」と解釈してください。
そのような能力の持ち主(だと思われる人)に対して使う言葉です。
- 「慧眼」の読み方
- 「慧眼」の別表記
「慧眼」の読み方
「慧眼」は、「けいがん」と読みます。
「慧」は仏教において、「賢い」という意味で使われる漢字です。
「眼」と合わせて、「賢い眼をもっている」という意味の言葉として構成されています。
尚、この「慧眼」は、仏教用語としても使われており、その場合は「えげん」と発音します。
仏教の世界では「慧」を「え」と読むのです。
この場合も意味はほとんど同じです。
「慧眼」の別表記
「慧眼」は、「炯眼」と表記することもあります。
読み方や意味は全く同じですが、「炯」の字が常用漢字ではない為、あまり使われることはありません。
この「炯」は、一文字で「光り輝く様子」を表します。
そのような「眼」もまた、「物事の本質を見抜く眼」、「先が見通せる眼」だと解釈できます。
こちらの「炯眼」は、参考程度に覚えておけばいいでしょう。
「慧眼」の対義語
「慧眼」の対義語は、「凡眼」(ぼんがん)という言葉になります。
凡眼は見た目からも分かりますが、「平凡な眼(能力)しか持っていない」といった意味で使います。
「特に何かが見抜ける鋭さはなく、先を見通せることもない」と解釈する言葉です。
意味だけなら、「凡才」(ぼんさい)もほとんど同じ意味なので、これも対義語だと言えなくもありませんが、こちらは「秀才」(しゅうさい)や「天才」(てんさい)の対義語と考えるのが普通です。
「慧眼」の使い方
慧眼は、そのような人だと思った時や、正にそれだと感じた時などに使います。
実際にはどうであっても、そう思ったり、感じたのであれば使える言葉です。
それほど見掛ける言葉ではありませんが、他の言葉でその様子を表現するより、強く意味することができると言っていいでしょう。
「慧眼」を使った例文・短文(解釈)
慧眼を使った例文や短文です。
この言葉を使うと、文体が堅くなる傾向がありますが、そうではないものも挙げていきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
- 例文4
例文1
「彼女はとても慧眼なので、いかなる隠しごともできそうにない」
彼女に隠しごとをすること自体、いかがなものかと考えてしまいますが、それはさておき、何でも見抜いてしまうほどの鋭さがあるので、隠したところで全てバレてしまうだろうと言っている例文です。
慧眼は、このように使える言葉です。
そして、比較的堅くない文体で使っている例でもあります。
例文2
「彼の将来性を見通す慧眼ぶりには脱帽だ」
ここまでの表現をされるからには、その人が将来性があると思った商品や分野は、その後必ず伸びると言っていいほど先が見通せる眼がある人なのでしょう。
慧眼の使い方としても正しく、この彼を高く評価していることが分かる例文です。
例文3
「この現代社会を勝ち抜くには、何事に対しても慧眼さが求められる」
慧眼を本質が見抜ける眼、及び、未来の展望に対しても使っています。
そのどちらも必要だと言っていますが、こういった使い方をしても問題のない言葉です。
正直なところ、当たり前のことを言っているような気がしてしまいますが、社員などに対する訓示とするにはいい表現なのかも知れません。
例文4
「あの人はいかにも慧眼そうに見えるが、たまに抜けている所もあったりする」
鋭い人というだけでなく、親しみもある様子を表現しています。
この「慧眼」は、堅い使い方になることが多い言葉ながら、それを逆手にとったこのような使い方もあるという例で、慧眼さと(現実のその人)のギャップ感がよく表現できている例文です。
「慧眼」の英語と解釈
「慧眼」を英語で表す場合には、“sharp insight”、または“keen insight”と表現するのがいいでしょう。
前者は一般的な表現で、後者は多少捻った表現だと考えてください。
この“sharp”と“keen”は、ほぼ一緒の意味を持つ言葉で、共に「鋭い」、「研ぎ澄まされている」といった表現に使われます。
“keen”の方が古い言葉なことから、遭えてこちらを使うことで、強く表現することができると考えていいでしょう。
「眼」を直接使いたい場合には、“sharp eyes”、“keen eyes”としても構いませんが、意味としては“insight”の方が直接(比喩ではなく)それが表現できます。
「慧眼」の類義語や置き換えられる表現
慧眼と置き換えられる言葉や表現です。
どれも似た意味になるので、「慧眼」が前後の文体などから使いにくい場面では、これらをうまく使うといいでしょう。
- 「眼識」【がんしき】
- 「達眼」【たつがん】
- 「活眼」【かつがん】
- 「心眼」【しんがん】
「眼識」【がんしき】
慧眼ととく似た意味をもつ言葉です。
ただし、先に対する見通しという意味には薄いので、「本質を見抜く眼」という意味で使う場合の置き換え向きです。
「慧眼」が、「慧眼さ」、「慧眼なことが」などと使われることが多い言葉なのに対して、こちらは「眼識がある」、「眼識が高い」といった使い方になります。
「達眼」【たつがん】
意味や使い方は慧眼とほぼ同様です。
しかし、慧眼よりも硬い表現になってしまうので、反って使い方が難しい言葉だと言えるでしょう。
また、この言葉は主に自分より目上の人に対して使います。
「達者」(年配の方に使われることが多い言葉です)の「達」が使われていることからも、それが分かると思います。
「活眼」【かつがん】
本質を見抜くという意味と共に、先が見通せるとも使える言葉です。
よって、「慧眼」にかなり近い言葉だと言うことができます。
「活眼のある」、「活眼をもっている」いった表現で使われることが多いです。
「心眼」【しんがん】
この言葉は、超能力のように使われることがほとんどながら、本来の意味は「大事なことを見抜く能力」です。
その為、「慧眼」の立派な類義語の1つで、上の「眼識」に近い解釈で使うことができます。
慧眼は、それほど使う機会はありませんが、知っているに越したことはない言葉の1つです。
ビジネスで使われることもあるので、意味くらいは是非覚えておきましょう。