「笑止千万」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
世の中には色々なことが起こりますが、その中にはとんでもなく笑いをこらえそうなこともあります。
常識では考えられないくらいにばかげたようなことを平気で考えたり、行動をする人がいますが、そんな人を見て「笑止千万」と表現することがあります。
本人は至って真面目に考えているかもしれませんが、周りから見るとどうしてもおかしく見えてしまうのです。
今回は、この「笑止千万」について考えていこうと思いますが、この言葉の意味や使い方などを紹介していくことで、理解を深めてください。
目次
- 「笑止千万」の意味とは?
- 「笑止千万」の語源や由来
- 「笑止千万」の言葉の使い方
- 「笑止千万」を使った例文・短文(解釈)
- 「笑止千万」の英語と解釈
- 「笑止千万」の類語や類義語
「笑止千万」の意味とは?
「笑止千万」とは「非常にばかばかしいこと」や「おかしいこと」、あるいは「いかにも気の毒である」といったような意味を持つ言葉です。
日本語には、色々な四字熟語がありますが、この「笑止千万」のその1つになります。
「ばかばかしい」という意味があるように、この言葉の対象となる相手をあざ笑うような意味で使うことになります。
「ばかな行いをしているな」というニュアンスで相手を嘲笑するような意味と不幸な環境にあることをあざ笑うような使い方と言っていいでしょう。
- 「笑止千万」の読み方
「笑止千万」の読み方
「笑止千万」の読み方は「しょうしせんばん」となります。
「笑止千万」の語源や由来
「笑止千万」の語源を調べてみると、「笑止」という言葉は、元々「しょうし」と読んでいた、「勝事」という漢字が由来とされています。
「勝事」という言葉の意味は「あまり見られないくらいに素晴らしいこと」や「普通では考えられないような異常な出来事」という解釈だったのですが、この言葉が次第に「笑えること」や「おかしいこと」の意味に変わってきたようです。
この意味の変化に伴い、「勝事」→「笑止」というように当て字で使われるようになってきました。
一方の「千万」は、「この上なくその程度が高いこと」を意味する言葉ですが、この解釈が「決められた規則や物事の道理を重要視しないような相手」を「不届き千万」と言ったり、「著しく迷惑をかけられること」を「迷惑千万」と言うようになってきました。
この2つの言葉が組み合わさり、「非常にばかばかしいこと」という意味で使われるようになってきたのです。
「笑止千万」の言葉の使い方
「笑止千万」の言葉の使い方ですが、周りから見ても、「ばかなことをしているな」と思われるような行動をしたり、考えている人を指して使うことになります。
ただ「笑止千万」は、決していい意味で使われる言葉ではないので、この言葉を聞くとあまりいい印象がありません。
「笑止千万」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「笑止千万」を使った例文を紹介していくことにします。
- 「笑止千万」の例文1
- 「笑止千万」の例文2
- 「笑止千万」の例文3
「笑止千万」の例文1
「技術者でもない君がネットワークの資格試験を受験しようなどどは笑止千万だ」国家資格を取得しようと必死で頑張っている「君」に対して、このようなことを言うことは、かなり失礼なことではないかと思います」
このようなセリフを言っている人が、どのような立場か分かりませんが、本来ならば「技術者でない君が資格試験にチャレンジすることは大変だけど、素晴らしいことだね」というようなことが本来の励まし方ではないでしょうか?
もし、この発言者が上司であったなら問題です。
「笑止千万」の例文2
「この企画書が通ると思っているなら、笑止千万というほかない」ビジネスの場面では、新しい事業を進める時や新製品を開発する時に必ず企画書が必要になってきます」
開発コンセプトから始まり、どのような市場・顧客を対象に、どのような内容の物・コトを企画するのかとまとめていきますが、企画書は必ず通る(承認される)ものでもありませんし、内容不足で再検討したり廃案になることがあります。
しかし、企画書を提出してこれから頑張ろうと考えている人に対して、この例文であるようなセリフがとても失礼なことでしょう。
企画書をレビューして不足している内容に対して、アドバイスしたり、再作成に協力することが、ビジネスに携わる人としてあるべき姿ではないかと思います。
「笑止千万」の例文3
「あなたの成績であの大学を目指すなんて、笑止千万だ」進学において、自分の理想を持ってチャレンジすることは、大変いいことだと思います。
しかし、自分の学力に見合わないような大学にチャレンジするには、非常に努力をしなくてはなりません。
それでも、必死で勉強すれば合格する可能性も否定できませんので、こんなことをいうことはやはり相手に失礼ですね」
高いハードルだからこそ応援するべきです。
「笑止千万」の英語と解釈
「笑止千万」を英語で言うと、“be highly ridiculous”や“be quite absurd”と行くことができますが、“ridiculous”は「ばかげた」、“absurd”は「道理に反した」という意味がある単語です。
「笑止千万」の類語や類義語
「笑止千万」は「非常にばかばかしい」という意味がありましたが、この言葉を他の言葉で言い換えると、どのような言葉があるでしょうか?
ここでは「笑止千万」の類語を挙げてみることにします。
- 「ヘソが茶を沸かす」
- 「ちゃんちゃらおかしい」
- 「片腹痛い」
「ヘソが茶を沸かす」
「ヘソが茶を沸かす」という表現も「笑止千万」と同じ意味で使われる言葉で、「おかしくてたまらない」、または「ばかばかしくてしかたがない」ということを言っています。
あざけりの意味が込められているのですが、この言葉の語源にはいくつかの説があり、その中でも特に有名な由来説としては、江戸時代の「おへそを茶化す」という意味合いから進化してきたと考えられているものがあります。
人のへそを馬鹿にして笑いを取るという行動は、その当時ではあまり肌は露出することではなかったことから、笑いに転じてきた要因でもあったようです。
そのことから、「ヘソが茶を沸かす」という言葉になってきたと考えられています。
「昨日初めてサッカーボールをけったお前がJリーガーと勝負するなんて、ヘソで茶を沸かすみたいなものだ」というような言い方になります。
「ちゃんちゃらおかしい」
「お客様が神様だと、自分自身で言うなんてちゃんちゃらおかしい」こんなふうなことを耳にしたことのある人も結構いるのではないかと思いますが、「ちゃんちゃらおかしい」とは、「あまりに馬鹿げていて思わず笑ってしまうさま」ことです。
「嘲笑したり冷笑する」意味で使われる言葉ですが、友人や同僚など親しい仲間で使う場合は、「嘲笑」、「冷笑」でもある意味、親しみが込められており、「お前、バカだなぁ」と笑って済ませることができます。
しかし、目上の方や、フォーマルなかしこまった場面で使うことは、相手に失礼なので使うことが止めるべきです。
「ちゃんちゃらおかしい」は、「ちゃる」=「滑稽な言動」や「ふざける」という言葉の「ちゃ」を強調した言葉とされています。
「ちゃかす」、「ちゃちゃをいれる」、「ちゃらんぽらん」などの「ふざける」、「いいかげん」といったような言葉にも「ちゃ」が用いられていることも、このことに関係があります。
「片腹痛い」
「片腹痛い」は、「身の程をしらない相手の態度がおかしくてたまらない」という意味のある言葉です。
元々は「傍ら(かたはら)痛し」という言葉が語源ですが、この「傍ら」という字が「片腹」と誤用したことから、現在の表現になっていきました。
「笑止千万」は、日常でも時折、使われる言葉ではありますが、相手をばかす言葉なので相手を考えて使うかどうかを判断すべきでしょう。