「唯々諾々」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「唯々諾々」とは、「物事の善悪や意味を深く考えずに、簡単に相手の主張に従って言いなりになってしまうこと」です。
「唯々諾々」の「意味・英語と解釈・使い方・例文と解釈・類語や類義表現」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「唯々諾々」の意味とは?
- 「唯々諾々」の読み方
- 「唯々諾々」の英語(解釈)
- 「唯々諾々」の使い方
- 「唯々諾々」を使った例文・短文(解釈)
- 「唯々諾々」の類語や類義の表現
「唯々諾々」の意味とは?
「唯々諾々」の意味は、「物事の善悪・意味を深く考えずに、簡単に相手の言葉に従って言いなりになってしまうこと」や「相手の言葉・要求に逆らうことなく、従順(素直)に言うことを聞くこと」になります。
「唯々諾々」というのは、簡単に言えば、「相手の要求や意見に対して、逆らわずに素直に聞き入れること」を意味しているのです。
「唯々諾々」という四字熟語の「唯」には「はい」という返事(応答)の意味があり、「諾」には「承諾(しょうだく)・快諾(かいだく)」の言葉に使われているように、「受け入れる・引き受ける・かしこまる」といった意味合いがあります。
「唯々諾々」の語源は、古代中国の法家の古典である「韓非子(かんぴし)」にあり、「主人の命令に付き人(下僕)が何でも従う」という意味で使われていました。
「唯々諾々」の読み方
「唯々諾々」の読み方は、「いいだくだく」になります。
「唯々諾々」の英語(解釈)
「唯々諾々」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“obediently”(従順な、素直なの意味から、「唯々諾々」の意味になります。)
“He obediently accepted the proposal. ”(彼は唯々諾々として、提案を受け入れました。)
“submissively”(大人しい、従順な、腰が低いの意味から、「唯々諾々」の意味になります。)
“He submissively listened to his boss's opinion. ”(彼は上司の意見を、唯々諾々として聞き入れた。)
“at a somebody's beck and call”(“beck”は「指図・命令」を意味し、“call”は「呼びかけ」を意味しています。常に命令と呼びかけに答えることから、「唯々諾々」を意味します。)
“I obeyed at a her beck and call. ”(私は彼女の指示・呼びかけに唯々諾々と従っていた。)
「唯々諾々」の使い方
「唯々諾々」の使い方は、「相手から何かを要求(命令)されたり何かをお願いされたりした時に、一切の反論をせず大人しく言うことを聞くこと。
相手の言いなりになること」に対して使うということになります。
「唯々諾々」は元々、中国古典の「韓非子」において「主君(主人)の命令に対して従順に従うこと」を意味していたので、現代においても「目上の人」から何か指示・命令・要求をされて、それを大人しく受け入れて従うという時に使われます。
例えば、「上司の指示を、唯々諾々として受け入れる部下の姿があった」や「先輩の指導に唯々諾々と従う後輩たちは、いつも精神的に威圧されていた」などの文章で、「唯々諾々」の言葉を正しく使うことができます。
「唯々諾々」を使った例文・短文(解釈)
「唯々諾々」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
体育会系の部活動では、先輩の指導・命令はほぼ絶対的な強制力を持つので、後輩たちは唯々諾々と従うしかありませんでした。
この「唯々諾々」を使った例文は、「体育会系の部活動で、何でも先輩の言うことに反対することなく従順に従うこと、言うことを聞くこと」を意味しています。
野球部やサッカー部、柔道部などを筆頭に体育会系では、「先輩後輩の上下関係」が厳しくなりやすく、その関係の中で先輩に唯々諾々として従う後輩が増えやすいのです。
例文2
古代の王政・帝政では、国王や皇帝の命令に逆らうことが許されず、家臣・庶民は国王(皇帝)の命令・意志に唯々諾々として従っていた。
この「唯々諾々」を使った例文は、「国王(皇帝)が絶対的な権力を握る古代の王政・帝政では、家臣・庶民が国王(皇帝)の意志や命令に黙って従順に従っていたこと」を意味しています。
現代では身分制度が廃止されているので、自分よりも身分が高い人に逆らってはいけないという感覚はかなり薄らいでいますが、近世以前の身分制度では上位者に対して唯々諾々と従う人が多かったのです。
例文3
私は小さな頃から、唯々諾々として親の意向・助言に大人しく従ってきたので、今でも親の意見に逆らうことが怖くてできないのです。
この「唯々諾々」を使った例文は、「親の意見やアドバイスに反対することなく、今まで大人しく従ってきたこと」を意味しています。
親との間にほぼ絶対的な上下関係ができてしまうと、自分が納得できない親の意見にも、唯々諾々と従ってしまいやすくなります。
「唯々諾々」の類語や類義の表現
「唯々諾々」の類語や類義の表現には、どのようなものがあるのでしょうか?「唯々諾々」の類語・類義表現について、分かりやすく解説していきます。
- 「付和雷同」
- 「大人しく従う・従順に従う」
- 「百依百順」
「付和雷同」
「唯々諾々」の類語・類義表現として、「付和雷同(ふわらいどう)」があります。
「付和雷同」という四字熟語の意味は、「しっかりとした自分自身の考えがなく、すぐに他人に合わせて同調すること」になります。
「付和雷同」の「付和」は「すぐに人の意見に賛成すること」、「雷同」は「雷が鳴り響いた時に、みんなで同じように怖がること。
すぐ同調すること」を意味しています。
何でも人の言うことを受け入れる「唯々諾々」の類語として、「付和雷同」を上げることができます。
「大人しく従う・従順に従う」
「唯々諾々」の類語・類義表現として、「大人しく従う・従順に従う」があります。
「唯々諾々」という言葉の意味は、「相手の意見や言葉に対して逆らうことなく、大人しく従順に従うこと」を意味しています。
その意味から、「唯々諾々」の類義表現として、「大人しく従う」を考えることができます。
更に、「逆らわずに従う・反論せずに従う」の意味から、「唯々諾々」と「従順に従う」は類語になっていると言えます。
「百依百順」
「唯々諾々」の類語・類義表現として、「百依百順(ひゃくいひゃくじゅん)」があります。
「百依百順」という四字熟語の意味は、「どんな内容(命令・要求)であっても、何でも大人しく受け入れてしまうこと。
何でも従順に従ってしまうこと」になります。
「百依百順」の四字熟語の「百」は「何でも・あらゆること」を意味していて、「依」は「依存すること・依拠すること」、「順」は「順うこと(したがうこと)」を意味しているのです。
その意味から「百依百順」は、「唯々諾々」の類語になっています。
「唯々諾々」という言葉について徹底的に解説しましたが、唯々諾々には「物事の善悪や意味を深く考えずに、簡単に相手の主張に従って言いなりになってしまうこと」の意味があります。
唯々諾々の類語・類義表現としては、「付和雷同」「大人しく従う・従順に従う」「百依百順」などがあります。
「唯々諾々」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。