「難儀」の意味・類語【使い方や例文】
「難儀」という言葉を使うことはあるでしょうか。
日常会話やビジネスシーンでも時々聞くことがある言葉で、自分では積極的に使わなくても、聞き馴染みはあるという人は多いのではないでしょうか。
又、「難儀」という言葉を比較的よく使う地域もあるといわれています。
ここでは、そんな「難儀」という言葉の意味や使い方、英語、類語について詳しく解説していきます。
目次
- 「難儀」の意味とは?
- 「難儀」と苦労の違い
- 「難儀」の言葉の使い方
- 「難儀」を使った例文・短文(解釈)
- 「難儀」の英語と解釈
- 「難儀」の類語や類義語
「難儀」の意味とは?
「難儀」には、「苦労することやそのさま」、「苦しむことやそのさま」、「迷惑なことやそのさま」、「面倒なことやそのさま」、「手のかかることやそのさま」、「難しく容易でないことやそのさま」といった意味があります。
深刻な悩みで苦しむといった重大な困難から、面倒なことといった軽いことまで、幅広い「困りごと」を表すことができる言葉といっていいでしょう。
- 「難儀」の読み方
「難儀」の読み方
「難儀」は、「なんぎ」と読みます。
「難儀」の「難」は、訓読みで「難しい(むずかしい)」と使われることがよくありますが、「遭難(そうなん)」、「避難(ひなん)」、「厄難(やくなん)」、「災難(さいなん)」など、音読みの「難(なん)」を使った言葉も普段からよく目にしますので、「難儀」という言葉を読み間違えることは少ないのではないでしょうか。
「難儀」と苦労の違い
「難儀」が持つ意味の1つに、「苦労することやそのさま」がありますので、「難儀」も「苦労」も、同義語であると考えてよいでしょう。
違いを挙げるとするなら、「難儀」は、深刻な困難から軽い困りごとまで幅広く表すのに対し、「苦労」という言葉は、深刻な困難というイメージで使われることが多いということでしょう。
「難儀」の言葉の使い方
「難儀」という言葉は、「苦労する」や「苦しむ」という意味では「難儀する」という使い方をし、「迷惑をかけます」や「面倒をかけます」という意味では「難儀をかけます」という使い方をします。
又、関西では、「難儀やなあ」という言葉が、相手に対して「大変だね」と同情したり、相手の状況に共感の意を示す時に使われています。
関東の人が「それは難儀だね」というのとは、少しニュアンスの違う使われ方をしているといえるでしょう。
「難儀」を使った例文・短文(解釈)
苦労すること、苦しむこと、迷惑なこと、面倒なこと、手のかかること、難しく容易でないこと、いった意味を持つ「難儀」ですが、実際にはどのように使われるのでしょうか。
ここでは、「難儀」という言葉を使った例文を紹介します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
- 例文4
- 例文5
例文1
「夫が体を壊して仕事を辞めなくてはいけなくなりました。代わりに私が働きに出ることにしたのですが、就職先が決まらずに難儀しています」
この文章の場合は、「難儀」という言葉が「苦労している」という意味で使われています。
例文2
「くしゃみをしただけで腰を痛めたことに驚きましたが、それ以上に、腰が不自由なことでこんなにも日常生活に難儀するとは思ってもみませんでした」
この文章の場合は、「難儀」という言葉が「苦しんでいる」という意味で使われています。
例文3
「友人は好奇心旺盛なのはいいのですが、深く考えずに何にでもすぐに首を突っ込んでしまうので、難儀な問題に巻き込まれてしまうことがよくあります」
この文章の場合は、「難儀」という言葉が「面倒なこと」という意味で使われています。
例文4
「市場にはほとんど出回ることのない珍しい植物の鉢植えを育てています。
育成環境にうるさく、病気にもかかりやすい、極めて難儀な植物です」
この文章の場合は、「難儀」という言葉が「手がかかる」という意味で使われています。
例文5
「新製品の開発を進めてきて、後少しで完成という段階に漕ぎつけました。
しかし、最後の調整が難儀しており、完成への道のりはまだまだ険しいようです」
この文章の場合は、「難儀」という言葉が「難しく容易でない」という意味で使われています。
「難儀」の英語と解釈
「難儀」という言葉を英訳する際に使える言葉は、様々にあります。
例えば、「difficult」、「hard」、「problem」などが挙げられます。
「面倒」という意味では「trouble」、「手がかかる、扱いにくい」という意味では「tricky」という単語も使うことができます。
又、「難儀する」を英語に訳すば場合には、先に挙げた単語を使って、「have a hard time」や「be in trouble」といった表現を使うことが出来るでしょう。
「難儀」の類語や類義語
「難儀」の類語として知られている言葉には、「苦境」、「逆境」、「憂き目」という言葉があります。
ここでは、それらの類語について解説していきます。
- 「苦境」
- 「逆境」
- 「憂き目」
「苦境」
「苦境」は、「くきょう」と読み、苦しい境遇や、苦しい立場、という意味があります。
「思わぬ敵が現れ、私は苦境に立たされました」、「苦境を乗り越えた経験が、あなたをここまで成長させたのです」、「苦境に直面した時こそ、冷静さを失ってはいけません」、「会社を定年退職した今となっては、苦境に陥ったこともいい思い出となっています」のような使い方をします。
「逆境」
「逆境」は、「ぎゃっきょう」と読み、思うようにならない境遇、苦労の多い境遇、という意味があります。
「軽はずみな一言で、彼は逆境に身を置くことになってしまいました」、「逆境を知らない友人は、小さなことにも思い悩んでしまいます」、「彼女は経験が豊富で、逆境に強いともっぱらの評判です」というように使います。
「憂き目」
「憂き目」は、「うきめ」と読み、辛く悲しいことや、その経験を指す言葉です。
「努力を怠った彼女は、ここぞという大勝負で敗北の憂き目にあったのです」、「敗戦の憂き目を見たくなければ、ハードなトレーニングに根をあげていてはいけません」、「彼が婚約破棄の憂き目を見たのは、自業自得でしょう」のように使います。
「難儀」という言葉について解説してきました。
様々な意味を持つ言葉ですので、文章や会話の前後から、どの意味で使われているのかを判断する必要があるでしょう。
難儀なことというのは、どこにでもあるものです。
何とかなるというプラス思考を持つことが大切なのではないでしょうか。