「基づき」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
私達が普段から使っている日本語には色々な類いの言葉がありますが、日常的に使われている言葉の数とはどのくらいあるのでしょうか?
最近では、インターネットの普及とともに、ネットスラング的な言葉が流行っていますが、ビジネスの世界では外来語から来たカタカタ語や昔から伝わることわざや四字熟語を会話の中に折り込んで使うこともあります。
しかし、ビジネスならではの言葉の使い方や報告の仕方があり、言葉の意味を正しく理解して使うことが重要です。
そうしないと誤った使い方で、誤解が誤解を生んでしまう結果になっていく危険性があります。
ビジネスコミュニケーションの中で、よく使われる表現に「基づき」という言葉があります。
頻繁に使われている言葉だけに、若い社員の人達は感覚的に用いている感じもしますので、今回はこの「基づき」を取り上げて説明していくことにします。
目次
- 「基づき」の意味とは?
- 「基づき」の読み方
- 「基づき」の言葉の使い方
- 「基づき」を使った例文・意味を解釈
- 「基づき」の英語と解釈
- 「基づき」の類語や類義表現
「基づき」の意味とは?
「基づき」という言葉は、「そこに基礎・根拠を置く」、「よりどころとする」という意味があります。
「史実に基づいた歴史小説」や「これまでの経験に基づく予想」というような表現を耳にしたことがあるかと思います。
また、「そこに原因がある」、「起因する」や、「達する」という解釈もでき「このトラブルは小さな誤解に基づいている」という使い方がされることもあります。
「基づき」の読み方
「基づき」は、「もとづき」という読み方になります。
「基づき」の言葉の使い方
「基づき」は、何かベースとなる事象があり、新たなことが起きている場合に、使うことになります。
「原因」と「結果」という因果関係を言い換える時に、この「基づき」が使われることになります。
「基づき」を使った例文・意味を解釈
では、ここで「基づき」を使った例文を見ていき、どのようなシーンで用いられるかを考察していくことにしましょう。
- 「基づき」の例文1
- 「基づき」の例文2
- 「基づき」の例文3
「基づき」の例文1
「この綿密な調査に基づいた販売戦略は必ず成功するでしょう」
企業では新たな事業を起こす時に、必ずマーケティングリサーチを行います。
どのような市場が元気で有望なのかや、どの程度の年成長率があるのか?
また、その市場において自社のサービスや製品がどの程度販売可能なのか、そのために必要なコストや価格設定をどうすべきか?
このようなリサーチに「基づき」、戦略を打って行くことになります。
「基づき」の例文2
「現代の薬の大半は、薬用植物の知識に基づいている」
この文章は、昔から伝わる薬用植物の知識のおかげで、現代薬の多くが成り立ち製造されているということを言っています。
このように先人の知恵や経験に「基づく」財産が現代社会に恩恵をもたらしていることが少なくありません。
「基づき」の例文3
「今までの積み重ねに基づき、あなた方がこれから大きく飛躍してくれることを期待する」
この言葉は、卒業式の時に生徒に贈る恩師の言葉のようでもあります。
人の成長には多くの経験から来る学びがベースとなりますが、学生時代に学んだ知識や経験も必ず活かされることを卒業生に言っているわけですね。
「基づき」の英語と解釈
「基づき」という言葉を英語で表現すると、“based on”という言葉で言うことができますが、この英語は直訳的な意味になります。
この他には、「基づき」という日本語の表現の平易な言い方でもある「〜を考慮に入れて」という言葉から、“considering”=「考慮して」という言い方もできます。
また、“taking . . . . into consideration”という表現もあり、「〜考慮に入れ」が転じて「〜に基づき」という解釈も可能です。
「基づき」の類語や類義表現
では、「基づき」と同じような意味を持つ類義語を見ていくことにします。
- 「根拠にする」
- 「土台として」
- 「準拠して」
「根拠にする」
「根拠にする」という意味も「基づき」の類義語として扱うことができるでしょう。
この言葉を使う場合は、「基づき」にほぼ近い意味になりますが、「基(もと)」には「材料」や「糧(かて)」といったようなニュアンスが含まれている場合もあるので、使われる文章によっては、多少意味合いが異なってくることもあります。
「土台として」
「土台にして」も類義語になるのですが、「次の段階に行くための足掛かりとするさま」という意味になります。
どのようなことでも新たな展開を考えた時、何か踏み台になることを探して、そこを足掛かりにして次のステップに進んで行くことがありますが、このような場合に、「土台にして」を使います。
大きなプロジェクトなどを始めようとする時に、いきなり白紙の状態からスタートするよりも、土台があった方が労力や時間が大幅に短縮されるメリットがあります。
このことは、ビジネスの世界では常套手段とも言えることなのですが、限られたリソースを最大限に活用するためには、避けては通れないことでしょう。
「準拠して」
「準拠して」という言葉も「基づき」に近い意味合いがあります。
「あることをよりどころとして、それに従うしこと」、あるいは「よりどころとなる事柄」という意味になります。
身近に使われる場面としては、「指導要領に準拠した本」という形で使われます。
教育分野でよく目にすることがある言葉でです。
「準拠して」というフレーズには、何かしら「権威のあるものをベースにしている」という印象を覚えてしまうのも、そのためでしょうか?
「基づき」という表現は、実に色々な場面で使われることが理解できたのではないかと思います。
私達は仕事においても、私生活の中でも、何か新しいことにチャレンジしようとする時に、何か参考になるものを探そうとします。
これは手抜きでもなく、楽をしたいからではありません。
もし自分の目指した方向が間違っていたなら、それを修正することができます。
また「0(ゼロ)」からのスタートでは不必要な時間を費やしてしまう可能性もあります。
特にビジネスの世界では限られた時間と資金や人材の中でも、いかに大きな成果を生み出すかが問われています。
そのような社会背景を考えると、一切経谷無駄なことをしてはならないと思ってしまうものです。
しかし、新たな事業を作り出すことも企業の至上命題なのですから、いままで蓄積してきたノウハウや経験を活用しなくてはならないと思うのです。