「縋る」とは?意味・読み方・英語【使い方や例文】
縋るという言葉は、物理的な物体に対しても、形のないものに対しても使える言葉です。
目次
- 「縋る」の意味とは?
- 「縋る」と「頼る」の違い
- 「縋る」の言葉の使い方
- 「縋る」を使った例文と解釈
- 「縋る」の英語と解釈
- 「縋る」を使った言葉と意味を解釈
- 「縋る」の類義語や置き換えられる表現
「縋る」の意味とは?
縋るとは、何かを「心から頼りにする」時に使う言葉です。
冒頭にも書いたように、その対象は物理的な何かであったり、形がなく、目に見えないものでも構いません。
頼りにするという性質から、困った時に使う言葉で、「〜しかない」と懇願する場合にもよく用いられます。
また、若者はあまり使わない言葉だとも言えるでしょう。
- 「縋る」の読み方
「縋る」の読み方
「縋る」は「すがる」と読みます。
この言葉自体は聞いたり、使ったことがあっても、漢字でどう表現すればいいのか分からなかった人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、この「縋る」は漢字検定準一級レベルで、読むだけでも難しい漢字の1つです。
それほど書くことになる場面が多いとは思えませんが、この機会に覚えておくといいかも知れません。
「縋る」と「頼る」の違い
縋るは、意味として何かを「頼りにする」ことなので、この2つの言葉はよく似ていると言うことができるでしょう。
ですが、「縋る」は「しがみつく」(物理的ではなくても)という意味が強い言葉で、その対象に「頼りっきりになる」というイメージで使われる言葉です。
「頼る」より対象に依存する度合いが強い場合に使われます。
「〜に頼りたい」と「〜に縋りたい」では、後者はその対象がないと本当に困るという場合に使う表現になります。
「縋る」の言葉の使い方
縋るという言葉は、自分1人ではどうしようもない時に使う言葉です。
その為、安易に使うべきではなく、縋る対象がいかに自分にとって大切かということも同時に表現できます。
ただし、それがないとかなり困ることまで分かってしまうので、この意味でも簡単には使わない方がいいと言える言葉です。
(いわゆる「弱点」をさらけ出してしまうことになります)
「縋る」を使った例文と解釈
縋るを実際に使った例文ですが、「それが本当に頼りだ」という意味と、「そこまで頼りにしたい」という願望として使っているものになります。
縋られる対象が人物の場合、2人の関係性によっては「そこまで頼りにするな」と思われるかも知れないので、直接その対象に使う時には、相手を選ぶことと、切り出すタイミングにも注意しましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「学生のうちは親に縋るのもいいが、卒業したら早目に自立するべきだ」
縋る相手が両親だという例文です。
この使い方の場合、あらゆる面で援助を受けているという意味になり、それこそ「頼りっきり」の状態だと言っていいでしょう。
そこまで頼りにしていることを表現している為、縋るの使い方としていい例文となっています。
例文2
「年ですっかり足腰が弱くなってしまい、杖に縋らないと歩くのが難しくなってしまった」
縋るを物理的な対象に使っている例になります。
「頼らないと」に置き換えても文章として全く問題ありませんが、その表現より杖に対する依存度が高いことが分かる例文で、それだけ生活の全てにおいて杖が重要だということが分かります。
例文3
「どうにもならなくなってしまい、もう神様にでも縋りたい気分だ」
縋るはこのように、「縋りたい」と変化させて使うこともできます。
そして、この「神様に縋る(縋りたい)」という表現は、いわゆる「神頼み」をする時によく使う形です。
人物でも物理的な物体でもなく、架空(神様という存在についての論議はここでは避けます。
便宜的にその一例と使っています)の対象にも使えることを表している例文だと解釈してください。
「縋る」の英語と解釈
縋るを英語で表現する時には、その対象によって使い分ける必要があります。
縋るはここまでに解説してきたように、目に見えない対象にも使える言葉ですが、その場合と対象がはっきりしている場合、更に人物が対象の時で、それぞれ使う言葉が変わります。
上の例文にもあった神様などの見えない対象に使いたい時には、“lean on”と表現します。
同じく例文から、杖のような対象に使うのなら“cling to”がちょうど合います。
そして、両親などの人物だ対象だと、“rely on”が一番適当です。
それぞれ、“on”や“to”の後に縋る対象が入ります。
“cling to the rod”は「杖に縋る(縋っている)」となり、“rely on my parents”なら「両親に縋る(縋っている)」の英語表現となります。
「縋る」を使った言葉と意味を解釈
縋るの応用とも言える、この言葉を使って作られている言葉について解説していきます。
どれも、縋るの意味を強調している言葉となっています。
- 「寄縋る」【よりすがる】
- 「泣き縋る」【なきすがる】
「寄縋る」【よりすがる】
「縋る」と表現するところを、この「寄縋る」とすることで、「より強く縋る」ことが表現できます。
「寄り縋る」とも表記され、「寄り」をそのまま「より」と(本来の意味は違いますが)考えると、分かりやすいと思います。
ただし、目に見えない対象にはあまり使わない表現です。
「寄る」という行為ができる対象に使うと考えてください。
「泣き縋る」【なきすがる】
文字通り、「泣きながら縋る様子」を表す言葉です。
「寄縋る」以上に、強く縋る様子を表現できます。
こちらの場合、目には見えない対象にも使うことができます。
例えば「もう神様に泣き縋るしかない」などという使い方をしても構いません。
見た目や意味から、あまり格好のよい言葉だとは言えませんが、そんなことは言っていられないという状況でこそ使う表現です。
「縋る」の類義語や置き換えられる表現
縋ると置き換えられる他の言葉や表現です。
ただし、どれも目に見えない対象には使えないので注意してください。
- 「掻いつく」【かいつく】
- 「寄り掛かる」【よりかかる】
「掻いつく」【かいつく】
「掻きつく」とも言い、頼りにして強くしがみ付くことを表現する言葉となります。
あまり見掛けない言葉ですが、縋ると同程度の(頼るという意味の)強さがあると考えていいでしょう。
「寄り掛かる」【よりかかる】
比喩表現として、縋ると似た意味で使える言葉です。
誰かをとても頼るにする様子だと、その誰かに寄り掛かるという形で表現できます。
何かや誰かに縋るのは、それだけ困っているからこそです。
そのような状況であれば、縋ることを恥じる必要はなく、逆に、縋らなかった為にもっと困ることになってしまっては大変です。