「ガキ大将」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
何時の頃から「ガキ大将」という言葉が失われたのでしょうか?
昭和の時代は、小学校には必ずしも1人や2人は、クラスや学年のいたずらっ子や悪ガキを束ねていた「ガキ大将」がいたものです。
でも、今ではこの「ガキ大将」という言葉さえ知らない20代の人達ばかりではないでしょうか?
目次
- 「ガキ大将」の意味とは?
- 「ガキ大将」の読み方
- 「ガキ大将」の語源や由来
- 「ガキ大将」の使い方・例文や短文・解釈
- 「ガキ大将」の英語
- 「ガキ大将」の類語や類義表現
「ガキ大将」の意味とは?
「ガキ大将」とは、「子供の集団の中で、最も力が強くて威張っている子供」を指している言葉です。
腕っぷしが強いだけで自分のわがままを力ずくで押し通す者も多かったのですが、中には自分の身を挺してでも子分としていたクラスメートを守る者もいて、そんな「ガキ大将」は、漫画の主人公になることも多かったのです。
「ガキ大将」の読み方
「ガキ大将」は、「がきだいしょう」と読みます。
「ガキ大将」の語源や由来
「ガキ大将」に使われる「ガキ」は、漢字で書くと「餓鬼」となりますが、この言葉は仏教用語の1つなのです。
仏教では、肉体が滅びても人の本当の生命は果てしなく続いて過去から永遠へ続くと教えられています。
それを六道(りくどう)という迷いの世界を、グルグルと巡っていると考えられているのですが、六道の世界は、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界の6つの世界に分かれています。
その餓鬼界にいる亡者が「ガキ」なのですが、いつの間にか「やんちゃな子供」の意味合いが出てきて、これに頭を統率する「大将」が組み合わさり、「ガキ大将」が生まれてきたと思われます。
「ガキ大将」の使い方・例文や短文・解釈
では、「ガキ大将」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「ガキ大将」の例文1
- 「ガキ大将」の例文2
「ガキ大将」の例文1
「小学3年生と1年生の息子がいるのですが、弟はおとなしい性格で3年生の兄は活発で、悪く言えばやんちゃなガキ大将です」
こんなセリフは、昔のラジオ子供相談室でよく出てきたものです。
今でこそ、インターネットの相談コーナーでも出てきそうな内容ですが、あまりにもやんちゃ過ぎて、困っている親の悩みです。
「ガキ大将」の例文2
「昭和の時代は、小さな集団の中で、腕力が強い子や統率力がある子などが、その中で自然にガキ大将が現れていたのですが、今ではそのような子供の社会がなくなりつつある」
そう、今では「ガキ大将」という言葉さえ死語になっている感がありますが、「ガキ大将」がいなくなって、チームワークが希薄になってしまったという見方をする教育評論家がいるほどです。
「ガキ大将」の英語
「ガキ大将」にジャストフィットする英語はないのですが、「いじめっ子」という意味であれば「bully」となり、「子供達の中心人物」という解釈になると「boss of the children」と言うことになります。
「ガキ大将」の類語や類義表現
では、「ガキ大将」を他の言葉で言い換えると、どのような言葉が使えるでしょうか?
- 「わんぱく坊主」【わんぱくぼうず】
- 「お山の大将」【おやまのたいしょう】
- 「番長」【ばんちょう】
「わんぱく坊主」【わんぱくぼうず】
「わんぱく坊主」が「ガキ大将」の類義語として使えそうで、意味は「元気で大人の言うことを聞かない子供」のことです。
「やんちゃ坊主」とも言われることがありますが、この言葉にはまだあどけなさが残っている感じがしますね。
「お山の大将」【おやまのたいしょう】
「お山の大将」は、「狭い範囲の中で自分が一番だと得意になっている人のこと」を言っており、あまりいい意味で使われることがありませんが、「ガキ大将」に近い意味で用いられることもあります。
「番長」【ばんちょう】
今では、もう「番長」と呼ばれる人が全くいなくなったのではないでしょうか?
「番長」とは、「学校内の非行少年の仲間のリーダー」のことを指していましたが、時には、弱い立場の者を助ける「番長」もいました。
「ガキ大将」という言葉が使われなくなったのは、今の子供の社会構造が昔とは異なり、個人主義が当たり前になったことも一因ではないかと思われます。
「ガキ大将」がいることで、子供の頃から組織的な動きや習慣が作られて成人後、役だったのかもしれません。
今ではそのようなことが全くなくなっているので、これからの子供達が大人になると、どのような社会になっていくのか気になります。