意味解説の読み物

meaning-book

meaning-bookは意味解説の読み物です

「業を積む」の意味・読み方・英語【使い方や例文】

業を積むという言葉は、いかにも辞典などに普通に記載されていそうな響きがありますが、実はどこにもそのような言葉はないのです。

業を積む

Meaning-Book
「業を積む」の意味・読み方・英語【使い方や例文】>


目次

  • 「業を積む」の意味とは?
  • 「業を積む」を分解して解釈
  • 「業を積む」の使い方
  • 「業を積む」を使った例文・短文(解釈)
  • 「業を積む」を英語にすると?
  • 「業を積む」の類義語や置き換えられる表現


「業を積む」の意味とは?

「業を積む」の意味とは?

業を積むとは、「善行を重ねる」という意味で使われることの多い言葉です。

冒頭で書いたように、正式な言葉ではありませんが、俗的な用語として、精神世界などを表現するスピリチュアルの世界、及び特定の宗教などで使われています。

ここで言う善行とは、一般的なそれだけでなく、その世界でそうと判断されることも含まれます。

これを行うことで、1つ上の存在(あくまでその世界の中での話です)になれるという教えもあるようです。

  • 「業を積む」の読み方

「業を積む」の読み方

「業を積む」は、普通に「ごうをつむ」と読んでください。

これで間違いはありませんが、スピリチュアルの世界では「カルマをつむ」と読むように、「業」「カルマ」と読む場合もあります。

カルマとは、「善行」「因果応報」を表す言葉で、後者は仏教用語にあるように、「自分の行いは全て自分に返ってくる」という意味を持ちます。

善行を重ねることで、自分にその(色々な意味で)恩恵が返ってくるという意味に考えることができ、それこそが業を積む目的だと考えていいでしょう。



「業を積む」を分解して解釈

「業を積む」を分解して解釈

「業を積む」を2つに分けて、詳しく意味を考えていきます。

作られた言葉とはいえ、きちんとした(言わんとする)持たせているのが分かると思います。

  • 「業」
  • 「積む」

「業」

先にも書きましたが、この「業」「カルマ」とも発音します。

カルマについての説明も既に行いましたが、この言葉は単独で使う場合、「善行も悪行も含めた、人間の全ての行い」と解釈するのが一番合います。

その為、「業」を積むとすると、悪行も含まれてしまうことになりますが、この言葉として使う場合には、「善行」だけを表すと考えてください。

「積む」

この「積む」は、「重ねる」と解釈してください。

善行を含む「行い」は、「経験」と解釈することができます。

経験は、この「重ねる」と数えるのが一番だからです。

「業を積む」の使い方

「業を積む」の使い方

業を積むは、この言葉の意味をきちんと解釈し、日頃から使っている世界だけの中で使われます。

いかにも普通にありそうな言葉なので、一般の世界で使ってもそれほど違和感がないのが特徴です。

(神秘的、宗教的な響きがほとんどありません)



「業を積む」を使った例文・短文(解釈)

「業を積む」を使った例文・短文(解釈)

業を積むことで、後からその恩恵があると考えるのは簡単ですが、その為に善行を積むというのは、些かいただけません。

この業を積むという言葉が使われるのは、前述のようにスピリチュアルの世界か特定の宗教のことがほとんどですが、そういった世界だからこそ、善行によって恩恵を求めるという行為が正しいのかに疑問をもってしまいます。

そのようなことも含めて、この言葉を使う場合の例文を挙げていきます。

  • 「もっと業を積むべきだと言われたが、それは無理にすることなのだろうか」
  • 「業の積み方が足りなかったので、受験に失敗したのだと言われてしまった」
  • 「自然に業を積むことで、精神世界でのレベルを上げることができるだろう」

「もっと業を積むべきだと言われたが、それは無理にすることなのだろうか」

その疑問は、ごもっともだと言えそうです。

すすんで善行を重ねようとする姿自体は素晴らしいことですが、無理にそれを行おうとすると、親切の押し付けのようなことにもなってしまいます。

善行は自然に重ねてこそだと言えるものなので、このような教えがあるとそれは、何かが違うと思わざるを得ません。

「業の積み方が足りなかったので、受験に失敗したのだと言われてしまった」

この例文では、受験に合格するという恩恵を期待して善行を重ねていたということになります。

善行とは、決してそのような見返りを期待して行うものではありません。

これが宗教の中でのことであれば、怪しげなものだとも考えてしまいます。

また、「業を積む」「業の積み方〜」と変形させて使っている例でもあり、こういった使い方もできる言葉です。

「自然に業を積むことで、精神世界でのレベルを上げることができるだろう」

業の積み方(善行の重ね方)まではいいですが、それによっての後の部分は理解ができない人も多いかも知れません。

ですが、スピリチュアルや宗教とはそういうものなので、分かる人だけが分かっていればいいのです。

「業を積む」を英語にすると?

「業を積む」を英語にすると?

「業を積む」は正式な言葉ではないことから、そのものに該当する英語表現がありません。

そこで、「業」を経験やキャリアという解釈をすると、“career advancement”と表現できます。

意味は、「経験やキャリアを積む」となります。

“karma”を英字表現として、“career karma”とすれば、そのまま「カルマ(業)を積む」と表現できそうなものですが、これでは英語圏では通じません。

何故なら、“karma”(カルマ)はヒンズー語であって、英語ではないからです。

「業を積む」の類義語や置き換えられる表現

「業を積む」の類義語や置き換えられる表現

「業を積む」を他の言葉で置き換えてみますが、ここまでに挙げてきたこの言葉の解釈に通ずるものばかりになってしまいます。

特定の世界でしか使われない言葉なので、それも仕方のないことだと言えるでしょう。

  • 「善行を重ねる」【ぜんこうをかさねる】
  • 「徳を積む」【とくをつむ】

「善行を重ねる」【ぜんこうをかさねる】

説明してきた通りの「業を積む」の意味そのものです。

この言葉の置き換え表現として、一番適していると言えますが、反面、ストレート過ぎる表現になっている点が否めません。

置き換えには違いありませんが、これでは意味として訳しているだけだと言われても仕方ないでしょう。

「徳を積む」【とくをつむ】

こちらの方が、神秘的なニュアンスが含まれており、「業を積む」の類義語、置き換え表現として相応しいと言えるでしょう。

この「徳を積む」もまた、正式な言葉ではありません。

「徳」「善行」と解釈して構いませんが、仏教的な意味合いが強い言葉です。

その為、それに準じた宗教では使われることが多い表現ですが、仏教とは無縁のスピリチュアルの世界などでは、あまり見掛けることはありません。

icon まとめ

業を積むことはとてもいいことだと言えますが、それによって何らかの見返りを期待するのは多少違うと考えるのが普通でしょう。

しかし、そのように考えられている世界もある為、一概に否定することはできず、その中のルールなどに従うのが一番です。