「虫の居所が悪い」の意味・類語【使い方や例文】
「虫の居所が悪い」という言葉は、日常的に使うことのある言葉でしょう。
意味や使い方は分かっていても、なぜ「虫の居所」という表現が使われるのか、その「虫」はどんな虫なのか、由来まで知って使っている人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、そんな「虫の居所が悪い」という言葉について、意味や由来、英語での表現、類語について、詳しく解説していきます。
目次
- 「虫の居所が悪い」の意味とは?
- 「虫の居所が悪い」の語源や由来
- 「虫の居所が悪い」の言葉の使い方
- 「虫の居所が悪い」を使った例文・短文(解釈)
- 「虫の居所が悪い」の英語と解釈
- 「虫の居所が悪い」の類語や類義表現の言い換え
「虫の居所が悪い」の意味とは?
「虫の居所が悪い」には、不機嫌な状態、些細なことでも気に障る状態、ちょっとしたことでも腹を立てる状態にある、という意味があります。
普段は温和なのに、虫の居所が悪い時には手が付けられないので近寄らないようにしている。
というシチュエーションは、よくあるものです。
- 「虫の居所が悪い」の読み方
「虫の居所が悪い」の読み方
「虫の居所が悪い」は、「むしのいどころがわるい」と読みます。
この言葉はよく耳にする言葉であることから、読み間違えるということは少ないのではないでしょうか。
「虫の居所が悪い」の語源や由来
古代より、人間の体の中には虫が棲みついているとされてきました。
その虫が、本来居るべき場所を離れていることで、人が不機嫌になるのだと考えられてきたのです。
「腹の虫がおさまらない」や、「虫の知らせ」、「虫が好かない」というような言葉に出てくる「虫」も、このような考えに由来しています。
「虫の居所が悪い」の言葉の使い方
「虫の居所が悪い」という表現は、単にイライラしている状態というよりは、ちょっとのことでもイラつく、些細な事でも気に障る、小さなことにでも腹を立てる、というように、きわめて簡単に機嫌を損ねてしまう状態のことを指します。
誰が考えても腹が立つようなシチュエーションで腹を立てることではなく、「なぜそんな小さなことで?」と、首をかしげてしまうような些細なことで腹を立てる、といったイメージでしょう。
「虫の居所が悪い」を使った例文・短文(解釈)
「虫の居所が悪い」の意味や由来、使い方が分かったところで、この項では、この言葉を使った例文を紹介します。
「虫の居所が悪い」は、普段からよく使われている言葉で、例文のシチュエーションを見て、身に覚えがあるという人もいるのではないでしょうか。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「うちの部署で最も古株の彼女は、お腹が空くと虫の居所が悪くなることで有名です。
そのため、彼女のデスクの引き出しには、いつでも差し入れのお菓子が詰まっています」
この文章は、うちの部署で最も古株の彼女は、お腹が空くと、ちょっとのことで機嫌が悪くなることで有名です。
という意味になります。
この場合には、機嫌を悪くして、周囲に八つ当たりをするというような意味合いも含まれるでしょう。
例文2
「彼は出社早々、なにやらイラついた様子で周囲に当たり散らしています。
今日は虫の居所が悪いようなので、彼とはなるべく関わらないようにしましょう」
この文章は、今日の彼は、いとも簡単に腹を立てるくらいイラついていて、誰彼構わず当たり散らすので、なるべく関わらないようにしましょう。
という意味になります。
手が付けられないので、放っておきましょう、といった諦めの気持ちも含まれています。
例文3
「普段は温和な彼女ですが、ダイエット中に限っては虫の居所が悪いことが多いので、‘そのままで十分可愛い’と褒めて、ダイエットを始めないように気を配っています」
この文章は、普段は温和な彼女が、ダイエット中だけは、些細なことでも機嫌が悪くなるので、ダイエットを始めないように気を配っています。
という意味になります。
ダイエットによるストレスのとばっちりを受けたくないという気持ちも含まれているのでしょう。
「虫の居所が悪い」の英語と解釈
「虫の居所が悪い」の英訳としては、「気分、機嫌」といった意味を持つ「mood」という単語を使って、「be in an evil mood」や「be in a bad mood」のように表現することができます。
「虫の居所が悪い」の類語や類義表現の言い換え
些細なことで機嫌を悪くするという意味の言葉は、「虫の居所が悪い」以外にもいくつかあります。
この項では、「虫の居所が悪い」の類語として知られている言葉について、詳しく説明していきます。
- 「ご機嫌斜め」
- 「臍を曲げる」
- 「癪に障る」
「ご機嫌斜め」
「ご機嫌斜め」は、「ごきげんななめ」と読みます。
機嫌が悪い様子を表す言葉としては、もっともよく使われる言葉の1つではないでしょうか。
「彼女は今、ご機嫌斜めだから、良い回答をもらいたかったら、改めて出直したほうがいいですよ」、「あの人はいつでも自分が主役でないと気が済まない性格なので、別の人が褒められているのを聞くと、ご機嫌斜めになってしまいます」
のように使います。
「臍を曲げる」
「臍を曲げる」は、「へそをまげる」と読み、機嫌を悪くして意固地になる、機嫌を悪くしてわざと意地悪をする、という意味があります。
又、そういう人の事は、「臍曲がり(へそまがり)」と呼ばれます。
「上司に仕事の不備を指摘されて臍を曲げてしまうなんて、大人としてどうかと思います」、「彼はかなりのやきもち焼きで、私が職場の男性と話をしているのを見ただけでへそを曲げるので、本当に困ってしまいます」
のように使います。
「癪に障る」
「癪に障る」は、「しゃくにさわる」と読み、物事が気に入らなくてむしゃくしゃする、不快で腹が立つこと、という意味があります。
「癪」とは、近代以前の日本で使われていた病名で、胸や腹に起こる激痛を総称したものです。
「ようやく長い休みを取ることができ、今日は久しぶりの家族旅行だというのに、癪に障る雪です」、「妻からはよく‘そういう言い方が癪に障るのよ!’と叱られますが、何が気に入らないのか、私にはさっぱり理解ができません」
のような使い方をします。
「虫の居所が悪い」という言葉のように、普段何気なく使っている言葉に対して疑問を抱くことは少ないでしょう。
当たり前のように使っていると、その言葉の由来などには、考えも及ばないものです。
しかし、何かの拍子に、そういった言葉について深く知ることができた時には、何か得をした気分になるのではないでしょうか。