「出稼ぎ」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
出稼ぎという言葉は、日々の生活の中で度々耳にしていることでしょう。
意味も何となく分かっている人が多いと思いますが、更に詳しく見ていきます。
目次
- 「出稼ぎ」の意味とは?
- 「出稼ぎ」の語源や由来
- 「出稼ぎ」の使い方
- 「出稼ぎ」を使った例文と解釈
- 「出稼ぎ」を英語にすると?
- 「出稼ぎ」の類義語や置き換えられる表現
「出稼ぎ」の意味とは?
出稼ぎとは、全国的に見て給与水準が低く、仕事の少ない地域から、給与が高く、仕事も多い地域にお金を稼ぎに出向く(住居ごと)ことを表す言葉です。
都道府県別の法的な最低賃金(時給、2018年現在)で見ると、東京都は全国トップの985円となっていますが、東北の方にはそれが全国で最低の762円という県がいくつか存在します。
これだけで考えても、1時間当たりの労働で実に223円も違いがあることになり、そのような地域から東京(もしくは同水準の高い時給がもらえる都道府県)まで出て、そこに住居を構えて働くことがこの「出稼ぎ」の分かりやすい例です。
短期間だけ給与のよい仕事の為に、その地域に住居を移して(その期間だけ用意された寮に入るなどして)働くことも、同じく「出稼ぎ」と表現されます。
- 「出稼ぎ」の読み方
「出稼ぎ」の読み方
「出稼ぎ」は、そのまま「でかせぎ」と読みます。
漢字のまま読めば構わないので、まず読み間違えることはないでしょう。
それなりに日常で使われている言葉ですが、間違えて読んでしまう心配はほとんどないのでないので安心です。
「出稼ぎ」の語源や由来
出稼ぎの語源は、"これまでの生活基盤の住居から出て稼ぐに行ってくる"ことからです。
この語源からすると、最後は戻ってくるという意味が込められていますが、そのまま出稼ぎに出た地域に行きっぱなしになってしまうということも珍しくありません。
その場合には「出稼ぎ」ではなく、単に別の地方に引越しをして就労したというだけのことになります。
当初は出稼ぎのつもりが、そのまま定住してしまったというケースも少なくないようです。
「出稼ぎ」の使い方
出稼ぎという言葉は、それを行っている人が自らをそう称したり、そのような人に対して使う言葉です。
出稼ぎに出ている地域の人に対し、自分は出稼ぎだと言うと、そのうち地元に帰ってしまうと暗に言っていると同じことなので、その点は気を付けましょう。
「出稼ぎ」を使った例文と解釈
出稼ぎに出るような地域でどうして賃金が高いのかと言えば、それだけ出費も多い(つまり、物価が高い)からに他なりません。
そのような地域に長居をしてしまっては、当初の「稼ぎに出てきた」という目的が台無しになりかねません。
出稼ぎで稼ごうと思った場合、毎月の収入から一定額を無条件に貯金、もしくは地元に仕送りをするなどしないと、ほとんど貯めることができない場合も少なくないのです。
あくまで出稼ぎだと考えて他の地域に就労に出る場合には、その点に注意してください。
以下の例文でも、それについて触れてみます。
- 「出稼ぎで東京に出てきたが、物価が高いので全然お金が溜まらない」
- 「あの人は出稼ぎだと言っていたので、そのうち田舎に帰ってしまうようだ」
- 「出稼ぎで都会に出たことがあったが、田舎育ちの自分には馴染めなかった経験がある」
「出稼ぎで東京に出てきたが、物価が高いので全然お金が溜まらない」
出稼ぎとして地元を出たつもりが、その地域にすっかり馴染んでしまい、いつまでも帰らずにそこで働き続けてしまうことも多いのが実情です。
その一番の理由は、生活環境(地元より栄えている、友達ができたなど)のことが多いようです。
先にも書きましたが、物価が高い地域なので、それに相応して賃金も高いのです。
そのような所で人とつるむようになってしまっては、お金など溜まる訳がありません。
お金を稼ぎに出てきたのであれば、その当初の目的を忘れないようにしてください。
「あの人は出稼ぎだと言っていたので、そのうち田舎に帰ってしまうようだ」
自らを出稼ぎだと言ってしまうと、このように思われてしまうことがあるのは前述した通りです。
仕事先にそれと分かって雇ってもらっている場合にはいいですが、後から出稼ぎだと分かったことで、大切なことを任されなくなってしまったり(そのうち居なくなってしまうので)、雇い止めに遭うような場合も考えられるので、余計なことは言わない方がいいかも知れません。
「出稼ぎで都会に出たことがあったが、田舎育ちの自分には馴染めなかった経験がある」
田舎から都会に出てきて一番最初に驚くのは、その人の多さだと言われています。
また、何かとペースが早い(せせこましい)という点がその次に挙げられており、そのような環境にうまく適応できないことには、出稼ぎでお金を稼ぐのは難しいでしょう。
「出稼ぎ」を英語にすると?
出稼ぎは、英語では“working away from home”と表現します。
“from home”は「出掛ける」ことで、「(他の地域まで)出掛けて稼いでくる」という意味が、日本語の「出稼ぎ」の解釈の通りを表しています。
お金を稼き、戻ってくるからこそ出稼ぎなので、地方から都会に(本格的に住居を移して)就職をするという行為は、これには該当しません。
「出稼ぎ」の類義語や置き換えられる表現
実はこの「出稼ぎ」という言葉は、テレビやラジオ各局で放送禁止用語に指定されている為、それらでこの言葉の意味として使いたい時には、以下の表現に置き換えています。
もちろん普通に使う分には何も問題のない言葉です。
放送禁止用語と呼ばれるものには、この他にもどうしてそれがと思ってしまう言葉も多く含まれているので、そのような業界内でなければ、これについてはそれほど気にする必要はありません。
参考までに、「出戻り」(でもどり)という言葉も、同じく放送禁止用語となっています。
(それだけの意味ではありませんが、離婚をして実家に戻るというイメージが強い言葉だからだと思われます)
- 「季節労働者」【きせつろうどうしゃ】
- 「期間労働者」【きかんろうどうしゃ】
「季節労働者」【きせつろうどうしゃ】
一定の季節だけ地元を離れて出稼ぎに出るというイメージの言葉ですが、実際にはそうでなくても、出稼ぎ行為そのもののとして使われます。
放送禁止用語との絡みで、「出稼ぎ」を無理矢理違う言葉で表現しているもので、一般ではあまり使いません。
「期間労働者」【きかんろうどうしゃ】
この言葉も、上とほとんど同じだと考えてください。
ただし、こちらは公的にも使われる表現なので、覚えておいた方がいいでしょう。
公的な文章でも、今は「出稼ぎ」という言葉は使われません。
出稼ぎは、稼ぐという目的をきちんと達成できないと、単に賃金が高かったり、仕事の多い地域に出ただけになってしまいます。
地方から都会に出てくると、遊ぶ為の場所も多くなるので、そのような誘惑にも注意しないといけません。