「大器晩成」の意味・類語【使い方や例文】
「大器晩成」という四字熟語を見たり聞いたりしたことのある人は多いでしょう。
しかし、この言葉の意味や由来について詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
ここでは、そんな「大器晩成」という四字熟語の意味、由来、使い方のみならず、英語での表現や、類義語など、役に立つ情報をまとめています。
目次
- 「大器晩成」の意味とは?
- 「大器晩成」の語源や由来
- 「大器晩成」の言葉の使い方
- 「大器晩成」を使った例文・短文(解釈)
- 「大器晩成」の英語と解釈
- 「大器晩成」の類語や類義表現の言い換え
- 「大器晩成」の対義語
「大器晩成」の意味とは?
「大器晩成」という四字熟語には、大きな器を完成させるためには時間がかかることから、偉大な人物は大成するのに時間がかかる、偉大な人物は、頭角を現すのが遅くなる、という意味があります。
若いころから作品を描き続けてきた画家が、50代でようやく作品を高く評価されるようになった、というような話を聞くことがあるでしょう。
まさにその人は、「大器晩成」ということになるのです。
- 「大器晩成」の読み方
「大器晩成」の読み方
「大器晩成」は、「たいきばんせい」と読みます。
「大器」を「だいき」と読んで、「だいきばんせい」と間違えやすいので、注意しましょう。
「大器晩成」の語源や由来
「大器晩成」の「大器」には、器量の大きな人、偉大な人という意味があります。
又、「晩成」は、物事が成就するまでには長い時間が必要であるということを意味しています。
大きな器を完成させるためには時間がかかるのと同じように、偉大な人が頭角を現すまでには時間がかかるという意味を持つ「大器晩成」という言葉は、中国の老子が記した「老子道徳経」の41章にある言葉に由来しているといわれています。
「大器晩成」の言葉の使い方
「大器晩成」という四字熟語は、努力しているにもかかわらず、なかなか芽が出ない人や、才能はあるにもかかわらず、なかなか成功できないといった不遇な人を励ます時にも用いられる言葉ですので、使い方には注意したほうが良いでしょう。
又、この言葉は、年齢を重ねてから新しい事にチャレンジし、才能を開花させた人や、成功を手にした人を表す時にも使うことができます。
「大器晩成」を使った例文・短文(解釈)
「大器晩成」という四字熟語の意味や由来、使い方などが分かったところで、次に、「大器晩成」を使った例文を紹介します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「大器晩成したことで知られる日本画家の彼女は、60歳を過ぎた頃、有名な画商の目に留まったのがきっかけで、その作品が世間から高く評価されるようになったのです」
この文章では、日本画家の彼女は、有名な画商の目に留まるまでは不遇な時代を過ごしていましたが、60歳を過ぎてようやく成功し、努力が報われたということを表しています。
例文2
「私の主人は、今は売れない役者ですが、努力家の彼は大器晩成型なのだと信じて、これから先も彼の力になって、応援し続けようと思っています」
この文章では、売れない役者の妻が、夫の努力は必ず実を結び、良い役者になるのだと信じて、これからも応援し続けようとしていることを表しています。
例文3
「主婦だった友人は、50代で始めたヨガにすっかりハマってしまい、今では師として仰がれる存在になっています。
彼女のヨガスタジオは大盛況とのことで、大器晩成した彼女を羨ましく思います」
この文章では、50代でヨガを始めた主婦が、ヨガスタジオを開業し、成功しました。
人生後半になって成功したそんな友人を、羨ましく思っているということを表しています。
「大器晩成」の英語と解釈
「大器晩成」という四字熟語を英訳する場合は、「成熟する、完成する」という意味を持つ「mature」を使い、「Great talents mature late」、「Great talents are slow in maturing」のように表現することができます。
直訳すると、「偉大な才能は、成熟するのが遅い」といった意味合いになります。
又、「大器晩成型の人」を表す時には、「遅咲きの人」といった意味合いの、「a late bloomer」という表現を使うことができます。
「大器晩成」の類語や類義表現の言い換え
「大器晩成」の類語としては、「大才晩成」、「大本晩成」、「遅咲き」といった言葉がよく知られています。
ここでは、これらの類語について、詳しく解説していきます。
- 「大才晩成」
- 「大本晩成」
- 「遅咲き」
「大才晩成」
「大才晩成」は、「たいさいばんせい」と読みます。
「大才」は、大きな才能を意味し、「晩成」は、物事が成就するまでには長い時間が必要であるということを意味しています。
「大才晩成」は、偉大な人が頭角を現すようになるには時間がかかるという意味で使われる四字熟語で、「大器晩成」と同様に、「老子道徳経」の41章にある言葉に由来しているとされています。
「私の兄は、典型的な大才晩成型です」のように使います。
「大本晩成」
「大本晩成」は、「たいほんばんせい」と読みます。
この言葉も、「大器晩成」や「大才晩成」と同様に、偉大な人が頭角を現すようになるには時間がかかるという意味で使われています。
「彼は長いこと下積み生活を続けていますが、きっと大本晩成タイプなのでしょう」のように使います。
「遅咲き」
「遅咲き」は、「おそざき」と読みます。
成功するまでに時間がかかることを意味する言葉で、もともとは、開花時期の遅い花の事を指す言葉でしたが、それが転じて、現在のような使い方をするようになりました。
年齢を重ねてから成功した人や、長い下積み時代を経て有名になった人などのことを表現する時に使われます。
「遅咲きのシンガーとして有名になった知人は、第二の人生を楽しんでいます」のように使います。
「大器晩成」の対義語
「大器晩成」の対義語としては、「栴檀の双葉」という言葉が知られています。
ここでは、この「栴檀の双葉」について詳しく解説しましょう。
「栴檀の双葉」は、「せんだんのふたば」と読み、素晴らしい才能のある人は、小さな子供の頃から素晴らしい才能がある、偉大な人は、子供の頃から優れている、という意味の言葉です。
「栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし)」を略したもので、「栴檀二葉」と書かれることもあります。
「栴檀」というのは白檀のことで、白檀は芽が出たばかりの小さな双葉でも良い香りがすることに由来しています。
「大器晩成」という四字熟語について解説してきました。
頑張っているが結果が出ない、努力しているが成功しない、といった人が身近にいたら、この言葉を使って励ましてみてはいかがでしょう。