「金科玉条」の意味・類語【使い方や例文】
「金科玉条」という四字熟語には馴染みがない、意味が分からないという人が多いのではないでしょうか。
金や玉という漢字が使われていることから、何か貴重なものや大切なものを表す言葉だと推測できますが、いったいどのような意味をもつ言葉なのでしょうか。
ここでは、そんな「金科玉条」という四字熟語について、詳しく解説していきます。
目次
- 「金科玉条」の意味とは?
- 「金科玉条」の語源や由来
- 「金科玉条」の使い方
- 「金科玉条」を使った例文・短文(解釈)
- 「金科玉条」の英語と解釈
- 「金科玉条」の類語や類義語
「金科玉条」の意味とは?
「金科玉条」という四字熟語は、守るべき大切な規則や法律、拠り所となる思想や主義を意味する言葉です。
黄金を意味する「金」と、珠玉を意味する「玉」は、大切なもの、貴重なものの例えで、「科」と「条」は、法律や規則など決め事の条文を指しています。
守るべき大切な規則や法律という意味が転じて、拠り所となる思想や主義を表す言葉としても使われています。
「金科」と「玉条」、どちらにも、大切な法律や規則といった意味合いがあるのです。
- 「金科玉条」の読み方
「金科玉条」の読み方
「金科玉条」は、「きんかぎょくじょう」と読みます。
四字熟語としては難しく感じる言葉ですが、読み方自体はそう難しいものではなく、読み間違いも少ないでしょう。
「金科玉条」の語源や由来
「金科玉条」という四字熟語は、中国の古代の書物である「文選(もんぜん)」に出てくる言葉が語源になっているとされています。
黄金のように大切で、珠玉のように貴重な、守るべき法律という意味を持つこの言葉は、日本には奈良時代に渡って来たと伝えられています。
「金科玉条」の使い方
「金貨玉条」という四字熟語は、破ってはいけない大切な法律や、守らなければいけない重要な規則を指す他に、大切にしている信条や思想、自分に課したルールを指す時にも使えます。
これらは肯定的な使い方になりますが、一方で、「融通が利かない」という意味合いで、皮肉として否定的に使われる場合もありますので、注意が必要です。
「金科玉条」を使った例文・短文(解釈)
「金科玉条」の意味や由来、使い方を説明してきましたので、ここでは、この四字熟語を使った例文を紹介します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
「私には恩師から教えていただいた金科玉条があり、それは、私にとって人生の宝物となっています」
この文章では、「恩師から教えてもらった思想を大切にしてきました」という意味になります。
恩師の教えを大切に守ってきたことで、この人は充実した人生を送っているのでしょう。
その教えに感謝しているということを、宝物という言葉で表しています。
例文2
「新卒で入社したばかりの頃に上司から言われた言葉を金科玉条として、これまで働いてきました」
この文章では、「上司から言われた言葉を大切に守って、これまで働いてきました」
という意味になります。
この人は、社会人になりたての頃に言われた上司の言葉に感銘を受け、それを肝に銘じて仕事に励んできたということになります。
例文3
「長い間、金科玉条としてきたことに疑問を感じるようになりました。
それは、私が成長して、様々な視点から物事を捉えることが出来るようになったということなのでしょう」
この文章では、「長年守ってきたポリシーに疑問を感じるようになりました」という意味になります。
自分の信念に疑問を持つということは、当たり前だと思っていることを疑ってみるということです。
人として成長し、広い視野を持つためには欠かせないことなのです。
「金科玉条」の英語と解釈
「金科玉条」を英語に訳す際には、「黄金律、金言」といった意味を持つ「golden rule」という言葉を使うことができます。
又、「金科玉条とする」と表現する時には、「くっついて離れない」という意味の「stick fast」が使われます。
大切な規則や思想などを絶対に守るということを、大切な規則や思想などにぴったりとくっついて離れないと表現するのです。
「金科玉条」の類語や類義語
「金科玉条」の類語としては、「金科玉律」、「金律金科」、「鉄の掟」が挙げられます。
ここでは、それらの類語について、それぞれ詳しく解説していきます。
- 「金科玉律」【きんかぎょくりつ】
- 「金律金科」【きんりつきんか】
- 「鉄の掟」【てつのおきて】
「金科玉律」【きんかぎょくりつ】
「金科玉律」は、
守るべき大切な法律や規則、思想や主義を指す言葉で、「金科玉条」と同様の使い方をします。
「社員全員が社長の言葉を金科玉律とし、業務にあたっています」、「我が家には、先祖代々受け継がれてきた金科玉律があります」、「結婚して10年が経ちましたが、結婚記念日にはケーキと花束を買って帰ることが、金科玉律となっています。
一度だけ花束を買い忘れたことがありましたが、その時には、妻は1か月以上も口をきいてくれませんでした」のように使います。
「金律金科」【きんりつきんか】
「金律金科」は、守るべき大切な法律や規則、思想や主義を指す言葉です。
この四字熟語も、「金科玉条」と同じ使い方ができる言葉です。
「妻に主導権を握られてしまってからというもの、妻の言うことが全てにおいて金律金科となってしまいました」、「あなたにとっての金律金科は、万人にとっての金律金科ではないのだから、あなたの考えを押し付けるべきではありません」、「私が金律金科としているのは、父からの教えだけです」のように使います。
「鉄の掟」【てつのおきて】
「鉄の掟」は、
「掟」とは、守らなければならないルールや法律を指す言葉で、その「掟」に「鉄の」が付いて、なんとしてでも守るべき決まり事、死守しなくてはならないルールという意味で使われます。
「この会には鉄の掟があり、万が一その掟を破ろうものなら、大変な目に遭うと恐れられています」、「このラーメン屋には、客であっても店内では私語を慎まなくてはいけないという鉄の掟があります」、「ダイエット中には間食をしない・ケーキを食べない・夜7時以降は何も食べないという鉄の掟を、自分に課しています」のように使います。
「金科玉条」という言葉について詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
確固たる信念を持っている人は、それが金科玉条ということになりますので、今後、自己紹介をする機会があれば、この四字熟語を使ってみましょう。