「一言居士」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「一言居士」という言葉を聞いたことがある人は、どれだけいるでしょうか?
日頃から使っている日本語にも、四字熟語というものがありますが、このような言葉をあまり聞き慣れていない人も結構いるのではないかと思います。
しかし、この言葉の意味を理解できると、思わず苦笑いしてしまいそうな言葉なのです。
ここでは、この「一言居士」の意味や使い方などを説明していこうと思います。
目次
- 「一言居士」の意味とは?
- 「一言居士」の読み方
- 「一言居士」の語源
- 「一言居士」の使い方
- 「一言居士」を使った例文や短文・解釈
- 「一言居士」の英語と解釈
- 「一言居士」の類語や類義表現
- 「一言居士」はウザい・面倒だと思われやすい
「一言居士」の意味とは?
「一言居士」という熟語は、「一言」と「居士」から出来ている言葉なのですが、意味としては、「何事によらず必ず何かひとこと言わなければ気のすまない人」ということを指している熟語なのです。
「自分の意見が求められていないような時でも、ともかく何か言わないと気が済まない人」のことです。
実際にこのような人が周りの必ず1人や2人はいるのではないでしょうか?
「一言」は「ひとこと」なのですが、「居士」の方は、在家で仏教に帰依した男子ののことを指しており、男子の死後、戒名の下につける称号でもあります。
これが近代になってから、ある特徴や習慣を持つ人に対して親しみのある意味が込められるようになっていったのです。
しかし、職場でもこのような「うるさ型」とされる「何でも口を出して文句を言いたがる性格の人が必ずいるものですね。
「一言居士」の読み方
「一言居士」は、「いちごんこじ」という読み方になります。
「一言居士」の語源
「一言居士」の語源を調べてみると、まず「一言」はそのまま「ひとこと」となります。
もう1つの「居士」は、元々仏教の言葉なのですが、古代インドにおいて裕福な家の長を意味していた言葉でした。
また、中国では学特が高い一方で仕官しない人のことも指しています。
これが、日本になると出家した僧侶のことではなく、前述の通り在家のままで仏教に帰依する男子を表しており、最終的に男子が死んだ後で戒名の後につけられる称号となっていったわけです。
この「居士」には、「人の心に苦痛や動揺などを与える」や「真相を明らかにしようと追及する」といったような意味合いもあり、「抉(こじ)れる」という言葉をもじって、「一言居士」という言葉となったとされているのです。
「一言居士」の使い方
「一言居士」を使う場面としては、会議の最中でも、何か文句や余計なことを言っている人を指して例えることがあります。
「一言居士」を使った例文や短文・解釈
ここで、この熟語を使ったバメンヲ例文形式で見ていきましょう。
- 「一言居士」の例文1
- 「一言居士」の例文2
- 「一言居士」の例文3
「一言居士」の例文1
「彼は、黙っていなければならないという時でも、一言居士なので同僚から煙たがられているのです」
ともかく何にでも首を突っ込みたくなる人がいますが、言わなくてもいいことを言ってしまうので、嫌われてしまうのですね。
「一言居士」の例文2
「彼は会議の場になると、必ず一言居士になるので、メンバーからうとまれてしまっている」
「彼」は、意見は求められていないのに余計な一言を発してしまうことから、メンバーからうとまれているのですが、場の空気が読めない人なのでしょうか?
余計なことを発言してしまうので、会議が全く違う方法に行ってしまいそうです。
「一言居士」の例文3
「彼女には一言居士な面もあるけれども、決して悪意があるわけではないと思う」
思わず意見を言ったり、不必要な一言が多い性格の女性の人も時々いますが、黙っていると全く印象が変わるはずなので、もったいないことです。
「一言居士」の英語と解釈
「一言居士」を英語で表現するなら、“a person who has something to say on anything and everything”という言い方になりますが、「何で色々なことを言ってくる人」ということですね。
「一言居士」の類語や類義表現
では、「一言居士」に近い意味を持つ類義語としては、どのような言葉があるでしょうか?
- 「一徹短慮」
- 「頑固一徹」
- 「一家言ある人」
「一徹短慮」
「いってつたんりょ」と読む「一徹短慮」の類義語として挙げられますが、意味は「ひとすじに思いこんでよく考えないこと」や「浅い考えながらかたくなに思い込むこと」という内容になります。
「頑固一徹」
「頑固一徹」とは、「非常にかたくなで、一度決めたらあくまでも自分の考えや態度を変えようとしないさま」や「そのような性質」という意味があります。
「一徹」自体に「かたくなに思い込み強情に押し通すこと」と意味があるので、同じ意味の「頑固」と重ねて意味がさらに強調されています。
「早くに妻を亡くして、父は頑固一徹の気質で、世の中のことには、とてもうといのです」
奥さんを亡くしたご主人は、その悲しみのあまりかなり性格が頑固になったことが見えますね。
「一家言ある人」
「一家言ある人」は、「何にでも一言言わないと気が済まない人」という意味があります。
「一言居士」はウザい・面倒だと思われやすい
「一言居士」と言われる人は、確かに周りの人達の感情を逆撫でするような発言をしてしまうので、ウザいと敬遠されてしまいがちです。
しかし、その一言がもし誰も気付かないような核心をついた内容であったりもするので、全て聞き流すことは禁物かもしれません。
「一言居士」の人は、どのところにも居そうな人ですが、彼らの発言が単なる性格から来るものなのか、それとも真剣に物事を考えて言っているのかを見極めることも大事なことかもしれません。