「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の意味・類語【使い方や例文】
今では、ビジネスシーンで日常的に使われている言葉としては、英語が語源となったカタカナ語が多くなっています。
しかし、昔から伝わる中国の思想や偉人達が残した言葉が由来となっていることわざが使われることも少なくありません。
私達がそのようなことわざを意識せずに使う機会も時々あるのではないでしょうか?
その1つに「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ということわざがあります。
この事葉を1、2度は耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、このことわざの意味を理解できると、仕事の場面でも応用することができる奥深い言葉でもあります。
ここでは、この「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」の詳しい意味や使い方を例文などを交えて説明していきたいと思います。
目次
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の意味とは?
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の語源や由来
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の言葉の使い方
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を使った例文・短文(解釈)
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の英語
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の類語
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の意味とは?
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということわざは、年配の社員や上司の方の中でも、かなり古い社歴を持った人が使うことがあるかもしれません。
このことわざの意味は、「相手を征服するには、その相手が頼みとしているものを崩してからでなければ征することはできない」という意味があることわざだからです。
古い昔の社員の人は、昔ながらの仕事の進め方を学んで来ましたが、このことわざには、「大将を倒すには、大将が乗っている馬を射ることができれば、大将そのものをも制することができる」という意味合いも含まれており、今でいう「キーマン攻略法」のエッセンスか含まれている言葉なのです。
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の読み方
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の読み方
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の読み方は、「しょうをいんとほっすればまずうまをいよ」となります。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の語源や由来
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の語源を調べてみると、唐の詩人どあった杜甫という人の詩から読み解くことができます。
この人の詩の「前出塞九首」にある「弓を挽かんとせば当に強きを挽くべし、箭を用いんとせば当に長きを使うべし、人を射んとせば先ず馬を射よ」を語源としています。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の言葉の使い方
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の使い方を考えると、「何か目的を達成しようとするためには、まず周りから固めていく進め方・戦術を取った方が成功の近道である」という場面で使われることが一般的なことだと思われます。
例えば取引先のキーマンにアプローチしたいと思っても、直接話しかけることがとても難しいことがありますし、相手によっては身構えてしまう可能性も否定できません。
このような時には、共通の知人がいないか調べておき、その人を味方につけておくことで、知り合う場面を比較的簡単に作りやすくなることがあります。
また、その知人から自分のことをアピールしてもらうこともできます。
このような時に「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということわざが出てきます。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を使った例文を見ていくことで、どのような場面で活用できるか理解を深めていくことにしましょう。
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文1
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文2
- 「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文3
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文1
「このビジネスで失敗したことは、将を射んと欲すれば先ず馬を射よと言われているとおり、結果を得ることに急いでしまい、周りへの入念な根回しができていなかったことだ」
ビジネスシーンでは、物事を円滑に進めるためには関係者への根回しが必要なことは言うまでもありません。
しかし、あまりにも功を焦り過ぎて、十分な根回しができていなかったことから、このような失敗を招いてしまうことがあります。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文2
「この会議では、将を射んと欲すれば先ず馬を射よとあるように、重役の関心を引き寄せておくことが重要だ」
これもある種の「根回し工作」と言っていいかもしれません。
特に発言力のある重役に対しては、理解をしてもらうことをしておくことで、会議の流れが大きく変わっていくことがよくあります。
このような動きは、慎重且つ大胆に行う必要があるでしょう。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の例文3
「外堀を埋めるという、戦略は将を射んと欲すれば先ず馬を射よという教え同じ意味なので、新規顧客攻略については、この精神を忘れてはならない」
仕事を進める上で、新規顧客開拓で事業拡大を図ることも重要な取り組みの1つです。
その新規開拓の中で、「外堀を埋める」という表現をする人もいれば、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということを強調する人もいますが、言っている内容は同じことです。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の英語
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を英語で表現にすると、“do not shoot straight for the top”、“he that would the daughter win”、“must with the mother first begin”、“if you want to shoot the general”、“first shoot his horse”などがあります。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」の類語
では、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」を他の言葉で言い換えると、どのような類義語があるでしょうか?
- 「将を射んとする者はまず馬を射よ」
- 「人を射んとする者はまず馬を射よ」
- 「外堀を埋める」
「将を射んとする者はまず馬を射よ」
この言葉の意味は、「トップにある人を攻略するなら、まず乗っている馬を射ることだ」という意味になりますので、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」と全く同じ意味になりますが、言い方が異なっているだけです。
「人を射んとする者はまず馬を射よ」
このことわざも「人を射るのであれば、まずは馬を射ることが先決だ」という意味になります。
ここで言う「人」とは、ビジネスで言えば、「キーマン」と理解することができるでしょう。
「外堀を埋める」
「外堀を埋める」は、例文でも説明したことですが、やはり類義語として挙げられる言葉ですが、仕事上での会話では、よく使われる言葉です。
「外堀を埋める」は、「大坂の陣」で使われた戦術で有名ですね。
「将を射んと欲すればまず馬を射よ」ということわざの意味は、言葉の流れを見ていくと何となく理解できる内容ですが、それほどに仕事を進める上で、現代社会でも使える言葉だということが分かると、今も昔も戦略・戦術の立て方・進め方というものは、基本的なことはあまり変わってきいないのかもしれませんね。