「為虎添翼」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「為虎添翼」とは、「強い者に更に力を付け加えること」です。
「為虎添翼」の「意味・読み方・語源や由来・使い方・例文と解釈・英語と解釈・類語や類義語」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「為虎添翼」の意味とは?
- 「為虎添翼」の語源や由来
- 「為虎添翼」の言葉の使い方
- 「為虎添翼」を使った例文や短文(解釈)
- 「為虎添翼」の英語と解釈
- 「為虎添翼」の類語や類義語
「為虎添翼」の意味とは?
「為虎添翼」の意味は、「強い者に更に力を付け加えること」や「元から力のある者が、更に勢いをつけて強くなること」になります。
為虎添翼というのは、古代中国の「韓非子」に出典があり、「元々から強い虎に、更に翼を付け加えること」を意味しています。
初めから強い者が、有利な条件を得たり能力を高めたりして更に強くなることを「為虎添翼」といいます。
例えば、「いつも優勝している大相撲の横綱が、厳しい稽古を付け続けること」などは「為虎添翼」の状態にあると言えるでしょう。
- 「為虎添翼」の読み方
「為虎添翼」の読み方
「為虎添翼」の読み方は、「いこてんよく」になります。
「為虎添翼」の語源や由来
「為虎添翼」の由来は、古代中国の法家思想について記した「韓非子 難勢(かんぴし なんぜい)」が出典になっています。
古代中国の「韓非子」に示された格言である「為虎添翼」の語源は、「虎の為に翼を添える」となり、「虎をより強くするために、空を飛べる翼を付け加えること」になります。
「虎」というのは古代中国では「龍」と並んで、最強の動物の代表とされていたもので、強大なライバルである二人がぶつかり合うことを「龍虎相搏つ(りゅうこあいうつ)」といった言葉で表現していました。
「為虎添翼」の語源は「元から強い虎に、更に翼を付け加えること」にあり、それが転じて「元から強い者が更に勢いを増して強くなること」の意味になったのです。
「為虎添翼」の言葉の使い方
「為虎添翼」の言葉の使い方は、「初めから強い人が、有利な条件や状況を得ることによって、更に強くなったり勢いを増したりしたような場合」に使うというものです。
「為虎添翼」という言葉は、「強者が更に有利な条件を得て強くなっている状況」や「強者が更に勢いを増して怖いものがなくなったような状態」を示すために使用することができるのです。
例えば、「強力なアメリカ軍に多国籍軍の援助が加わったことで、為虎添翼の勢いを強めた」といった文章において、「為虎添翼」の言葉を使うことができます。
「為虎添翼」を使った例文や短文(解釈)
「為虎添翼」を使った例文・短文を紹介して、その意味を解釈します。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
世界最強のサッカーチームといわれるレアルマドリードに、ブラジル代表の若手選手が加わったことで、為虎添翼の快進撃が更に続くことになりそうです。
この例文の「為虎添翼」は、「世界最強のサッカーチームであるレアルマドリードが、強力なブラジル代表の若手を獲得したことで、更に強いチームになったこと」を意味しています。
初めから強いレアルマドリードが、更に有力な選手を得たことで、負け知らずの快進撃が続きそうな予測を立てることができるのです。
例文2
資本主義社会の金融投資は、より多くのマネーを持つお金持ちの人がより多くの利益を出しやすいという為虎添翼の仕組みが強くなっている。
この例文の「為虎添翼」は、「たくさんのお金を持っている人が投資に成功して、更にお金持ちになっていく資本主義・金融投資の仕組み」について指摘するものになっています。
例文3
強力な同盟軍の支援を受けて、自分たちが必ず勝つという為虎添翼の気分が強まった。
この例文の「為虎添翼」は、「元から強い軍隊に強力な同盟軍が加わって、更に負ける可能性のない非常に強い軍隊が結成されたこと」を意味しています。
「為虎添翼」の英語と解釈
「為虎添翼」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“adding wings to a tiger”(為虎添翼の直訳で、虎に翼を付け加えることを意味します。)
“double advantage”(二倍の利益・有利があるという意味で、為虎添翼のニュアンスを伝えられます。)
“decisive advantage”(決定的な利益・有利の意味で、為虎添翼に近い意味合いがあります。)
“That would give us a decisive advantage. ”(それは、鬼に金棒です=私たちに決定的な有利を与えてくれます。)
“That is just the thing for me. That is the very thing for me. ”(それは、鬼に金棒です=私にとって最高に良いもの(条件)です。)
「為虎添翼」の類語や類義語
「為虎添翼」の類語や類義語には、どんなものがあるのでしょうか?「為虎添翼」の類語・類義語について紹介していきます。
- 「為虎傅翼・傅虎為翼」
- 「鬼に金棒・弁慶に薙刀」
- 「獅子に鰭」
- 「竜に翼を得たる如し」
「為虎傅翼・傅虎為翼」
「為虎添翼」の類義語として、「為虎傅翼(いこふよく)・傅虎為翼(ふこいよく)」があります。
「為虎傅翼・傅虎為翼」はどちらも、「元から強い虎が空を飛ぶ翼の助けを借りることで、更に強くなること」を意味しています。
「為虎添翼」と「為虎傅翼・傅虎為翼」はほとんど同じ意味合いを持っているので、類義語として理解することができます。
「鬼に金棒・弁慶に薙刀」
「為虎添翼」の類語として、「鬼に金棒(おににかなぼう)・弁慶に薙刀(べんけいになぎなた)」があります。
「鬼に金棒」は、元から強い鬼が金棒を手にすれば更に強くなるということです。
「弁慶に薙刀」も、元から強い弁慶が薙刀で武装すればますます強くなることを意味しています。
「鬼に金棒・弁慶に薙刀」はどちらも強い者が更に強くなることなので、「為虎添翼」の類語として考えられます。
「獅子に鰭」
「為虎添翼」の類義語として、「獅子に鰭(ししにひれ)」があります。
「獅子に鰭」という言葉の意味は、「ライオン(獅子)のように元々強い者が、有利な条件を得てますます強くなること」を意味しています。
百獣の王であるライオン(獅子)が、魚のような鰭を得て水中でも自由自在に動けるようになれば最強の動物になるということです。
「獅子に鰭」は、虎に翼が加わって更に強くなる「為虎添翼」の類義語として解釈できます。
「竜に翼を得たる如し」
「為虎添翼」の類語・似た言葉として、「竜に翼を得たる如し(りゅうにつばさをえたるごとし)」があります。
「竜に翼を得たる如し」の言葉の意味は、「強力な龍が翼を得たようなもので、強い者が更に強くなること」を意味しています。
「強い虎が翼を得て更に強くなること」を意味する「為虎添翼」に似た言葉として、「竜に翼を得たる如し」が上げられます。
「為虎添翼」という言葉について徹底的に解説しましたが、為虎添翼には「強い者に更に力を付け加えること」や「元から力のある者が、更に勢いをつけて強くなること」などの意味があります。
為虎添翼の類語・似た言葉としては、「為虎傅翼・傅虎為翼」「鬼に金棒・弁慶に薙刀」「獅子に鰭」「竜に翼を得たる如し」などがあります。
「為虎添翼」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。