「万夫不当」の意味とは!類語など詳しく解釈
日本には色々な四字熟語がありますが、「万夫不当」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉を知っている人は、かなり言葉の勉強をされている人でしょう。
日常生活はおろか、ビジネスシーンでも、まず使われることのない言葉です。
そこで今回は、この「万夫不当」にフォーカスしていくことにします。
目次
- 「万夫不当」とは?
- 「万夫不当」の表現の使い方
- 「万夫不当」の語源
- 「万夫不当」の類語や類義語
「万夫不当」とは?
「万夫不当」は「万の数ほど多くの人」や「無数の屈強な男達」を意味する「万夫」と、「敵わない」、「相手にならない」という意味を持つ「不当」の2つの言葉から構成されており、「無数の屈強な男でもとても敵わない」という意味になります。
- 「万夫不当」の読み方
「万夫不当」の読み方
「万夫不当」は「ばんぷふとう」という読み方になりますが、めったに使われることのない四字熟語なので、ここでしっかりとチェックして覚えておくようにしましょう。
「万夫不当」の表現の使い方
「万夫不当」は「どんなに強い人でも、敵わない」という意味があるので、戦場で多くの敵を相手に一歩も引かず戦い抜くことができるような人を指して使うことになります。
「万夫不当」の語源
「万夫不当」という四文字熟語の由来を見ると、昔の中国の唐の時代の詩人である李白の詩に語源を見ることができます。
李白は自身の詩の中で、「一夫當關万夫莫開」=「一夫関に当たれば万夫も開くなし」という文を使っています。
ここから「万夫不当」という四字熟語が形成されていったと考えられています。
「万夫不当」の類語や類義語
「万夫不当」を他の言葉で言い換えるとするなら、どのような言葉があるかを見ていくことにします。
- 「一騎当千」【いっきとうせん】
- 「一人当千」【いちにん-とうせん】
「一騎当千」【いっきとうせん】
「一騎当千」という言葉が、「万夫不当」の類義語として挙げることができます。
ここでの「騎」は、馬にまたがる人な兵士」のことを指しており、「当千」は「千人に匹敵する」という意味になります。
このことから「一騎当千」 は、「一人の兵士が千人の兵に匹敵する」という意味から転じて、「一人で千人の敵を相手にできる抜群の能力を持った武将」ということを表しています。
「一人当千」【いちにん-とうせん】
「一人当千」という四字熟語もあります。
「一人の武将が千人の敵に値する」という意味で、その勇猛さの表現はとても強烈なインパクトがあります。
前の「一騎当千」、「一人当千」も、今のように、鉄砲や大砲といったような兵器が使われていた時代ではなく、さらに古い時代で肉弾戦を行っていた頃のことです。
そのような時代で、豪傑と言うか、英雄が率いた軍隊が敵軍を威圧しながら、兵士の士気を高めると同時に、敵の士気を失わせる重要な役割も果たしていたのです。
「万夫不当」という言葉の意味や類義語を見てきましたが、今のような現代社会ではあまり使われることのない熟語です。
しかし、このような言葉を知っておくことで、古い文献を読んだり、詩に触れる時にもしかすると役立つことがあるかもしれません。