「大同小異」の意味・読み方・英語【使い方や例文】
大同小異という四字熟語は、意味を覚えておいて損はない言葉で、日常生活中でもよく使われます。
目次
- 「大同小異」の意味とは?
- 「大同小異」を分解して解釈
- 「大同小異」の類義語
- 「同工異曲」を違う意味で使っている例文と解釈
- 「大同小異」を使った例文と解釈
- 「大同小異」を英語にすると?
「大同小異」の意味とは?
大同小異とは、「小さな部分で違いはあるものの、大部分は同じ」という意味で使う言葉です。
主に、同じカテゴリーの内での比較時に使われ、特に悪い意味を持っている言葉という訳ではありませんが、そのニュアンスが入ることが多いという特徴があります。
「大部分は一緒」という意味になるので、四字熟語としては比較的使いやすいと言っていいでしょう。
完全に同じではなく、「多少は違う」ということを一緒に表現できるので、例えば、「この2つは多少違う所はあるけど、概ね一緒だね」と言いたいところを、この言葉を使えば、「この2つは大同小異だね」だけで済んでしまいます。
その為、使う場面によってはとても便利な言葉だと言えるでしょう。
- 「大同小異」の読み方
「大同小異」の読み方
「大同小異」は、「だいどうしょうい」と発音します。
全ての漢字を音読みすればいいだけなので、特に難しいことはなく、誰でも一度聞けば覚えられるでしょう。
先にも挙げたこの言葉の意味の、「小さな部分で違いはあるものの〜」からすると、「小異」の方が先にきてもおかしくありませんが、そこは、「大部分は一緒、しかし、小さな部分で違いがある」と考えることで、ちょうど「大同」の方が先にくるので、そのように解釈してください。
「大同小異」を分解して解釈
大同小異を2つに分解して、更に詳しくこの言葉を解説していきます。
意味となる解釈から、間違えた漢字が使われることもあるので、それについての注意も合わせて記載します。
- 「大同」【だいどう】
- 「小異」【しょうい】
「大同」【だいどう】
この「大同」は、「大部分では同じ」をそのまま縮めたものと考えることができます。
この言葉だけだと、どこかの会社名のようにも見えてしまいますが、もちろんそのような会社との関係は何もありません。
(大同薬品が有名ですが、単に同じ漢字を使っているだけです。社名の由来も違います)
「小異」【しょうい】
こちらの「小異」が間違った漢字が使われることが多いので、注意が必要になります。
「小さな部分では違いがある」という意味なので、「小違」と書いてしまうことがあるからです
この「小違」でも「しょうい」と読めてしまうので、「だいどうしょうい」と口語で覚えている場合に、漢字では「大同小違」だと思っている人も少なくないでしょう。
しかし、これは誤りなので、正しく「小異」と覚えましょう。
意味から、「小さな異なりがある」と覚えてしまうと、間違えることはないでしょう。
「大同小異」の類義語
「大同小異」と同じような意味をもつ四字熟語に、「同工異曲」があります。
「どうこういきょく」と発音し、「見た目こそ異なるものの、中身は大体一緒」だという意味で使う言葉で、「大同小異」とよく似た意味となっています。
しかし、この言葉の由来は、「同じ工芸品(楽器)を使って演奏しても、演奏者によって異なる曲(音色)になる」ことからです。
「大同小異」と見た目が似ていることから、混同されることが多く、その為に同じような意味でも使われるようになった(諸説あります)と言われています。
その由来から、現在でも「同じ手法や材料でも、作る(行う)人によって違うものができる」という意味で解釈することもあり、2つの異なった意味をもつ四字熟語となっている点に注目です。
「同工異曲」を違う意味で使っている例文と解釈
上記のように、同工異曲は2つの意味で使われる言葉です。
そこで、どのような使われ方がどちらの意味なのかを見ていきます。
- 「名前は違うけど内容は同工異曲だよ」
- 「あんな古ぼけた楽器でこんなにいい音を出せるなんて、同工異曲とは言ったものだ」
「名前は違うけど内容は同工異曲だよ」
こちらの使い方は、大同小異と類義語としての意味になります。
「ほとんど一緒」、「大して変わりがない」という意味で使いたい時には、「大同小異」、「同工異曲」のどちらを使っても大差はありません。
「あんな古ぼけた楽器でこんなにいい音を出せるなんて、同工異曲とは言ったものだ」
この例文では、言葉の由来通りの「同じ道具でも使う人によって結果が異なる」といった意味で使っています。
現在ではどちらが正しい使い方ということはありませんが、漢字そのものや由来から考えると、こちらの方が本来なのかも知れません。
「大同小異」を使った例文と解釈
大同小異は、その意味から、日常生活中でも使いやすい四字熟語です。
よって、色々な例文が挙げられます。
そのようなことを表現するシチュエーションは、実社会において結構多いと言えるからです。
- 「確かにいい温泉だけど、この前に行った所と大同小異かな」
- 「日本車は、どんな車に乗っても大同小異だよ」
「確かにいい温泉だけど、この前に行った所と大同小異かな」
大同小異は、こういった使い方が多い言葉だと言っていいでしょう。
「あまり変わらない」ということを簡単に言いたい時には一番便利な表現だと言えるでしょう。
ただし、相手が盛んに勧めてきたような対象に使ってしまうと、がっかりさせてしまうかも知れないので、使い方にはある程度の注意が必要になります。
「日本車は、どんな車に乗っても大同小異だよ」
これは、実際にもよく言われていることです。
しかし、近年では世界のスーパーカーに匹敵するような性能の車もいくつか登場しているのも確かです。
前述のように、大同小異という言葉は、特に悪い意味は含んでいませんが、この2つの例のような使い方をすると、多少なりともそのニュアンスが入ってしまうので覚えておきましょう。
「ほとんど変わりがない」という解釈は、どうしても悪い方に使ってしまいがちだということです。
「大同小異」を英語にすると?
「大同小異」は英語では、“nearly alike”となります。
そのまま、「大同小異」を表す熟語表現だと捉えて構いません。
“much alike to〜”という表現も、同じように使うことができます。
「〜」に自分の目的格の“me”を入れて使うと、「自分(の考え方)とほとんど変わりがない」という意味になります。
いかにも口語的な表現の為、会話中ではこちらの方をよく聞きます。
大同小異は、「細かい違いはあるが、大体は同じ」だという意味を簡単に表現できる四字熟語です。
表現も「〜だ」と使えばいいだけなので、とても実用的な言葉だと言うことができます。