「悪鬼羅刹」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「悪鬼羅刹」とは、「人間に危害を加えたり災厄をもたらしたりする化け物・怪物のことやそのたとえ」です。
「悪鬼羅刹」の「意味・読み方・分解した解釈・使い方・例文と解釈・英語と解釈・類語や似た言葉」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「悪鬼羅刹」の意味とは?
- 「悪鬼羅刹」を分解して解釈
- 「悪鬼羅刹」の言葉の使い方
- 「悪鬼羅刹」を使った例文や短文(解釈)
- 「悪鬼羅刹」の英語と解釈
- 「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉
- 「悪鬼羅刹」を使った言葉と意味を解釈
「悪鬼羅刹」の意味とは?
「悪鬼羅刹」の意味は、「人間に危害を加えたり災厄をもたらしたりする化け物・怪物のこと」や「人間に悪意を持って危害を加えることのある恐ろしい魔物・怪物のたとえ」になります。
「悪鬼羅刹」というのは、近代科学や現代の常識からは信じることの難しい「人間に害を及ぼす恐ろしい鬼・化け物・怪物」のことを意味しています。
そのため、「超常現象・神秘的な出来事・残酷過ぎる事件」などが起こった時に、「悪鬼羅刹」の存在・仕業(しわざ)を前提にすることがあるのです。
例えば、「悪鬼羅刹の所業としか思えない残忍な殺害手段」や「悪鬼羅刹のような凄まじい攻撃力」などの文章で、悪鬼羅刹を用いることができます。
- 「悪鬼羅刹」の読み方
「悪鬼羅刹」の読み方
「悪鬼羅刹」の読み方は、「あっきらせつ」になります。
「悪鬼羅刹」を分解して解釈
「悪鬼羅刹」の言葉を「悪鬼」と「羅刹」に分解して、その意味を解釈していきます。
- 「悪鬼」
- 「羅刹」
「悪鬼」
「悪鬼(あっき)」の言葉の意味は、「悪の意思・意図を持った鬼(おに)」や「人間に危害・恐怖を与えるとされている化け物一般(怪物一般)」のことになります。
科学主義の現代社会では実際には実在していないとされる「悪鬼」ですが、近代以前の迷信・神話・昔話が有効に機能している社会では、「悪鬼の存在」が前提になった教訓や考え方も多かったのです。
「羅刹」
「羅刹(らせつ)」の言葉の意味は、元々は仏教の教義・説話の世界観に登場する「鬼神・悪鬼の総称」でした。
「羅刹」はサンスクリット語のraksasa(ラークシャサ)を音写して漢字で表記したものなのです。
仏教説話における「羅刹」というのは、「怪力で足がとても速く、食糧として人間を食うといわれている恐ろしい悪鬼」のことを意味しています。
その後、仏教の教義・説話の中で「羅刹」は、悪鬼・鬼神の位置づけから守護神「羅刹天」の位置づけに変わっていきましたが、「悪鬼羅刹」の四字熟語では「悪鬼」も「羅刹」も共に「人間に危害を加える恐ろしい化け物・怪物」として解釈されます。
「悪鬼羅刹」の言葉の使い方
「悪鬼羅刹」の言葉の使い方は、「悪意を持った恐ろしい化け物・怪物が関与したとしか思えないような現象・被害・出来事」などがあった時に使うというものになります。
例えば、「悪鬼羅刹が犯したとしか思えない残酷さを極めた殺人事件」などの使い方をすることができます。
「悪鬼羅刹」という言葉は、「人間の腕力・能力を遥かに超えた途轍もない力が発揮された時」にも使われることがあるので、必ずしも「人間に危害・災厄が加えられる悪い現象や出来事」だけに使われる言葉ではありません。
例えば、「悪鬼羅刹のようなその武将の戦いぶりで窮地を切り抜けた」などの使い方ができるのです。
「悪鬼羅刹」を使った例文や短文(解釈)
「悪鬼羅刹」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
悪鬼羅刹の所業としか思えない冷酷無情な連続殺人事件が、この地域で立て続けに発生した。
この例文における「悪鬼羅刹」は、「あまりに残酷・冷酷な連続殺人事件の犯人」のことを「人間としての心・優しさを持っていない化け物・怪物(悪鬼)」に喩えているのです。
人としての良心や罪悪感がないからこそ、悪鬼羅刹のような恐ろしい殺人を続けられるのです。
例文2
都市のすべてを根こそぎ破壊して大勢の人命まで奪い取ってしまう大地震・大津波は、無力な人の立場からすれば、正に悪鬼羅刹が引き起こす自然現象のようにも思えてくる。
この例文における「悪鬼羅刹」は、「街を破壊して大勢の人々の生命を奪ってしまう大地震・大津波」を「人間に危害・災厄を加える恐ろしい化け物・魔物」に喩えているのです。
例文3
武蔵坊弁慶は源義経の絶体絶命のピンチを救うために、悪鬼羅刹と見紛うような獅子奮迅の驚異的な戦いぶりを見せて、立ち向かう敵を恐れ戦かせた(おののかせた)。
この例文における「悪鬼羅刹」は、「人間の武力とは思えないほどの武蔵坊弁慶の驚異的な戦闘力・腕っ節のこと」を意味しています。
弁慶の薙刀(なぎなた)に薙ぎ倒された敵たちは、弁慶をまるで悪鬼羅刹の如く恐れたのです。
「悪鬼羅刹」の英語と解釈
「悪鬼羅刹」の英語とその意味の解釈は、以下のようになります。
“fiends and cannibals”(悪鬼と人を食べる化け物のことで、悪鬼羅刹のことを意味しています。)
“When he got angry, he might be seen a fiend and cannibal. ”(彼が怒った時は、悪鬼羅刹のように見えた。)
“man-eating fiend”(人を食べる悪鬼のことで、悪鬼羅刹のことを意味しています。)
“I fought against the terrible enemy like man-eating fiend. ”(私は恐ろしい敵と、悪鬼羅刹のようにして戦った。)
“devil”(デビルは一般に悪魔の意味ですが、人間に危害を加える悪鬼羅刹と同等の意味で使えます。)
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「魑魅魍魎」
- 「妖怪変化」
- 「怪力乱神」
- 「異類異形」
「魑魅魍魎」
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉として、「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」があります。
「魑魅魍魎」という言葉の意味は、「人に悪事をする化け物のこと」や「私利私欲を満たすために犯罪・悪事を働く人たちのたとえ」になります。
「魑魅魍魎」の「魑魅(ちみ)」とは「山林の精気から生じる化け物」であり、「魍魎(もうりょう)」とは「山川・木石などの自然の精気から生じる化け物」のことを意味しています。
「妖怪変化」
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉として、「妖怪変化(ようかいへんげ)」があります。
「妖怪変化」という言葉の意味は、「人知を超えた能力・姿を持っている怪しくて恐ろしい化け物のこと」になります。
「妖怪」というのは、昔話や民話、怪談話などに残されている「異形・異能の化け物」のことであり、「塗り壁・子泣き爺・砂かけ婆」などがよく知られています。
「変化」も「姿を変える化け物」を意味しています。
「怪力乱神」
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉として、「怪力乱神(かいりきらんしん・かいりょくらんしん)」があります。
「怪力乱神」という言葉の意味は、「人間の理性・知識では説明することができない不思議な現象・影響・怪物」のことを意味しています。
「怪力乱神」の出典は「論語」で、「怪力」とは「尋常ではない不思議な力」を示し、「乱」とは「平穏な秩序を乱すこと」、「神」とは「人知で計り知れない現象・存在」を意味しています。
「異類異形」
「悪鬼羅刹」の類語(類義語)・似た言葉として、「異類異形(いるいいぎょう)」があります。
「異類異形」という言葉の意味は、「姿・かたちが普通ではない化け物や怪物」になります。
人間に危害を加える化け物を意味する「悪鬼羅刹」の類語として、似た意味を持っている「異類異形」を指摘することができるでしょう。
「悪鬼羅刹」を使った言葉と意味を解釈
「悪鬼羅刹」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「悪鬼羅刹の仕業」
- 「悪鬼羅刹の伝承」
「悪鬼羅刹の仕業」
「悪鬼羅刹の仕業(しわざ)」というのは、「人間の能力・心理からは想定することができないような恐ろしい行動の結果」や「人間がやったこととは思えない凄まじい行動の結果」を意味しています。
例えば、たった一人で五人以上の相手を打ち倒してしまうような恐ろしい腕力を発揮したような時、あるいは信じられない残酷な犯罪事件が起こったような時に、「悪鬼羅刹の仕業」という言葉が使われるのです。
「悪鬼羅刹の伝承」
「悪鬼羅刹の伝承(でんしょう)」というのは、まだ科学的な世界観や客観的な知識が広まっていなかった昔の時代に語り伝えられていた、「恐ろしい化け物・怪物・鬼神にまつわる口承(こうしょう)の物語」を意味しています。
「悪鬼羅刹の伝承」というのは、昔話や怪談話、地域の説話・伝承などの形で語り継がれてきている「人間に危害を加えたり災厄をもたらしたりする恐ろしい化け物・怪物についての物語や昔話」のことなのです。
「悪鬼羅刹」という言葉について徹底的に解説しましたが、悪鬼羅刹には「人間に危害を加えたり災厄をもたらしたりする化け物・怪物のこと」などの意味があります。
悪鬼羅刹の類語・言い換え・似た言葉としては、「魑魅魍魎」「妖怪変化」「怪力乱神」「異類異形」などがあります。
「悪鬼羅刹」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。