「判然としない」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
仕事をしている中、打ち合わせをしていると、お互いの主張がぶつかり議論が白熱することは珍しくはありません。
しかし、このような議論の末に、お互いの理解が深まり、いいパートナーシップを構築することができます。
その中には、口が達者な人が相手の場合に一方的に話されて、言い負かされることもあります。
後で、その会話の内容を振り返ってみると、何を言っていたのか全く思い出せなかったといったようなことがないでしょうか?
このような時に出てくる言葉が、「判然としない」というものかもしれません。
口が達者な相手だけに理路整然とした話し方ではなく、単なる勢いだけの話だけだったということがあります。
目次
- 「判然としない」の意味とは?
- 「判然としない」と「釈然としない」の使い分け
- 「判然としない」の言葉の使い方
- 「判然としない」を使った例文・短文(解釈)
- 「判然としない」の英語
- 「判然としない」の似た意味・類語や言い換え
「判然としない」の意味とは?
「判然としない」という言葉は「はっきりと理解することができない」、あるいは「判明でない」というような意味があります。
「はっきりと理解できない」ので、会議や商談という人とのコミュニケーションの中で、このような人が話相手だと、非常にやりづらくなってくることになります。
- 「判然としない」の読み方
「判然としない」の読み方
「判然としない」は、「はんぜんとしない」という読み方になります。
「判然としない」と「釈然としない」の使い分け
「判然としない」と似たような言葉の1つに「釈然としない」という表現があります。
「あいつの言っていることは、何となく釈然としないんだよな」と、「あいつ」タイプの人の話を聞いていると、何となく理解したつもりでも、どこか頭の中で、何かが引っかかるような経験をしたことがないでしょうか?
しかし、この2つの言葉には、微妙ない意味の相違があります。
「判然としない」を解釈すると、「話が良くわからない」という意味で理解することができますが、「釈然としない」とは、「話は分かるが納得できない」といったような意味合いになります。
「話の内容は理解できるが、気持ちが追い付かない」という受け止め方もできるでしょう。
「判然としない」の言葉の使い方
「判然としない」の言葉を使う場面は、人との交渉や折衝、商談、談話などの後でその人に対する印象を述べる時に使われることがあります。
特にビジネスの場面では、商談を進める営業マンは、顧客との折衝が日常茶飯事ですが、「判然としない」という経験を持つ人が結構多いのではないでしょうか?
「判然としない」を使った例文・短文(解釈)
では、ここで「判然としない」を使った例文を見ていき、具体的な場面を想像してみてください。
- 「判然としない」の例文1
- 「判然としない」の例文2
- 「判然としない」の例文3
「判然としない」の例文1
「あの営業マンは何を言っているのかは判然としないものの、売り気満々であることは間違いない」
営業マンにも色々なタイプの人がいますが、このセリフの中で出てくる営業マンは、信頼することができないタイプかもしれませんので、下手をすると、詐欺的な営業マンの危険性があるでしょう。
信頼できる営業マンとは、相手の悩みを理解して、顧客が納得できるようなプレゼンをするものです。
未熟な営業マンほど、自分で何を言っているのかさえ分からないひどい人間もいます。
「判然としない」の例文2
「どこまで本気か判然としないが、そういって彼女を軽い気持ちで口説いていた彼でした」
常に女性を口説くことを趣味としている人は、ある意味、薄っぺらなことしか言わないものです。
真剣に女性に好意を寄せているなら、自然と気持ちが伝わってくるものです。
しかし、このようなタイプの人の会話には、全く重みがなく軽いだけの表面的な会話だけの場合がほとんどです。
「判然としない」の例文3
「鍵を開けたかどうかが判然としないが、ドアの開く音は確かに聞こえた」
静かな夜の空気の中で、ドアは開く音が聞こえたかのように思えたのですが、果たして鍵は開いたのでしょうか?
この文章は小説の一節の中で出てきそうな描写ですが、このような場合でも使われる言葉です。
「判然としない」の英語
「判然としない」を英語にすると、“unknown”や“foundation”となるでしょう。
「判然としない」の似た意味・類語や言い換え
では、「判然としない」と似た意味を持つ類語には、どのような言葉があるでしょうか?
- 「ゴールが見えない」
- 「見通しが立たない」
- 「海のものとも山のものとも判断しかねる」
「ゴールが見えない」
「ゴールが見えない」という言葉は「判然としない」の類義語として挙げることができますが、「この先どうなるかが分からないさま」という意味があります。
「ゴールが見えない」という表現は、プライベートな会話やビジネスシーンの中でもよく使われる言葉でしょう。
「ゴールの見えない試合に、チーム全員が精神的に疲弊しているのだ」
「大学受験は、まだ半年先なので、ゴールが見えない心境です」
このような使い方がありますが、人はゴールが見えない出来事を目の当たりにすると、どうしても気持ちが落ち込んでしまうものです。
このような時は、ゴールを見えるようにするように努力するか、見えるまで忍耐強く待つしかありません。
「見通しが立たない」
「見通しが立たない」とは、「今後どのようになるかの予測ができないこと」を指す表現ですが、「目処が立たない」と言い換えることもできます。
「予測不可能な出来事」は、仕事をしていると、時折出てくることがありますが、どのような対策を打てばいいのか全く見当がつかない状態でもあるでしょう。
このような時も、見通しを付けるまで、粘り強く継続することが大切です。
「海のものとも山のものとも判断しかねる」
「海とも山とも知れず」とも表現できる言葉ですが、「物事の正体や本質がつかめずに将来どのようになっていくか見当のつかないこと」という意味があります。
「まだ経験が浅くて、得体がつかめないこと」という理解もできるでしょう。
このような状況は、私達の生活や仕事の中であることですが、このような時は、冷静沈着に対処していくしかありませんね。
「判然としない」という事象は、多かれ少なかれ幾度は経験することではないでしょうか?
しかし、このような場面に出くわした時は、慌てず落ち着いて冷静に行動することが必要です。
現代は予測不可能なことが数多く発生していますが、その中で「判然としない」ということが増えているような気がします。
あまりにも時間の流れが速く感じられ色々な因果関係が複雑に絡んでいることで、余計に物事の成り行きがややこしくなっているのかもしれません。