「恩義に報いる」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
「恩義に報いる」という言葉について、その意味や読み方をはじめ、使い方、英語での表現のしかた、似た意味の言葉などを詳しく解説します。
理解を深めて、正しく使えるようになりましょう。
目次
- 「恩義に報いる」の意味とは?
- 「恩義に報いる」を分解して解釈
- 「恩義に報いる」の言葉の使い方
- 「恩義に報いる」を使った例文・短文(解釈)
- 「恩義に報いる」の英語
- 「恩義に報いる」の似た意味・類語や言い換え
「恩義に報いる」の意味とは?
「恩義に報いる」は、良くしてもらったことのある相手のためになることをする、恩返しをする、返礼する、義理を果たす、といった意味を持つ言葉です。
過去に助けてもらったり、協力してもらったり、贈り物をいただいたりした相手のために、何かをしたり、何かを贈ったりすることなどが挙げられます。
自分が困っているときに助け船を出してくれた相手が悩んでいたら、今度は自分が助け船を出す、というのが、恩義に報いるということになります。
又、いつも贈り物をしてくれる相手に返礼品を贈るというのも、恩義に報いるということになるでしょう。
- 「恩義に報いる」の読み方
「恩義に報いる」の読み方
「恩義に報いる」は、「おんぎにむくいる」と読みます。
同様の意味を持つ言葉に「恩に報いる(おんにむくいる)」、「旧恩に報いる(きゅうおんにむくいる)」、「報恩する(ほうおんする)」などもあります。
「恩義に報いる」を分解して解釈
「恩義に報いる」を「恩義」と「報いる」に分けて、それぞれの言葉を解説します。
1つの言葉を分解して掘り下げることで、より一層理解しやすくなるものです。
- 「恩義」
- 「報いる」
「恩義」
相手から恩を受けたと思う事を意味する言葉です。
相手のお陰で助けられた、恵まれたなど、有難い事だと捉えた物事を指します。
両親には何不自由なく育てられた(両親に恩義を感じている)。
ライバルがいたお陰で、オリンピックで金メダルを獲れた(ライバルに恩義を感じている)。
社交的な親友のお陰で夫と出会えた(親友に恩義を感じている)。
などが挙げられます。
「報いる」
自分が相手にしてもらった事に対して、それに見合う事を相手にする、という意味の言葉です。
努力に報いる、同情に報いる、労に報いる、旧恩に報いる、大恩に報いる、のように使われます。
又、「一矢報いる」という言葉に代表されるように、この「報いる」には、仕返しをする、という意味もあります。
「恩義に報いる」の言葉の使い方
「恩義に報いる」の使い方としては、「○○の恩義に報いるために〜」、「○○の恩義に報いる手段として〜」、「その恩義に報いることが〜」、「○○から受けた恩義に報いる気持ちが〜」などがあります。
恩を受けた相手に感謝をして、相手のために何かをしようという場合に使われる言葉です。
逆に、恩を受けた相手に不義理をすることは「恩を仇で返す」という言葉が使われます。
「恩義に報いる」を使った例文・短文(解釈)
この「恩義に報いる」という言葉は、日常の砕けた会話に登場することはほとんどないでしょう。
では、どのような文章で使ったら良いのか、例文をいくつか挙げてみましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
かつて私がまだ駆け出しの女優だった頃、仕事はほとんどなく、衣食住にも困るような困窮した状態でした。
しかし、劇団の大先輩に公私共に助けていただいて、なんとか女優を諦めずに続けることができました。
私が女優として成長することが、大先輩から受けた恩義に報いることであると信じて、今日まで努力をしてきました。
例文2
私が銀行のATMに置き忘れたキャッシュカードを持って、見ず知らずの男性が私を追いかけてきてくれました。
お礼をしたいと申し上げると、その紳士は「恩義に報いたいと思うその気持ちを有難く受け取りました」
と言って、その場を立ち去って行きました。
例文3
なんの取り柄もない自分を拾ってくれた今の会社の社長には、感謝の気持ちしかありません。
その恩義に報いるために、会社の業績が上がるよう、人一倍の努力をして、がむしゃらに働いています。
社長はそんな自分にいつも労いの言葉をかけて下さるので、一層の努力をしなければという気持ちになります。
「恩義に報いる」の英語
「恩義に報いる」を英訳する際には、repay one's favoursや、requite one's favoursが使われます。
favourは「親切」という意味がある単語です。
又、obligationという単語にも、恩義という意味があります。
「恩義に報いる」の似た意味・類語や言い換え
「恩義に報いる」に似た意味を持つ言葉には、「義理を果たす」、「恩返しをする」、「義理を立てる」などがあります。
それぞれの言葉にどのような意味があるのか、詳しく説明していきます。
- 「義理を果たす」【ぎりをはたす】
- 「恩返しをする」【おんがえしをする】
- 「義理を立てる」【ぎりをたてる】
「義理を果たす」【ぎりをはたす】
「義理を果たす」には、恩を返す、情けに報いる、返礼する、恩に報いるなどの意味があります。
「義理」というのは、対人関係や社会関係において、他人に対して道義として報いたり務めたりするべきことを指します。
義理をわきまえる、義理が悪いなどと使われます。
又、「義理」には、つきあい上しかたなしにする行為という意味もあり、「義理チョコ」などが分かりやすい例でしょう。
そして「義理」には、血のつながりのない親族関係という意味もあります。
「義理の両親」などという使い方をします。
「恩返しをする」【おんがえしをする】
「恩返しをする」という言葉には、返礼する、自分が受けた恩に報いる、恩を受けた相手に感謝してそれに見合った行為をして返す、という意味があります。
日本の民話では、鶴の恩返しをはじめ、浦島太郎、舌切り雀、傘地蔵など、恩返しにまつわる有名な話が沢山あります。
「義理を立てる」【ぎりをたてる】
「義理を立てる」には、「恩義に報いる」と同様に、恩に報いる、恩を返す、務めを果たす、情けに応える、返礼するといった意味があり、相手から受けた恩義などに対して、それに見合うことをする。という行為を指します。
「義理立てする」という使い方もします。
「恩義に報いる」の意味、読み方、使い方、英語での表現のしかた、類義語などを解説してきました。
この言葉は、人から受けた恩に感謝をしてお礼をするという、心の豊かさを感じさせる言葉です。
感謝の気持ちが持てるからこそ、恩義に報いることができるのでしょう。