「雪辱を期す」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
人はどのような気持ちを持って、毎日を過ごしているでしょうか?
日々、精進することで自分を高めようとしている人もいれば、のんびりと過ごしている人もいることでしょう。
仕事をしている人であれば、年間・月間・週間単位のスケジュール管理を行いながら、日々を過ごしていることと思いますが、中には心に強い思いを抱いて生活している人も少なくありません。
そのような人の心の中には、「雪辱を期す」という念を持っている人もいるのです。
この「雪辱を期す」という言葉はある種の心理的な表現している言葉でもあるのですが、これは身近なところで耳にするのは、試合などの勝負に負けた人が、次なる目標を持っている場合です。
では、この言葉には、どのような意味があり、どんな場面で使われるのかを説明していくことにします。
目次
- 「雪辱を期す」の意味とは?
- 「雪辱を期す」を分解して解釈
- 「雪辱を期す」の使い方
- 「雪辱を期す」を使った例文・短文(解釈)
- 「雪辱を期す」の英語
- 「雪辱を期す」の類語や言い換え
「雪辱を期す」の意味とは?
「雪辱を期す」という言葉は、「負けた悔しさを次は見返すために勝とうと決意すること」という意味があります。
日常の生活や仕事の場面でも、時々、耳にすることがありますが、特にスポーツをしている人に対して使われることがあります。
スポーツだと、プロ野球やサッカーなどのジャンルにおいて用いられることが多いので、テレビのスポーツニュースや、インターネットのスポーツ記事で見ることもあります。
- 「雪辱を期す」の読み方
「雪辱を期す」の読み方
「雪辱を期す」の読み方は、「せつじょくをきす」となりますが、「雪辱」は中々難しい読み方になりますので、ここでチェックしておいてください。
「雪辱を期す」を分解して解釈
では、ここからは、「雪辱を期す」を「雪辱」と「期す」の2つの言葉に分けてそれぞれの言葉の意味を見ていくことにしましょう。
- 「雪辱」
- 「期す」
「雪辱」
「雪辱」とは、「恥をそそぐこと」特に「勝負などに負けて受けた恥を次に勝つことによってそそぐこと」という意味になります。
「雪」には「洗い清める」や「浄化する」という意味で、「辱」は「体裁を傷つけうなだれた気持ちにさせる」という意味があります。
しかも、「辱」は単なる「恥」ではなく、「恥をかかせる」しかも「ひどく恥ずかしい思いをさせること」という意味合いも含んでいます。
この2つも漢字の意味から「雪辱」は「恥や汚名をそそぐこと」という解釈になったのです。
「期す」
「期す」は、「期(き)する」の「サ変の五段化」の形態で「将来に期す」というような活用法になり、意味は「前もって期限や時刻を定める」の他に「期待する」、「心に誓う」、「約束する」という意味があり、「必勝を期する」、「再会を期する」という使い方がされています。
「雪辱を期す」の使い方
「雪辱を期す」の使い方を考えてみると、活用されるシーンは、分かりやすい場面では、先述のようなスポーツで負けらくやしさを跳ね返すそように次の試合での勝利を願って頑張る時に使われることになります。
「雪辱を期す」を使った例文・短文(解釈)
では、ここから「雪辱を期す」を使った例文を見ていくことで、具体的な活用場面を理解して頂ければと思います。
- 「雪辱を期す」の例文1
- 「雪辱を期す」の例文2
- 「雪辱を期す」の例文3
「雪辱を期す」の例文1
「その雪辱を期して臨んだ翌2010年の大会では、予選で時山協会を破って波に乗り、ついに本大会の初優勝を決めたのだ」
例文として最初に挙げたケースは、やはりスポーツ分野での活用例です。
前の大会では、優勝はおろか、初戦ないしは2回戦でも負けてしまったのかもしれませんが、この積年の思いをぶつけて、強豪の「時山協会」を破り、ついには優勝までしたのです。
「雪辱を期す」の例文2
「シドニーオリンピックでは、前回アトランタでの雪辱を期すつもりで臨んだ」
これもスポーツ関連の例文ですが、時にオリンピックでの事例は良く出てきます。
特に4年に1度の大会なので、「雪辱は期す」の年月はとても長く強い精神力が求められることでしょう。
「雪辱を期す」の例文3
「昨年の雪辱を期して、全国高校大会に臨み、決勝の対〇〇高校戦では、5回途中に右肩を負傷しながらも完投勝利を挙げて優勝を果たした」
「雪辱を期す」という言葉は、本当に野球の試合に似合った表現かもしれません。
特に夏の甲子園を見ていると、春の選抜や前年の夏の試合で負けていった高校の並々ならぬ思いに、多くの人達が感動してしまいます。
「雪辱を期す」の英語
「雪辱を期す」を英語で表現すると、“revenge”、“retaliate”、“avenge”という言葉が挙げられます。
「雪辱を期す」の類語や言い換え
では、「雪辱を期す」を他の類義語で見てみると、どのような言葉が挙げられるでしょうか?
- 「一矢報いる」
- 恨みを晴らす
- 「目にもの見せる」
「一矢報いる」
「一矢報いる」は「恨みのある相手に仕返しをすること」という意味があり、「雪辱を期す」に近い意味があります。
ただ、「雪辱を期す」の場合は、スポーツなどの試合で使われることになりますが、「一矢報いる」には、強い怨念的な雰囲気が漂っていますが、この言葉の由来は、「流将公」の異名を持っていた蒙古軍の副元帥「劉復亨」が日本軍と激突した時にある1人の武者から放たれた矢が、「劉」の左肩に突き刺さり、劉は馬上から転がり落ちたのです。
じれが、「一矢を報いる」の始まりなのです。
恨みを晴らす
「恨みを晴らす」という言葉の類義語として挙げることができ、「怨みを持った相手に復讐すること」という意味があります。
「今大会では、昨年の試合の恨みを晴らことができた」
というような使い方ができますが、スポーツマンシップに乗っ取った試合では、「恨みを晴らす」という表現がどこか、陰湿的な印象もあるので、あまり活用されることはないかもしれません。
「目にもの見せる」
「目にもの見せる」とは、「相手に手痛い打撃を食らわせること」という意味を指していますが、これも類義語ではあるものの、「雪辱を期す」より、さらに強い恨みの思いがこめられているようにも感じますね。
「雪辱を期す」はスポーツの分野で使いやすい表現かもしれませんが、決してそのような場面だけではないしょう。
競争のある場面では、勝ち負けが発生しますので、そのような場面であれば、スポーツの試合だけでなく、受験や就職で失敗した時に、この言葉を使うことができるでしょう。
ただ、大事なことは単なる「恨みを晴らす」のではなく、成功すること、勝つことで、自分を高めることが本当の「雪辱を期す」意義かもしれません。