「総括」の意味・対義語【使い方や例文】
「総括」はとても硬くて難しい言葉です。
普段の会話に出てくることは滅多になく、ビジネスでも管理職や秘書が使うことが多くなります。
「総括」の意味や使い方について紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「総括」の意味とは?
- 「総括」の語源
- 「総括」の言葉の使い方
- 「総括」を使った例文・短文(解釈)
- 「総括」の英語
- 「総括」と「統括」の違い
- 「総括」を使った言葉と意味を解釈
- 統括はどんな役職
「総括」の意味とは?
- 「総括」の読み方
- 「総括」の意味1
- 「総括」の意味2
「総括」の読み方
「そうかつ」と読みます。
「統括」とよく似ているので間違え易いのですが、こちらは「とうかつ」と読みます。
「総括」の意味1
「別々のものを一つに取りまとめて、締めくくること」
主に人の意見や話し合いの流れで、最終的にまとめて結論を出すことを意味します。
「まとめ」と考えるとイメージし易くなるのでしょう。
「総括」の意味2
「団体活動で、今迄の活動内容や成果を評価すること」
労働組合や政治団体など社会的に影響のある運動に関して、今迄を振り返って評価や反省をするという意味です。
こちらの使い方は普段の生活では滅多にしませんが、覚えておくと良いでしょう。
「総括」の語源
「総括」の語源には特に歴史的なエピソードはなく、単に漢字の意味の組合せによる熟語です。
「総」は「一つに締めくくる」という意味があります。
漢字の成り立ちは、糸の両端を結んで束ねるという意味を表しています。
「括」は「くくる」という意味があります。
漢字の成り立ちは、手でふさぐという意味を表しています。
この2つの漢字を組み合わせると「ばらばらな物を締めくくって一つにする」という意味の熟語になるのです。
「総括」の言葉の使い方
- 役職として
- 会議の場で
- 団体活動で年度末に
- 財務会計用語として
役職として
支店の多い企業では、それぞれの支店に店長や所長を置き、更にエリアごとにまとめて管理をする役職として「総括マネージャー」を置くことがあります。
「総括マネージャー」は本社で仕事をしていることが多いのですが、たまに支店を視察に訪れます。
この様に役職として「総括」が付くことがあり、「総括主任」「総括主査」など、企業により様々なポジションがありますが、どれも複数の部署を取りまとめて管理しています。
会議の場で
会議の場では、出席者が活発に意見を述べるのが理想です。
しかし個人の意見が多く出ると、似たような意見が出たり、賛成なのか反対なのか分からない意見も出ます。
最終的に司会進行役の人が皆の意見をまとめて分り易くする時に「総括する」と言います。
どの様な意見が出たのか整理をして、結論を出したりその日の話し合いでどの様な成果が出たのかを議事録に残す時に必要となります。
団体活動で年度末に
労働組合や政治団体は、マニフェストや目標を掲げて活動しています。
年度末や会期末には自らの活動内容や事業内容をまとめて公表して、多くの人達にアピールする必要があります。
そのう様な時に活動内容を「総括」して何をしたのか、どの様な成果があったのかを説明するのです。
財務会計用語として
会社は、決められた予算の範囲内で運営することが重要です。
予測される収益に応じて予算を立てているので、オーバーすると赤字になってしまう可能性があるからです。
そして予算は細かく部門別やエリア別に分れていることが多くなります。
その予算をまとめたものを「予算総括表」といいます。
役員会議では個別の予算表よりも予算総括表が重視されることが多くなります。
「総括」を使った例文・短文(解釈)
- 「総括」の例文1
- 「総括」の例文2
- 「総括」の例文3
「総括」の例文1
「総括マネジャーが来るから掃除をしておかなきゃ」
接客サービスでは、店長よりも総括マネジャーの方が力はあります。
総括マネジャーが来店する時には普段よりも緊張感が伝わります。
接客態度だけではなく店内の掃除が行き届いているかなどもチェックされるので、普段以上に真面目に仕事をしなければならない雰囲気です。
「総括」の例文2
「ここ半年間のプロジェクトの進行状況を総括して報告します」
目標を掲げてプロジェクトを進行させている場合、定期的に報告や見直しが必要になります。
上層部には毎日の細かいやり取りは必要なく、大まかに「どの様な成果があったのか」「どの様な問題点が出ているのか」などを説明します。
「色々なことがあるけれども大きな動きとしては」という前置きの意味を兼ねて「総括」を使うのです。
「総括」の例文3
「皆さんの意見を総括して後からメールで送ります」
会議で意見交換をした後は、自分の意見を述べることに精一杯で人がどの様な意見だったのかを覚えていないこともあります。
誰かがその時に出た意見を取りまとめて、会議の出席者に文書で伝える必要があるのです。
正式な会議の場合は開催部署で議事録を残しているものですが、そこまで堅苦しいものではなくまとめの意味で「総括」を使うパターンです。
「総括」の英語
「総括」の英語で名詞形は“summarization”です。
「総括する」と動詞になると“summarize”ですが、どちらもビジネス文書用の言葉です。
一般的に使う場合“In summary〜”(総括して)と言った方が使い易いでしょう。
“In summary, we totally agreed with his project. ”(総括として、彼の計画に全員一致で賛成ということです)となります。
「総括」と「統括」の違い
「総括」とよく似た言葉に「統括」がありますが、この2つの違いは以下の通りです。
「総括」は、別々のものを上手く調整して一つにまとめて締めくくることです。
「統括」は、まとめる時に支配する立場の人や年功序列が存在することです。
同じ取りまとめるという意味でもそこに何らかの力関係が入るか、入らないかの違いがあるのです。
「総括」を使った言葉と意味を解釈
- 「総括表」
- 「総括的評価」
「総括表」
「給与支払報告書」のことで、給与を支払う事業所が、支給者がその年の1月1日に居住していた市区町村役所に「個人別明細書」とセットで提出するものです。
「総括的評価」
学習の成果を試験など一定の基準に照らし合わせて決めることです。
統括はどんな役職
「統括」は、エリア内の支店をまとめたり、各支店長を管理する立場の人です。
エリア内の複数の支店を管理して、業績や管理体制を競争させる為に置いている役職でもあります。
「統括責任者」と呼ばれることもあり、かなり力のある役職です。
「総括」は難しい言葉ですが、「まとめること」と理解しておけば難しくはありません。
イベントや集会の終わりに「総括して」と締めの言葉を述べれば、ワンランク上のスピーチができるでしょう。