「一心不乱」とは?意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「一心不乱」とは、「何か一つの物事に心(精神)を集中して、他のことに心を奪われないさま」を示す言葉です。
「一心不乱」の「意味・分解した解釈・使い方・例文と解釈・英語・類語や言い換え」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「一心不乱」の意味とは?
- 「一心不乱」の漢字を分解して解釈
- 「一心不乱」の使い方
- 「一心不乱」を使った例文・短文(解釈)
- 「一心不乱」の英語
- 「一心不乱」の類語や言い回し
「一心不乱」の意味とは?
一心不乱の意味は、「何か一つの物事に心(精神)を集中して、他のことに心を奪われないさま」や「一つのことだけに熱中して、他のことに注意を逸らさないこと」になります。
一心不乱は元々は、浄土宗・浄土真宗の「阿弥陀経」などに出てくる仏教用語であり、「一心不乱に阿弥陀如来に念仏を唱えて極楽往生を祈れば、死後に成仏して極楽に往生することができる」という意味でした。
「一心不乱」という言葉は、一つの物事や課題だけに心を集中して、他のことに気を逸らさないようにすることであり、なりふり構わずに一つのことだけを頑張っている時などに使われます。
「一心不乱」の漢字を分解して解釈
「一心不乱」の漢字を「一心」と「不乱」に分解して、それぞれの意味を解釈します。
- 「一心」
- 「不乱」
「一心」
「一心(いっしん)」という言葉の意味は、「心を一つの物事・課題だけに集中させていること」や「心が一点に集中していて他のことに注意力が逸れていないこと」になります。
「一心」というのは、自分の心が最優先すべき物事だけに向けられて集中していること、他の雑事で集中力が削がれていないことを意味しているのです。
「不乱」
「不乱(ふらん)」という言葉は「乱れず」で、「心・精神の状態が乱れていないこと」や「心が乱れることなく一つのことだけに集中できていること」を意味しています。
「不乱」とは、「心が乱れていない精神集中の状態が、一定以上の長い時間にわたって継続していること」を示唆しているのです。
「一心不乱」の使い方
「一心不乱」の使い方は、「一つの物事・目的だけに心を集中していて、他のことに注意が逸れていない時」に使うというものです。
自分の心・全神経を一つの物事だけに集中させていて、その物事以外のことは一切気にしていないというような場合に、「一心不乱」という言葉を使うことができます。
例えば、「睡眠時間も惜しんで、一心不乱に勉強する」や「一心不乱にトレーニングして、筋肉を鍛え上げる」といった文章で、「一心不乱」の言葉を使うことができるのです。
「一心不乱」を使った例文・短文(解釈)
「一心不乱」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
一心不乱に母の病気平癒を祈り続けた効果があったのか、翌日に何とか母は危篤状態を抜け出すことができた。
この例文における「一心不乱」は、病気の母親の回復だけを必死に祈り続けたことを意味しています。
祈りや加持祈祷に科学的根拠はありませんが、病気で苦しむ家族や恋人、友人を見ていると、人は一心不乱に病気平癒を神仏に祈りたい気持ちになってくるものなのです。
例文2
現在の偏差値から難関大学・医学部の合格を目指すというのであれば、一心不乱に他のことをすべて諦めて勉強だけに専念しなければなりません。
この例文における「一心不乱」は、偏差値がそれほど高くない受験生が、難関大学・医学部に合格するために、受験勉強だけにひたすら集中・専念することを意味しています。
直前の模試などで偏差値が合格圏内に届いていないのであれば、受験勉強以外の娯楽・気晴らしはすべて忘れて、勉強だけに全力で集中する必要があるのです。
例文3
どんな分野であってもその分野で超一流と評価されるような優れた人物は、過去に寝食を忘れて一心不乱にその道を極める努力を続けた時期を持っている。
この例文における「一心不乱」は、特定の分野で超一流の人物になるために、寝食を忘れて「その専門分野の知識・技術・実績」を身に付ける必死の努力をすることを意味しています。
なりふり構わずに一つの物事・分野だけに集中することによって、専門家の中でも優位な地位を築きやすくなるのです。
「一心不乱」の英語
「一心不乱」の英語は、“be very intense and focused”(非常に集中して焦点が合っている)”や“with one's whole heart”(全身全霊で)”、“as if (though) possessed”(まるで取り憑かれたように)、“concentrated,engrossed”などになります。
“I'm very intense and focused for pray. ”(私は一心不乱で祈ります。)
“He engrossed himself in that job. ”(彼はその仕事に一心不乱でした。)
「一心不乱」の類語や言い回し
「一心不乱」の類語や言い回しには、どのようなものがあるのでしょうか?「一心不乱」の類語・言い回しについて、分かりやすく解説します。
- 「無我夢中」
- 「一意専心」
- 「一所懸命」
- 「一心不乱に努力する・一心不乱に祈る」
「無我夢中」
「一心不乱」の類語として、「無我夢中(むがむちゅう)」があります。
「無我夢中」の言葉の意味は、「我を忘れて一つの物事・対象にのめり込んで集中(熱中)すること」です。
「一心不乱」にも「一つの物事だけにのめり込む」の意味があるので、その類語として「無我夢中」を上げられます。
「一意専心」
「一心不乱」の類語として、「一意専心(いちいせんしん)」があります。
「一意専心」とは、「強い意志で一つの物事・目的だけに専念して集中すること」を意味しています。
「一心不乱」の言葉の意味も「一つのことだけに意識を集中させて、他のことに注意を向けないこと」なので、「一意専心」を「一心不乱」の類語として考えることができます。
「一所懸命」
「一心不乱」の類語として、「一所懸命(いっしょけんめい)」があります。
「一所懸命」というのは「一生懸命」の語源であり、「中世(鎌倉時代)に1ヶ所の領地を命を懸けて生活の頼みにしたり守ったりすること」を意味していました。
そこから転じて、「一所懸命」には「命懸けで必死に物事に取り組むこと」や「必死に守らなければならない切羽詰まった状態」の意味が生まれました。
一つの物事だけに全力で集中する「一心不乱」の類語として、似た意味を持つ「一所懸命」が上げられます。
「一心不乱に努力する・一心不乱に祈る」
「一心不乱」で良く使われる言い回しとして、「一心不乱に努力する・一心不乱に祈る」があります。
「一心不乱に努力する」とは、「ただ一つの仕事・勉強などに集中して、他のことに注意を奪われずに頑張ること」です。
「一心不乱に祈る」という言い回しは、「問題の解決や病気の快癒などを願って、ひたすらに神様・仏様に祈りを捧げること」を意味しています。
「一心不乱」という言葉について徹底的に解説しましたが、一心不乱には「何か一つの物事に心(精神)を集中して、他のことに心を奪われないさま」や「一つのことだけに熱中して、他のことに注意を逸らさないこと」などの意味があります。
一心不乱の類語・言い換え・似た言葉としては、「無我夢中」「一意専心」「一所懸命」などがあります。
「一心不乱」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。