「かまとと」の意味・英語・対義語【使い方や例文】
この「かまとと」という言葉は、現在ではあまり使われていません。
ですが、いざ聞いた時に、全く意味が分からないということのないように、それだけでも覚えておきましょう。
目次
- 「かまとと」の意味とは?
- 「かまとと?」の語源や由来
- 「かまとと」の言葉の使い方
- 「かまとと」を使った例文と解釈
- 「かまとと」を英語にすると?
- 「かまとと」の類義語
- 「かまとと」は死語?
「かまとと」の意味とは?
かまとととは、「知っているのに知らないふりをしている」態度、及び言動のことを表す言葉です。
女性に対して使う言葉で、そのような態度などをとる方も、理由があってそうしている(そうした)ことがほとんどです。
何とも妙な話だと思うかも知れませんが、世の中では往々にしてそのようなやりとりが行われるものなのです。
「かまとと?」の語源や由来
かまととという言葉の由来は、「かまぼこ」+「とと」の2つの言葉からです。
「かまぼこ」については説明は不要だと思いますが、「とと」は、魚のことを表す地方で使われている言葉です。
そして、かまぼこはご存知のように、魚のすり身で作られています。
このことから、「かまぼこの原料が魚だということさえ知らないふりをしている」という意味で、この「かまとと」という言葉が生まれたのです。
「かまとと」の言葉の使い方
かまととは、「〜ぶる」という使い方をする言葉です。
単独で使うことはなく、必ずこの手の使い方になります。
「そんなことさえ知らないふり」を、「かまととぶる」と考えると、分かりやすいでしょう。
「かまとと」を使った例文と解釈
かまととは、必ず「〜ぶる」、または「〜ぶっている」、「〜ぶった様子」などという使い方になるので、用例は限られてしまいます。
そこで、どのようなシチュエーションで使われることが多いのかという点の方に注目して、以下の例文を見ていきましょう。
- 「あのコ、いつもかまととぶっててすごく感じが悪い」
- 「あそこまでかまととぶられると、反って引くわ」
- 「あの年でかまととぶっている様子は正直痛いよ」
「あのコ、いつもかまととぶっててすごく感じが悪い」
女性から見て、かまととぶっている同性はこのように映ることも多いようです。
何に対してかまととぶることが多いと言えば、主に男性のことだと考えていいでしょう。
年頃になれば、それくらいは知っていて当たり前のことを、わざと知らないふりをして、それによって男性の気を惹こうとする姿などがそのいい例です。
「あそこまでかまととぶられると、反って引くわ」
これは、男性から見て、かまととぶっている女性に対して、「それはやり過ぎだろう」と考えている様子だと捉えてください。
あまりに何も(男性について)知らないふりをしているような女性は、同性からだけでなく、男性からも引かれてしまうと考えていいでしょう。
「あの年でかまととぶっている様子は正直痛いよ」
かまととぶってもいい年というものが決められている訳ではありませんが、それなりにいい年になってまでそんなことをしていると、「痛い人」だと思われてしまいます。
言い方が悪くなりますが、これをしていいのは若いうちだけです。
「かまとと」を英語にすると?
かまととは英語では、“coyness”となります。
意味は、「澄ましてはにかむ」、「媚びる様子」となり、英訳事典ではそのまま「かまととの意」と記載されている場合もあります。
この他に、“demureness”もほとんど同じ意味の英単語です。
英語で表現する時には、この2つのどちらかを用いておけば問題ありません。
「かまとと」の類義語
「かまとと」と意味が似ている言葉をいくつか紹介していきます。
それぞれの語源や由来についても合わせて解説します。
- 「嬌羞」【きょうしゅう】
- 「白々しい」【しらじらしい】
「嬌羞」【きょうしゅう】
少し難しい漢字ですが、「嬌」は「かわいらしい」という意味をもつ漢字で、「羞」は恥らう姿を表現しています。
この言葉は、「〜を含む」、「〜を浮かべる」という使い方をします。
主に文学作品などで使われる言葉で、「彼女は嬌羞を含んでいるようだった」とあった場合、「かまととぶっている様子だった」と表現していると考えてください。
文章中では現在でも使える言葉ですが、口語として使うことはまずありません。
「白々しい」【しらじらしい】
こちらはよく見る言葉だと思います。
かまととぶっている様子は、正にこの姿そのもので、この言葉で言い換えることができます。
ただし、こちらは男性にも女性にも使えるのに対して、かまととの対象は女性で、主に男性についてのことを知らないふりをしているという限定された条件になる為、使える幅がかなり狭い言葉です。
「かまとと」は死語?
かまととは冒頭にも書きましたが、現在ではあまり使われることはない言葉です。
死語とまでは言いませんが、年配の方でないと、口語で使うことはほとんどないでしょう。
知識の1つとして覚えておいて損はありませんが、使えるシチュエーションも狭い言葉なので、無理に使おうとは考えない方がいいでしょう。
かまととぶる女性が現在でも多く見られますが、それに対してこの言葉を直接使うことはあまりないかも知れません。
どちらかと言うと、そのような女性に対して、同性が陰口として使うことが多い言葉だと言っていいでしょう。