「深謀遠慮」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
四文字熟語のひとつ、「深謀遠慮」の意味や類語を紹介します。
さらに「深謀遠慮」の使い方や、「深謀遠慮」という言葉を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「深謀遠慮」の意味とは?
- 「深謀遠慮」の語源や由来
- 「深謀遠慮」の言葉の使い方
- 「深謀遠慮」を使った例文
- 「深謀遠慮」を分解して解釈
「深謀遠慮」の意味とは?
みなさんは「深謀遠慮」という言葉を知っているでしょうか。
知っているという人は、社会に出て何年も活躍している人かもしれません。
一方で「深謀遠慮」という言葉を知らない人もいるでしょう。
特に学生の皆さんや、若い世代の方は「深謀遠慮」という言葉に縁がないと思います。
しかし「深謀遠慮」という言葉を知っていると、社会で様々な人にもまれた時、ピンチに陥りそうになった時などに役に立ちます。
そんな社会生活で役に立ちそうな言葉、「深謀遠慮」の読み方と意味を紹介します。
- 「深謀遠慮」の読み方
- 「深謀遠慮」の意味
「深謀遠慮」の読み方
「深謀遠慮」は「しんぼうえんりょ」と読みます。
「深謀」は「しんぼう」「遠慮」は「えんりょ」と読みます。
二つの言葉に分けると、それほど難しい漢字が使われていない事が分かりますが、四文字熟語としては、読み方が難しく感じる言葉かもしれません。
「深謀遠慮」は「しんぼうえんりょ」と読む事を覚えておきましょう。
「深謀遠慮」の意味
「深謀遠慮」には、どのような意味があるでしょうか。
「深謀遠慮」には、深いはかりごとという意味と、先の事まで考えて計画を立てる事という意味があります。
目の前の事ばかりに気を取られていて、将来の事をないがしろにしてしまうと、後で後悔する事になるかもしれません。
そのような事が無いように、きちんと先を見据えておく事を「深謀遠慮」と言います。
また腹黒く、フィクサー的な態度を取る人の考えに対して、「深謀遠慮」という言葉を使う事もあります。
このように、「深謀遠慮」には、「きちんと先の事を考えて計画する」というポジティブな意味と、「深いはかりごとをたくらむ」という、ややネガティブな意味があります。
「深謀遠慮」の語源や由来
続いて「深謀遠慮」の語源を見て行きましょう。
「深謀遠慮」という言葉は、中国の賈誼(かぎ)という人物が書いた、「過秦論」という文章の中に登場します。
「父祖の余烈を振ひ、家を起しぬれど、創業垂統の『深謀遠慮』なかりし事惜むべし」という一節があります。
子の一節がもとになり、「深謀遠慮」は四文字熟語として、一般的に使われるようになりました。
「深謀遠慮」の言葉の使い方
「深謀遠慮」という言葉をどのように使えばいいでしょうか。
「深謀遠慮」には、深いはかりごとという意味と、先の事まで考えて計画を立てる事という意味があります。
そこで、誰かが深いはかりごとをした時、または誰かが先の事まで考えて計画を立てているのに気付いた時などに、「深謀遠慮」という言葉を使ってみましょう。
例えばビジネスシーンでは、同期の同僚の中に、定年退職後の人生まで考えて、逆算して計画した毎日を送っている人がいるかもしれません。
このような人は「深謀遠慮」ができている人です。
また女性の友達の中に、男性をゲットするために、壮大な仕掛けを作っている人がいるかもしれません。
このような人は「深謀遠慮」をしている人と言えます。
このように、様々な場面で「深謀遠慮」という言葉を使ってみましょう。
「深謀遠慮」を使った例文
次に「深謀遠慮」という言葉を使った例文を紹介します。
様々な場面における「深謀遠慮」を使った例文を見て、この言葉の使い方を覚えて行きましょう。
- 例文1
- 例文2
- 例文3
例文1
ビジネスシーンにおける、「深謀遠慮」を使った例文を紹介します。
「本来はB社が勝つはずのコンペに、A社が勝利した。これは、A社のC部長が長年に渡り、審査員に対して根回しをした成果と言えるだろう。まさにC部長の『深謀遠慮』が、コンペの勝利という形で花開いたのだ」
コンペやプレゼンは、本番の発表内容や様子も大切ですが、始まった時にはすでに勝負がついているという面もあります。
ビジネスシーンでは、やはり「根回し」が大切になります。
この例文のC部長は、コンペ当日から逆算して、コンペに勝つための計画を立て実行する事ができました。
これはまさに「深謀遠慮」とは何かを知るための、好例と言えるでしょう。
例文2
恋愛の場面における「深謀遠慮」を使った例文を紹介します。
「DさんがE君の事が好きだと言った時、Dさんの女友達は全員笑った。なぜならDさんは美人とは言えない平凡な女性で、E君は金持ちのイケメンだったからだ。しかしDさんはE君を落とすための計画を練り、数年かけて実行した。そしてDさんの『深謀遠慮』が実り、来年の春に結婚する事が決まった」
当初は難しいと思える恋だとしても、良い計画を立てて、時間を掛けて実行すれば、不可能を可能にする事ができます。
Dさんは『深謀遠慮』の果てに、E君を手に入れる事ができました。
この例文を見ると、将来を見越した計画を立てる事の大切さが良く分かります。
例文3
小説などに登場する「深謀遠慮」を使った例文を紹介します。
「絶対に王位を継承するはずだったF王子が失脚し、G王子が王位を継承した。G王子の母の『深謀遠慮』によるサプライズだ」
小説などを読んでいると、王位継承をめぐるドロドロのドラマに出会う事があります。
中にはG王子の母のような、「深謀遠慮」を巧みに使いこなす、トリックスターが登場する事があります。
最終的にG王子が幸せになれるか、F王子がこのまま引き下がるかは小説の展開次第ですが、王位継承や、会社の人事などは、「深謀遠慮」などのたくらみが入り乱れる世界です。
「深謀遠慮」を分解して解釈
最後に「深謀遠慮」を分解して解釈して行きましょう。
「深謀遠慮」は「深謀」と「遠慮」の二つの言葉に分ける事ができます。
それぞれの言葉の意味を知る事で、「深謀遠慮」という言葉の意味がより深く理解できるでしょう。
- 「深謀」
- 「遠慮」
「深謀」
「深謀」は、「深いはかりごと」という意味があります。
悪い意味で言えば「たくらみ」「計略」などの言葉に言い換える事ができます。
良い意味では「深く考えられた計画」「立派な計画」などの意味があります。
良い意味でも悪い身でも使える言葉ですので、使意味が広く便利な言葉ではないでしょうか。
「遠慮」
「遠慮」という言葉は、日常的に良く使う言葉だと思います。
しかし「遠慮」には大きく分けて三つの意味があります。
すべての意味を知っているという人は少ないかもしれません。
ひとつ目の意味は「相手に対して気遣い、言動を控える」という意味です。
この意味で「遠慮」という言葉を使う人は多いでしょう。
二つ目の意味が、「相手の誘いなどを断る」という意味です。
例えば飲み会に誘われた時に、「今回は遠慮したいと思います」という言い回しで断った経験があるのではないでしょうか。
最後の意味が「遠く先の事まで考える」という意味です。
「深謀遠慮」の「遠慮」はこの最後の意味が採用されています。
つまり「深謀」も「遠慮」もほとんど同じ意味の言葉で、似た意味の言葉が重なり合い、パワフルな意味になっている四文字熟語と言う事ができます。
「深謀遠慮」という言葉の意味と使い方を見てきました。
「深謀遠慮」は、良い意味でも使え、悪い意味でも使えます。
みなさんは、良い意味での「深謀遠慮」を用いて、人生で大きな成果を出して欲しいと思います。
長期的な計画を立てて、それを実行する事は、瞬発的な努力よりも大きな実を結ぶ事を、実感する事になるでしょう。