「押し並べて」の意味・読み方・類語【使い方や例文】
「押し並べて」の意味や類語を紹介します。
さらに「押し並べて」の使い方や、「押し並べて」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「押し並べて」の意味とは?
- 「押し並べて」の類語や言い換え・似た言葉
- 「押し並べて」の言葉の使い方
- 「押し並べて」を使った例文
- 「押し並べて」は古語でもある
- 「押し並べて」の読み方
「押し並べて」の意味とは?
「押し並べて」という言い回しを知っているでしょうか。
社会人生活が長い人は、「押し並べて」という言葉を何度も使ったことがあるかもしれません。
一方で若い人や学生の皆さんは、「押し並べて」という言葉と縁遠いかもしれません。
しかし、「押し並べて」は、仕事の場面などで使う機会が多い言葉ですので、早い段階で知っておく事をおすすめします。
そこで「押し並べて」の意味を紹介して行きます。
- 「押し並べて」の意味
- 「どれも同じ」という意味での「押し並べて」
「押し並べて」の意味
「押し並べて」という言葉には、「大体の傾向を捉えた様子」という意味があります。
「全体に渡って」などと言い換えると分かりやすいかもしれません。
例えば「今年の体の状態は『押し並べて』良い」という場合は、体の調子が良い時期も悪い時期もあったけれど、大体の傾向としては良かったと言えるという意味があります。
一年を振り返る時や、仕事を終える時に振り返り、大体の傾向を発表する時などに、「押し並べて」という言葉を使ってみましょう。
「どれも同じ」という意味での「押し並べて」
「押し並べて」には「おおよその傾向を捉えた様子」という意味の他に、「どれも同じ」という意味があります。
例えば、「男性も女性も『押し並べて』、楽しいパーティを過ごした」と言う場合は、男性と女性が同じように、パーティを楽しんだという意味になります。
また「テーマパークに入ると、子供も大人も『押し並べて』、子供の様に振る舞う」という文章では、テーマパークのような空間に入ると、子供も大人もなく、童心に帰る」という意味になります。
「押し並べて」の類語や言い換え・似た言葉
「押し並べて」の類語や、言い換えが効く似た意味の言葉を紹介します。
「押し並べて」と言い換えられる言葉には、どのような言葉があるでしょうか。
- 「およそ」【およそ】
- 「おおむね」【おおむね】
- 「総じて」【そうじて】
「およそ」【およそ】
「およそ」という言葉は、一般的に知れ渡っている言葉で、「押し並べて」と意味が似ています。
「およそ」には、「ほぼ、大体」という意味があります。
例えば「今年の収入は、『およそ』1億円だ」などという文章を作る事ができます。
正確な数字ではなく、大体の数字を知りたい時に、「およそ」という言葉を使ってみましょう。
「おおむね」【おおむね】
「おおむね」という言葉も「押し並べて」に似た意味があります。
「おおむね」にも、大体という意味があります。
例えば「作業が『おおむね』終了した」と言う場合は、作業のほとんどが終了したという意味になります。
「総じて」【そうじて】
「押し並べて」と言い換えやすい言葉として、代表格なのが「総じて」です。
「総じて」には「全体的に」という意味があります。
「今年の作物の出来は『総じて』良かった」などという文章を作る事ができます。
「今年の作物の出来は、『押し並べて』良かった」と言い換える事ができます。
ボキャブラリーを増やしたい人は「押し並べて」と「総じて」をセットで覚えて、使い分けるようにするといいかもしれません。
「押し並べて」の言葉の使い方
「押し並べて」という言葉は、どのような場面で使えばいいでしょうか。
そこで「押しなべて」の基本的な使い方を紹介します。
- 「大体の傾向を捉えた様子」として使う
- 「共通性が多い何か」を探す
「大体の傾向を捉えた様子」として使う
「押し並べて」という言葉には、「大体の傾向を捉えた様子」という意味があります。
また「全体に渡って」と言い換える事ができます。
「どれも同じ」という意味もありますが、ほとんどの場合、「大体の傾向を捉えた様子」という意味で使いますので、こちらの意味で「押し並べて」を使って行きましょう。
「共通性が多い何か」を探す
「押し並べて」を「大体の傾向を捉えた様子」と井意味で使う時は、まず「共通性が多い何か」を探します。
例えば「一年」という言葉には、1日という共通性のある時間が365個集まっています。
そのため「今年は『押しなべて』充実していた」などという文章を作る事ができます。
他にも「このデパートに出店しているお店は『押し並べて』上品だ』などの文章を作る事ができます。
このように「共通が多い何か」をみつけ、ひとまとめにする時に、「押しなべて」という言葉を使ってみましょう。
「押し並べて」を使った例文
「押し並べて」という言葉を使った例文を紹介します。
様々な場面における「押し並べて」を使った文章を見て、この言葉の使い方のコツを覚えて行きましょう。
- 例文1
- 例文2
例文1
ビジネスシーンにおける、「押し並べて」を使った例文を紹介します。
「今年の新入社員は、『押し並べて』おとなしい。二年目の社員たちがうるさいくらい元気なのと対照的だ」
新入社員は、共通性のある何かの代表例と言えるでしょう。
同じ会社の上司や先輩たちは、新入社員を一つの塊として捉えて、まとめて評価を下す傾向があります。
「おとなしい」「優秀」「元気だ」など、全体の評価がまずあり、その後、個人の評価へと移って行きます。
この例文を見ると「押し並べて」という言葉の、典型的な使い方を知る事ができます。
例文2
恋愛の場面における「押し並べて」を使った例文を紹介します。
「婚活パーティに参加をした。美しい女性はいないと予想していたが、『押し並べて』レベルが高く、美女と呼べる女性も多かった」
婚活パーティなど、たくさんの人が集まる場では、まず全体の傾向を知りたくなります。
そしてその感想を「押し並べて」という言葉を使って表現します。
その後、個人に注目するという流れがあります。
これは婚活パーティだけでなく、他社に訪問した時、結婚式に参列した時なども同様です。
また渋谷や銀座など、訪れた都市に対しても、「押し並べて」という言葉を使って、感想を言う事が多いでしょう。
このように旅行に行っても、全体の傾向に注目し、ホテルやお店、料理のひとつなど、細部に注意が移って行くのは同じです。
このような心の動きを「押し並べて」という言葉をきっかけに知る事ができます。
「押し並べて」は古語でもある
「押し並べて」という言葉は、とても古い言葉で、平安時代の文学「源氏物語」にも登場します。
古語としての「押し並べて」は、「ふつうである」「世間並である」という意味になります。
例えば「はじめより、『押し並べて』の上宮仕へし給ふべき際にはあらざりき」と言う文章が、源氏物語に登場します。
「押し並べて」は歴史と伝統がある言葉だと、知っておきましょう。
「押し並べて」の読み方
「押し並べて」という言葉を見た時に、ほとんどの人が「おしならべて」と読むのではないでしょうか。
そして「聞き覚えのない言葉」だと思ってしまうかもしれません。
しかし「押し並べて」は「おしなべて」と読みます。
「おしなべて」と聞くと、「ああ、おしなべてか」と、知っている言葉という認識に変わると思います。
「押し並べて」をどう読むかは、引っかけ問題のようなものなので、友達に出題して答えてもらうと楽しいかもしれません。
「押し並べて」の意味や使い方を見てきました。
まず「押し並べて」を「おしなべて」と読む事ができるだけで、自慢できるかもしれません。
また「押し並べて」という言葉を知る事で、まず全体の様子を捉えて、そこから細部に関心が移って行くという、心の動きを知る事ができます。
今年を振り返る時、終わった仕事を振り返る時などに、「押し並べて」という言葉を使ってまとめてみましょう。