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「韋駄天」の意味・類語・対義語【使い方や例文】

子供の頃の思い出には、運動会のリレーが記憶に残っている人もいるのではないでしょうか?

「かけっこ」「リレー」になると、やけに速く走ることができた男子生徒がモテていたかもしれません。

そんな人によく当てはまる言葉が「韋駄天」だったりします。

でも、この「韋駄天」という言葉を聞いたことはある人は、どのくらいいるでしょう?

この言葉を聞いたことがあったとしても、どんな意味があって、使われる場面がイメージできない人が結構多いかと思います。

「韋駄天」という言葉自体を普段の生活の中の会話や文章で使うことがありません。

それだけに、正確な意味や由来を知る人も少ないでしょう。

ここでは「韋駄天」について見ていくことにします。

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「韋駄天」の意味・類語・対義語【使い方や例文】>


目次

  • 「韋駄天」の意味とは?
  • 「韋駄天」の語源
  • 「韋駄天」の言葉の使い方
  • 「韋駄天」を使った例文・短文(解釈)
  • 「韋駄天」の英語
  • 「韋駄天」の対義語
  • 「韋駄天」はどんな神様
  • 足が速い意味の「韋駄天」の類語や言い換え


「韋駄天」の意味とは?

「韋駄天」という言葉の意味は、極めてシンプルで「足が速い人」「特別に速く走る様子や状態のこと」を表しています。

元々は、「韋駄天」は足が速い神様の名前に由来していますが、使われている漢字からは、そのような意味があろうとは想像すらできないでしょう。

本来の意味からすると、お寺の守護神として使われることもある一方で、「足が速い」という例えで、「韋駄天のように速く走る」「韋駄天走り」といったような形で、使われていました。

それでも、現代の会話の中では、意識していないと思い浮かべることさえできない言葉かもしれません。

  • 「韋駄天」の読み方

「韋駄天」の読み方

「韋駄天」は、「いだてん」という読み方になりますが、昔のテレビドラマのタイトルでもありましたね。



「韋駄天」の語源

「韋駄天」という言葉を聞くと、純水な日本語ではないかもしれないと感じる人も少なくないでしょう。

元々「韋駄天」の由来は、バラモン教の神の名から来ていますが、「韋駄天」は、破壊神シヴァの二男で、仏法に組み込まれてからは、四天王の増長天に仕える八代将軍の1人として、仏法や寺院を護る守護神になったのです。

「韋駄天」にまつわる話では、鬼が釈迦の遺骨である「仏舎利」を盗んで須弥山に逃げ込んだ時に、一瞬でこの「仏舎利」を取り戻したのが、「韋駄天」だったという伝説が残っています。

この出来事をきっかけに「足の速い人」「韋駄天」と言うようになりました。

「韋駄天走り」という言葉も、ここから端を発しているわけです。

それ以降、「韋駄天」は、神様の名前というより、「走ることが速い」というさまも表すようになっていったのです。

「韋駄天」の言葉の使い方

「韋駄天」を使う場面というと、やはり「足の速い人」を指して使われることになります。

ただ、「韋駄天」という言葉でも、常識的な足の速さのレベルで使われることはそんなに多くはありません。

その理由は、神である「韋駄天」「仏舎利」を取り戻した時、一瞬で000万km以上もの距離を駆け抜けたと言われているからです。

まるでテレポーテーション(瞬間移動)をしたように、目では追い付けない程に驚異的な足の速さを見せつけられた場面で使われます。



「韋駄天」を使った例文・短文(解釈)

では、「韋駄天」を使った例文に触れてみることにします。

  • 「韋駄天」の例文1
  • 「韋駄天」の例文2
  • 「韋駄天」の例文3

「韋駄天」の例文1

「あのストーカー男から逃れるために、彼女は信じられない力を発揮して全力で逃げ通したのです。普段はそれほど足が速いとは思えなかった彼女の走りは、まるで韋駄天だったのです」

この時の彼女は、無我夢中で逃げることに気持ちが集中していたことでしょう。

そのために、神業とも思える程のスピードで走り去ったのです。

「韋駄天」の例文2

「レースで堂々の1位になった彼。あれこそ韋駄天のような走りだった」

ここでも、速い走りについての例文ですが、決して決勝まで勝ち抜くとは思えなかったランナーが、驚異的なスピードで1位を勝ち取った場面ではないでしょうか? ここでも奇跡的な走りを見せたのかもしれませんね。

「韋駄天」の例文3

「韋駄天と異名を取る僕の足にかかれば、このレースもぶっちぎりで優勝するはずだ」

速い自分を「韋駄天」に例えているセリフですが、自分自身で「韋駄天」と称しているのですから、かなりの速さと自信を持っているランナーなのでしょう。

果たしてその実力はいかがなものか?

「韋駄天」の英語

「韋駄天」を英語で表現すると、“Skanda heaven”と呼称されますが、これは神である「韋駄天」のことになります。

足が速いという意味での「韋駄天」を英訳するなら、“fleet‐footed”という表現になってきます。

「韋駄天」の対義語

では、「韋駄天」の対義語としては、どのような言葉が当てはまるでしょうか? 「足が速い」の反対の意味に「鈍足」が挙げられます。

意味は「足が遅い」という意味になります。

「韋駄天」はどんな神様

「韋駄天」とは、「神のごとき特別な足の速さ」ということでした。

常人では考えられないくらいに飛び抜けた能力を持っている人や状態を指す時に、普通の言葉では中々、伝えきれないような場合があります。

しかし、「韋駄天」という言葉は神の名ではあるものの、この神の歴史を知ると、足の速さがずば抜けていることが理解できます。

そんな「韋駄天」は、仏教においては天部に属する神と位置付けられて、別名、韋陀や韋天将軍とも言われています。

始まりは、ヒンドゥー教の神のスカンダが仏教に入ってから、仏法の護法神となったものとされており、「金光明最勝王経」「大弁才天女品」の塞建陀天、あるいは「金光明経」「鬼神品」「違駄天」とされるれっきとした神なのです。

足が速い意味の「韋駄天」の類語や言い換え

では、足が速い「韋駄天」は。

他にどのような言葉で言い換えることができるでしょうか? 元々は神である「韋駄天」の観点からすると、同義語は、先に挙げた別名の「韋陀」「韋天将軍」と言われそうですが、ここでは比喩的な意味で使われている「韋駄天」からの類義語となります。

  • 「俊足」
  • 「神速」

「俊足」

「韋駄天」の類義語としては、「俊足」が近い意味を持つ言葉と言えるでしょう。

「彼は俊足を活かして、リレーの選手に選ばれた」

「俊足な泥棒なので、捕まえることが難しい」

こんなふうに使われますので、「韋駄天」よりは、日常的な会話の中で出てくる言葉の1つでしょう。

ただ、「俊足」は、普通のレベルで足が速いという意味で使われることが多い言葉なので、「韋駄天」=「俊足」と言うように全く同じとは言えないと思われます。

「韋駄天」>「俊足」といったところでしょう。

「神速」

「俊足」よりも「神速」の方が限りなく「韋駄天」に近い意味の言葉です。

「人間技とは思えない程に速いこと」という意味があります。

しかし、「足が速い」という例えを神の名で語る「韋駄天」は、まさに神そのものなので、「神のように速い(神速)」より、「神そのものの速さ(韋駄天)」の方に分がありそうです。

icon まとめ

「韋駄天」という神様の名前を比喩的な意味で使うことは、何となく恐れ多いような気もしますが、昔の人はこんな言葉を使って、素早く走る人のことを表現していたのでしょう。

そう言えば、「隻眼の龍」と呼ばれた「伊達政宗(だてまさむね)」の名字の「伊達(だて)」も、「韋駄天(いだてん)」と縁がある言葉と聞いたことがあります。

「伊達政宗」は、敵陣を攻める時は、疾風のごとく攻め込んだと言われていますが、このような行動も「韋駄天」という言葉が使えそうな気がします。

現代社会では、仕事やプライベートでも、スピーディーな対応が求められていますので、「韋駄天」のような動きが必要なのかもしれません。