「支障をきたす」の意味・類語・対義語【使い方や例文】
日本語には、色々な種類の言葉がありますが、私達が日常的に使っている言葉には、どんなものが類いのものがあるでしょうか?
昔から伝わることわざや、熟語、方言、カタカナ語など実に様々な言葉があります。
しかし、その中でも、日常的に使うより、仕事の中で頻繁に使っている言葉も少なくありません。
例えば、「支障をきたす」という表現があります。
身近なプライベートな生活の中でも使われる言葉ではありますが、どちらかと言うと、ビジネスシーンでよく耳にする表現かもしれません。
ここでは、この「支障をきたす」の言葉の意味や使用場面を見て、この言葉を考察していきたいと思います。
目次
- 「支障をきたす」の意味とは?
- 「支障をきたす」の類語
- 「支障をきたす」の言葉の使い方
- 「支障をきたす」を使った例文・短文(解釈)
- 「支障をきたす」の英語
- 「支障をきたす」のきたすの漢字
- 「支障をきたす」を使った言葉と具体例を紹介
- 「支障をきたす」の対義語
「支障をきたす」の意味とは?
「支障をきたす」という言葉は、「仕事に支障をきたす」、「身体に支障をきたす」と言ったように何かに支障がある場合によく使われる言葉です。
特にビジネスの中では、社内だけではなく、取引先とのトラブルや商品やサービスに不具合があった場合に使われることがあります。
「支障をきたす」の「支障」には「差しさわり」という意味があり、「きたす」には「ものごとにある状態をもたらす」や「結果としてそうなる」、「来るようになる」という意味があります。
このことから「支障をきたす」は「邪魔になる」や「ものごとや状況の妨げになる」、「差しさわりがある」といったような意味で解釈することができます。
「支障」と言うと、何らかの妨げが降りかかってくることや突然やってくるというイメージを覚えるかもしれませんが、実際にはこの言葉のニュアンスからは「上手くいかない」であったり、「失敗する」といったどちらかというと、ネガティブなイメージの強調されてくる印象があります。
「支障をきたす」の類語
では、「ものごとや状況の妨げになる」という意味で理解できる「支障をきたす」の類語には、次のような言葉で言い換えることができます。
- 「支障が生じる」
- 「支障が出る」
- 「勝手が悪い」
「支障が生じる」
「支障」という言葉は変わりませんは、「生じる」という部分が、「きたす」の置き換えとなります。
「妨げになる障害が発生する」という意味になるのですが、「発生する」は「起こる」ということもであります。
「支障が出る」
この場合も、「出る」が「きたす」の類義語として出てくる言葉です。
「支障をきたす」と同様に、「障害、妨げが出てくる」ということになります。
「勝手が悪い」
「勝手が悪い」とは、「その物事によって何らかの不利益が生じるさま」や「ありがたくないこと」という意味があり、「支障をきたす」の同義語として挙げることができるでしょう。
「支障をきたす」の言葉の使い方
「支障をきたす」という言葉の使い方を考える時、「きたす」の部分が変化することによって、いくつかのパターンで表現することができます。
「今回の事象で支障をきたすわけがない」
「今回のトラブルは、大きな支障をきたすまでにならない」
「ちょっとした故障で大きな支障をきたすことがある」
「支障をきたさないように、重々注意すること」
といったような使い方や表現ができますので、文脈や状況の背景に合わせて、言葉を適切に使い分けることが必要です。
「支障をきたす」を使った例文・短文(解釈)
では、「支障をきたす」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「支障をきたす」の例文1
- 「支障をきたす」の例文2
- 「支障をきたす」の例文3
「支障をきたす」の例文1
「発注個数でのミスが発生したために、物流部門に大きな支障をきたしてしまった」
ビジネスの中で、部品や製品の発注ミスは少なからず発生します。
決して許されることでがありませんし、発生防止のチェックは何重ものステップを踏んでいるはずですが、それでも起こる時は起こります。
このようなミスが発生したなら、物流部門は混乱してしまいますが、スピーディーに対策を講じることが先決です。
「支障をきたす」の例文2
「会社のトップが交代したことが、経営に大きな支障をきたすことになってしまう」
本来、企業とは経営者や役員が交代したとしても、何の支障もなく滞りなく、業務が進んでいくように、組織的な動きが必要です。
しかし、カリスマ性の高いトップであると、どうしても社長の発言が会社の活動の全てとなってしまうので、組織として機能していないことが少なくありません。
このような社風の企業は、早くから企業改革が必要なのです。
「支障をきたす」の例文3
「工場での生産数に支障をきたさないよう、我が社ではSCM導入を早くから取り入れている」
メーカーでは、商品の在庫を枯渇させてないようにする必要がある一方で、過剰な在庫を持つこともよくありません。
生産数に支障をきたさないためには、SCMのような仕組みを導入して、理想的な在庫調整を図ることが重要です。
「支障をきたす」の英語
「支障をきたす」の英語表現は、使用される場面によって変わってきますが、この言葉に該当する英語は、“affect〜”、“obstruct〜”、“create problem”などが挙げられます。
但し、どのような場面で使われるかを考えて、適切な単語を選ぶことがポイントです。
「支障をきたす」のきたすの漢字
「支障をきたす」の「きたす」を漢字で書くと、「来す」となりますが、「物事を起こらせる」や「結果として招く」という意味があります。
「支障をきたす」を使った言葉と具体例を紹介
ここでは「支障をきたす」を使った言葉その意味を具体的な形で見ていくことにします。
- 「学業に支障をきたす」
- 「ビジネスに支障をきたす」
- 「精神に支障をきたす」
「学業に支障をきたす」
「学業に支障をきたす」とは、「勉強をする上で何か問題が発生する」あるいは、「進学・進級の妨げになる」というような意味合いがあります。
よくあることは、学生時代にアルバイトに熱中しすぎることで、満足に大学に行かずに進級ができなくなる時に使われます。
「ビジネスに支障をきたす」
「ビジネスに支障をきたす」も、よく使われる表現ですが、「仕事を円滑に進める上で障害が出てくる」ということになります。
仕事に熱中しなくてはならないのに、自分の趣味や異性の夢中になってしまうことで、仕事が進まないという場合に使われます。
「精神に支障をきたす」
「精神に支障をきたす」とは、「精神状態を正常に保つことができないような状態になること」を言っています。
仕事で過度なストレスが蓄積され、自律神経失調症や、うつ病になってしまう場合に使われることになるでしょう。
最近のビジネス社会では、複雑な人間関係から、心の病になる人が増えていますので、このような表現をよく耳にしますね。
「支障をきたす」の対義語
「支障をきたす」の対義語としては、以下のような言葉があります。
- 「円滑に進む」
- 「順調に進む」
「円滑に進む」
「円滑に進む」とは、「物事が滞らず、すらすら運ぶこと」という意味があります。
「今年の株主総会は、何事もなく円滑に進んでいった」
このような使い方になります。
「順調に進む」
「順調に進む」は、「物事が調子よく運ぶこと」、「滞りなくはかどること」という意味があり、「支障をきたす」の対義語として挙げることができます。
「支障をきたす」には同じ意義を持つ類語がいくつかありますが、物事の状況や環境に合わせて適切な言葉の意味を慎重に選ぶ必要があります。
時に最近では、ビジネスメール主体のコミュニケーションが多くなっていましし、商談でよく出てくる言葉なので、正しい使い方を理解しておきことが大切です。
この言葉だけでなく、他のビジネス的な表現も含め語力を高めて、正しい言葉の意味や使い方をマスターすることによって、会話の幅を広げていくことです。
そのためには、できるだけ多くの言葉を習得して、社会人としてのコミュニケーションスキルをアップさせていきましょう。