「絵図」の意味・読み方・類語・英語【使い方や例文】
「絵図」とは、「文字ではない絵・絵画」や「家屋・土地・庭園などの平面図(絵図面)」です。
「絵図」の「意味・読み方・類語・言い換え・使い方・例文と解釈・英語・絵図を使った言葉」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「絵図」の意味とは?
- 「絵図」の類語や言い換え・似た言葉
- 「絵図」の言葉の使い方
- 「絵図」を使った例文や短文(解釈)
- 「絵図」の英語
- 「絵図」を使った言葉と意味を解釈
「絵図」の意味とは?
「絵図」の意味は、簡単に言えば「文字(文章)ではない絵・絵画」のことであり、「視覚刺激に訴える絵・図面」のことです。
「絵図」のもう一つの意味として「家屋・土地・庭園などの平面図(絵図面)」という意味がありますが、これは「近世以前に作られた地図類の総称」を「絵図」と呼んでいたことにちなんでいます。
地図という意味の「絵図」の用法は11世紀頃の平安時代からあり、その時には「荘園絵図」が多く作成され、16世紀以降になると「地図一般=絵図」という定義になりました。
現代の言葉で「絵図」という時には、「あるテーマ(学習課題)について、より面白く容易に理解させるための絵・図などを多用した視覚表現」という意味のニュアンスが強くなっています。
- 「絵図」の読み方
「絵図」の読み方
「絵図」の読み方は、「えず」になります。
「絵図」の類語や言い換え・似た言葉
「絵図」の類語や言い換え・似た言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?「絵図」の類語・言い換え・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「図画」【ずが】
- 「図解」【ずかい】
- 「イラスト」【いらすと】
- 「地図」【ちず】
「図画」【ずが】
「絵図」の類語・言い換えとして、「図画(ずが)・絵画(かいが)」があります。
「図画」という言葉の意味は、「図と絵画・絵を描くこと・絵そのもの」になります。
絵画という言葉の意味は、「絵・描かれた絵」になります。
「絵図」という言葉の意味は「絵・絵画」ですから、「絵図」とほぼ同じ意味を持つ類語として、「図画・絵画」を上げることができるのです。
「図解」【ずかい】
「絵図」の類語・似た言葉として、「図解(ずかい)・図説(ずせつ)」があります。
「図解」という言葉の意味は、「図や絵を用いて分かりやすく解き示すこと」になります。
「図説」という言葉の意味は、「図や絵を用いてテーマを分かりやすく解説すること」になります。
現代における「絵図」の意味として、「テーマをより簡単に面白く理解してもらうための絵や図」があります。
そのことから、「絵図」に似た言葉として、「図解・図説」という言葉を上げることができます。
現代の小中学校の教科書や大学入試用の参考書においても、「図解・図説」を前提にしたビジュアル(視覚)を楽しく刺激する書籍が多くなっています。
「イラスト」【いらすと】
「絵図」の類語・言い換えとして、「イラスト・挿し絵」があります。
「イラスト(イラストレーション)」という言葉の意味は、「書物や広告などに用いられる説明や装飾のための挿し絵」や「読者により本・広告の内容を容易に理解してもらうことを目的とした図解・写真」を意味しています。
「挿し絵(さしえ)・挿画(そうが)」というのは、「新聞・雑誌の紙面に挿し入れる記事内容に関連のある絵・イラスト」や「読者の想像力を刺激するために、小説・エッセイなどの読み物の文章に添えられる絵・イラスト」のことです。
「絵図」とは「絵・絵画」のことを意味する言葉になっています。
そのことから、「絵図」という言葉は「イラスト・挿し絵」という言葉に言い換えられるのです。
「地図」【ちず】
「絵図」の類語・言い換えとして、「地図(ちず)」があります。
「絵図」という言葉は、近世江戸期以前の時代には「地図一般・絵画化された地図」の意味で用いられていました。
現代では「地図」のことを「絵図」と呼ぶことはありませんが、近世以前の時代・社会を題材にした歴史小説・時代劇などでは、「地図の意味」で「絵図」という言葉が用いられることがあります。
そのため、「絵図」の類語として「地図」を上げることができるのです。
「絵図」の言葉の使い方
「絵図」の言葉の使い方は、「文字・文章ではない絵・絵画(イラスト)」に対して使うというものですが、特に「あるテーマ(学習内容)について、より面白く容易に理解させるための絵・図の視覚表現」という「図解・図説の意味合い」で用いることが多くなっています。
江戸時代以前の時代・社会を舞台にした小説や映像作品であれば、「地図」の意味合いで「絵図」という言葉を使うことができます。
現代における「絵図」のもう一つの使い方として、「将来(未来)に対する大まかな予測・計画・青写真」や「誰かが計画した悪事・謀略」といった意味合いで使うということがあります。
「誰かが計画した悪事・企て(謀略)」の意味では、「誰が描いた絵図なのかを徹底的に調査することにした」というような使い方をすることができます。
「絵図」を使った例文や短文(解釈)
「絵図」を使った例文・短文を紹介して、その意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「絵図」の例文1
- 「絵図」の例文2
- 「絵図」の例文3
「絵図」の例文1
「理科の学習内容をより的確に生徒に理解してもらうためには、文章だけではなく「絵図」を効果的に使うことが大切です」
この例文における「絵図」は、「生徒の理解を容易にして楽しく学習してもらうための絵・図・イラスト」といった意味合いになっています。
現代の教科書や参考書は、文章だけで堅苦しく説明しているものは減っていて、ビジュアル刺激の多い図解・図説を用いた参考書が増えています。
「絵図」の例文2
「芸術作品の絵画や挿し絵のイラストというのは、人の視覚にダイレクトに訴えかける力を持つ絵図である」
この例文における「絵図」は、「芸術作品としての絵画」や「書籍・新聞などの挿し絵のイラスト」を意味しています。
「絵図」という言葉には、「人によって描かれた絵画全般」の意味合いがあるので、「絵画・挿し絵・イラスト」などのすべてが「絵図」には含まれているということになります。
「絵図」の例文3
「江戸時代以前には一般的な地図のことを『絵図』と呼んでいたが、絵図には寺院が中心となって作成した『寺領絵図』も多かった。」
この例文における「絵図」は、近世江戸時代以前の「絵図」が「地図一般(絵で描かれた周辺地図)」を意味していたことを説明しています。
「絵図」と呼ばれていた昔の地図には、「寺領絵図」に分類される有力な寺院が作成したお寺周辺の絵画化された地図も多かったのです。
「絵図」の英語
「絵図」の英語は、“a picture”(絵画・写真)”や“a drawing”(主に図)”、“an illustration”(図解)”、“a plan,a design”(各種の設計図)などになります。
“This illustrated reference book is easy to understand. ”(この「絵図」・図解つきの参考書は分かりやすい。)
“These are illustrations of the temple grounds. ”(これらが「寺領絵図」です。)
“Illustration of Jingo-ji Temple”(「神護寺絵図」)
「絵図」を使った言葉と意味を解釈
「絵図」を使った言葉とその意味を分かりやすく解釈していきます。
- 「地獄絵図」【じごくえず】
- 「絵図を描く」
「地獄絵図」【じごくえず】
「地獄絵図」とは、仏教における恐ろしい地獄の様子を一連(定番)の絵画で表現したもので、悪いことをした人たちが極限の苦痛・絶望・恐怖を与えられている場面が描かれています。
「地獄絵図」は、仏教の「六道輪廻(りくどうりんね)」で最悪の世界とされる「地獄界」を題材にした絵です。
「地獄絵図」という言葉は、「地獄界で亡者が焼けた鉄棒で殴打されたり熱湯に浸されたり、針山を登らされたりして苦しむ様子を描いた絵」や「現実世界の事件・戦争などで、これ以上ないほどにむごたらしい状況になること」を意味しています。
「絵図を描く」
「絵図を描く」という言葉の直接的な意味は「絵を描く」になりますが、もう一つの意味として「何らかの目的を達成するために全体の計画を描く」や「誰かを陥れるための悪事・謀略を思い描く」があります。
将来に起こる出来事を予測したり他者の反応を推測したりして、何らかの計画・企て(謀略)をすることを、「絵図を描く」ということがあります。
「絵図を描くこと」によって、全体の計画や謀略のアウトライン(概略)を浮かび上がらせることができ、その「絵図」(計画)に賛成してくれる協力者を集めることもできます。
「絵図」という言葉について徹底的に解説しましたが、「絵図」には「文章ではない絵・絵画・イラスト」や「家屋・土地・庭園などの平面図(「」絵図面)」などの意味があります。
「絵図」の類語・言い換え・似た言葉としては「図画・絵画」「図解・図説」「イラスト・挿し絵」などがあります。
「絵図」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。